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松原昌洙

共有名義不動産の売買、仲介に強い不動産会社社長

松原昌洙(まつばらまさあき)

株式会社中央プロパティー

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コラム

デメリットを踏まえた上で、共有名義の不動産を売却する

2018年11月14日 公開 / 2018年11月16日更新

共有名義不動産を売却し現金化する方法は2つあります。その手続きの手順やメリットやデメリットを説明します。

デメリットを踏まえた上で、共有名義の不動産を売却する

共有不動産で自分の持分の権利は売却できるのか?

遺産相続で共有不動産名義で土地や建物を所有することになったとしても、どうしてよいかわからずに年月が過ぎていくことはよくあります。

不動産の所有権があっても、不動産を利用することがなければ共有不動産は単なるお荷物です。毎年税金や不動産の維持費用を持分の割合で負担するだけで、所有しているメリットはありません。

こんな状況で、自分の経済的事情が急に悪化し、この共有不動産における自分の持分を売却して現金化したいと思った場合、それは可能でしょうか?

共有不動産の売却方法は2つ

結論から言えば、共有不動産を売却し現金化することは可能です。
その方法は2つあります。

(1)不動産全てを売却する
共有者全員が合意をして、不動産全てを売却処分してしまう方法です。これには、共有者全員が売却に合意することが前提となります。

売却ができれば、その代金から売却にかかった費用を差し引いた残りの金額を共有者全員で、持分権利の割合に応じて分割し現金を受け取ります。

(2)不動産の所有権利の持分を売却する
共有者がそれぞれが持つ、所有の権利のみを売却する方法です。
持ち分の売買が成立すれば、新しく持分を購入した人が、売った人に代わって共有者になります。
そしてこの場合、他の共有者の持分は変わりません。

早く現金を手に入れる方法は、自分の持分のみを売却すること

上に書いた2つの方法のどちらを使うかですが、もし現金が早く欲しいなら、共有不動産の持分権利の売却であれば他の共有者の合意を得なくても、自分の意志だけでできます。
(民法206条)

このような共有持分のみの売却は、取引を専門に扱う仲介業者もしくは買い取り業者に依頼します。業者は、共有不動産の査定を行い、売りたい人の持分の査定や買取代金を提示します。
合意ができれば、売却手続きを行い、共有不動産の所有権の移転登記を行います。

共有不動産の自己持分のみを現金化するメリットやデメリット

持分権利の売却が済めば、売ってしまった人は、長年の不動産の共有関係を解消できますし、現金も手に入ります。その後、その不動産について共有者同士の話し合いに参加することもなくなります。

一方で、この方法は、共有者全員の合意の下に共有不動産の土地も権利もすべて売却する方法と比較すると、自分が手元に得る現金は少なくなります。
この理由は、買い手側からすれば、不動産の持分の一部を買い取って不動産を有効活用するためには、他の共有者と協議をしなければならず、メリットが少ないためです。

そこで新しく共有者になった買主は、他の共有者との間でお互いの持分について買取交渉などの協議をする可能性があります。

共有不動産の持ち主が変わるとどうなるか?

共有者の持分権利を買い取った投資家は、不動産を投資目的で購入しているので、その後、他の共有者に対しても不動産の活用について協議を求めてきます。

共有名義の土地だけなら、賃貸アパートやテナントビルを建設して一緒に経営をするといった提案を持ちかけるかもしれません。
もし、この案をまとまらないと、それなら他の共有者の持分を全て買い取って、単独名義で土地の運用をしたいと希望するかもしれません。

以上のような不動産の活用について話がまとまらなければ、投資家は「共有物分割請求」を裁判所に申し立てる可能性があります。

共有物分割請求とは

共有不動産は、その活用において共有者全員で協議をしなければなりませんが、互いの利害関係の対立から話がまとまらず、事態が進まないことがあります。
このような状況下において、共有者はだれでも「共有物分割請求」を行うことができます。

訴訟を起こすと裁判所が共有者全員の言い分を聞き、判決を出します。多くの場合、共有不動産は競売にかかり売却され、共有者全員が持分割合に相当する代金を受け取り、共有関係を解消することが多くなります。

このような結果となれば、不動産を持ち続けることはできなくなります。

投資家(買主)がこの訴訟を起こした場合、判決が出る前に、全ての共有者と話し合い、全員が合意すれば、違った方法で共有不動産の分割を行うことができます。

例えば、競売でなく任意売却の手続きをとれば、競売で落札される価格よりも高く売却できる可能性があります。

いずれの場合においても、最終的には土地を全て売却するか、誰か一人が土地の持分権利をすべて買い取るかのどちらかで共有関係を解消するのが一番得策と考えられます。

共有不動産は自分勝手に取り扱わない

以上のようなことをふまえれば、共有不動産を所有している時、自分の持分の権利は単独で売却処分できるとはいっても慎重に判断する必要があります。

共有不動産は法律で定められているとはいえ、長期にわたりこの関係を続けると、二次相続の発生も考えれば、より権利関係が複雑化し、不動産を運用することはさらに困難になります。

共有不動産は、遺産相続を経て所有することが多い資産の1つです。
不動産を遺産相続することになれば、共有関係で所有権を持つことはできるだけ避けた方法で相続するのがよいでしょう。

そのためには、不動産のプロからアドバイスを受けるなどして次世代に問題を持ち越さないように処理をすることが望まれます。

この記事を書いたプロ

松原昌洙

共有名義不動産の売買、仲介に強い不動産会社社長

松原昌洙(株式会社中央プロパティー)

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