[会計・ファイナンス・IRの英語]はじめて話す外国人とのミーティングを制する方法
働き方改革や、新型コロナウィルス感染症の影響から、企業の会議の形が大きく変わりました。
対面の会議が主流だった時代から大きく変わり、Zoomなどを利用する、オンライン会議が定着しています。
便利なオンライン会議ですが、相手の表情がわかる対面会議とは異なる、難しさもあります。
対面で会議をする場合は、発する言葉だけでなく、相手の表情や身振りから読み取れる情報もあり、意思の疎通が図りやすくなります。
他の参加者の反応などを見ることで、ある人の意見を、他のメンバーがどう受け止めているのかを図ることもできます。
対面ならではの、様々なヒントを得ることが難しいオンライン会議に、慣れない英語で参加するとなると、さらに難易度が上がるもの。
オンライン会議の相手が海外の人であれば、時差の関係で、ミーティング開催時間が、自分のパフォーマンスが最適な時間帯にならない場合すらありますよね。
早朝で目覚めきれていない時間や、一日の終わりで疲れている時間帯での英語オンライン会議は、相手の英語のアクセントやスピードに慣れ、集中力を続けることすら簡単ではありません。
一方、どんなに困難であったとしても、グローバルな環境で仕事をしていく人は、英語オンライン会議を避けて通ることはできません。
この記事では、英語の会議そのものに慣れていない人が、どうやってオンライン英語会議を乗り切れるかを解説します。
実際に会議の場で役立つ秘訣から、学習方法、具体的なフレーズも紹介もします。
英語オンライン会議の苦手意識を克服したい方は、ぜひ参考にしてください。
オンライン英語会議を成功させるための秘訣
英語の会議は予習型・事前準備が会議を制する
拙著出世する人の英語でも解説していますが、英語での会議の特徴を一言で表現すると『予習型』です。
事前にアジェンダ(議題)を確認し、自分の職責からするしてどんな意見を言うべきか、またどんな確認や質問をすべきかを、しっかり準備してのぞむ必要があります。
とりあえず会議に参加して内容を聞きて、後から意見しようといった日本的『復習型』の姿勢では太刀打ちできません。
会議の後にいろいろ調べ、考え抜いた上で出す意見が、たとえどんなに良いものであっても、タイミングを逃してしまっては評価されません。
パラダイムシフトになりますが、英語の会議は『予習型』『言いたい事・言うべき事を、事前に準備』することを徹底しましょう。
もちろん、実際の英語会議の場では、想定外の方向に話が行ってしまうこともあります。
「あれ、これは違う!」でも、「きちんと反論する内容を英語でまとめられない・・・」と窮地に立った時は、「ちょっと待った!!」
「ちょっと待った!!」を言えるか言えないかは、どれだけ予習しているかにかかります。
因みに、「ちょっと待った!!」という時、”Wait!” とは言いません。
Just a second. とか、Excuse me. もしくは Sorry などと言った後に、
I have a question. 質問があります。
I have some concerns. いくつかの懸念点があります。
I would like to make some comments. コメントしたいことがあります。
と言ってみてください。
完璧な反対意見を論理的に語ることができなかったとしても、反対意見や懸念点があることを、タイミングを逃さずに、とにかくSpeak upすることが大事です。
どうしても言いたい事がうまく伝わらない場合は、次回のミーティングまでに準備しておくとか、メールでフォローアップすると食い下がるようにしましょう。
きちんと言わなければ、会議の成り行きに賛成したと思われてしまいます。
この点は対面会議でも、オンライン会議でも変わらず重要なのですが、対面の方が、Speak upするタイミングを図りやすいです。
こちらが話したそうに、身を乗り出していれば、助け船を出して、「コメントか質問ある?」と聞いてくれる人がいるかもしれません。
オンライン会議では、誰かの意見が一旦切れ、次の人の意見や、話題ば別のものに移ってしまう前に、Speack upできることを目標にしましょう。
集中力を継続させる工夫をする
自分が話すより、聞いていることが多い英語のオンライン会議で、難しのが集中力を維持することです。
何が話題になっていて、議論がどちらの方向にいくのか、全集中で聞いていないと、すぐに迷子になってしまいます。
そうなってしまうと、大事なコメントや質問をするタイミングも逃します。
後から質問したくなっても、自分が議論についていけなかったり、他のことを考えている間に、すでに説明があったのではないかと思うと、質問を躊躇してしまいます。
英語のオンライン会議では、全集中が必要です。 日本語の会議であれば可能な、内職はやめましょう。
少しでも集中できる環境に自分を置くように、事前にきちんと資料を整理(手元に置いたり、PC上で開いておくなど)し、お気にいりの飲み物なども準備してスタートすると、気持ちよくオンライン会議をスタートすることができますよ。
メンタルの強さを持つ
どんなに準備をしていても、うまく伝わらないことや、誤解されることは往々にしてあります。
オンラインになると、音声がクリアーでなかったり、双方の口の動きなどもよく見えないのことが多いでの、対面よりも伝わりにくいです。
また、英語の会議そのもに不慣れな人は、こちらの発音やイントネーションの問題以前に、話し出す順番に問題があったり(例:最重要ではないことを最初に言ってしまう)と、別の問題を抱えている場合もあります。
新しい事業についての会議や、自分自身が今のポジションに新しい場合、仕事内容そのものへの理解が不足していて、論理的にまとめることができていないことが、伝わらない理由の場合もあります。
英語のオンライン会議がうまくいかない理由はたくさんありますが、最も避けなければいけなのは、必要以上に落ち込むことです。
聞き返されようが、誤解されようが、最悪の場合は言ったことが無視されようが、いちいち傷ついていては、グローバル環境で働くことはできません。
英語圏の人は、議論に慣れていて、人の意見に対して抵抗なく反対意見をぶつけてきます。
彼ら・彼女らと同じように、議論することで、より良い結果が導きだされると考えてのぞむと、ストレスになりません。
今回の失敗の経験から何かを学び、次は少しでも上手くいけば万々歳、そのくらいタフなメンタルでいきましょう。
人の助けとツールの助けをフル活用する
英語のオンライン会議に自信がない人が、より効率的に会議に参加できるようにするには、英語力の向上以外の知恵も絞りましょう。
上司や同僚、会議の主催者など、自分が信頼する人にサポートをお願いできないか、考えてみてください。
『~~~』の話題になったら、懸念点を共有したいと考えているので、タイミングを図ってくれたら助かるという、事前のお願いしてみましょう。
『~~~』は非常に重要な点なので、次回のオンライン会議でじっくり説明してほしいといった事前のお願いも効果的です。
場合によっては、自分の質問事項を、事前に会議参加者にメールで共有することも、検討してみてください。
「自分は英語が苦手だから~。」といった、自分を卑下するコメントは不要(もしろ絶対に避けてください!)ですが、事前に根回し、助けをもとめることは有効です。
また、会議中に、チャットなどを利用したり、準備しておいた簡単なスライドを共有することで、ポイントを理解してもらうなどの工夫も効果的です。
目的を達成するためには、使えるものは何でもフル活用するイメージです。
オンライン英語会議で役立つ、ビジネス英語の学び方
相手の立場にたって、わかりやすく論理的に話す
ビジネスの現場で、相手に伝わる英語をマスターするには、英語だけの勉強をしても十分ではありません。
- 結論から話すこと
- 論理的にまとめること
- 本当に重要な情報に絞ること
などの力が必要になります。
この件については、下記の過去記事でも秘訣を紹介していますので、参考にしてください。
伝わる英文メールを書く秘訣・文法編
伝わる英文メールを書く秘訣・文法編・第2弾
母国語の日本語で話していても、わかりやすい話し方をする人と、要点をつかむのが難しい話し方をする人がいます。
先ずは、日本語でわかりやすく話すことを意識してください。
また、聞き手が自分と同じ社会的経験や背景知識があると考えてはいけません。
様々な情報をわかりやすく伝える、ビジネス英語の生きた教材としては、グローバル企業のアニュアルレポートが最適です。
こちらの記事、英語のアニュアルレポート 決算報告書でビジネス英語を学ぶ
で詳しく解説しています。
誤解される一番の原因が何かを分析する
誤解されたり、伝わらなくても傷つかない、くじけている場合ではないとお話ししましたが、自分の英語が伝わらなかった原因を冷静に振り返ることは大切です。
発音やイントネーション以外、以下についても振り返ってみてください。
- 声が小さかった?
- お腹から声が出てなかった?(特に女性の場合)
- 唐突に話題を変えて、言いたいことを言ってしまって混乱させた?
- 本当に言いたいこと=結論からではなく、背景知識から話し出してしまった?
- 言いたい事を言い切らないで、語尾をあいまいにした?
などです。
思い当たる原因が見つかったら、具体的な改善策を考えていきましょう。
客観的なアドバイスがもらえる、ビジネスで英語を使っている人に相談するのも有効ですね。
瞬時に使えるフレーズ・出番の多いフレーズを覚える
最後に、オンライン会議でよく使われる表現をご紹介します。
オンライン特有の一部のフレーズを除き、大半が対面の会議やミーティングで使えます。
よく使うフレーズは、咄嗟に口からでるように覚えておきましょう。
どんなに短いフレーズでも、適切な英語が口から出ると、気持ちに余裕が生まれ、英語での会議に自信がもてるようになっていきます。
小林真美の書籍、リーダーのためのビジネス英会話フレーズブック ]から、代表的なフレーズをご紹介します。
【電話会議を開始時の挨拶や自己紹介のフレーズ11】
全員準備できたかな?
Are we all on?
皆さん、聞こえますか?
Can everybody hear me?
全員つながったね。では開始しましょう。
Now that we’re all connected, let’s begin.
皆さん、簡単に自己紹介してください。
Can I ask that we all briefly introduce ourselves, please?
今日の電話会議を取りまとめる、東京のケンです。
It’s Ken in Tokyo, the facilitator of today’s conference call.
ではさっそく本題に入ります。
Now let’s move on to the main topic.
この電話会議は、次回の年次営業会議の計画をシェアすることです。
The purpose of this conference meeting is to share the plan for the upcoming annual sales meeting.
まず、前回の電話会議で説明したことを見ていきましょう。
First, let's start by going over what we discussed in the last conference call.
一時間で終わるようにしましょう。
Let's make sure we finish in one hour.
念のため、私の電話会議の基本ルールの確認をします。話す時は一人ずつお願いします。
Just to make sure, I would just like to remind you of the ground rules for our conference call, one at a time when speaking.
お互い聴き取りやすいように、はっきりゆっくり話すようにしてください。
I would like you to speak clearly and slowly so that everyone understands.
【会話をコントロールするフレーズ16】
ではアジェンダの最初の話題から始めましょう。
Now, let’s begin with the first topic on the agenda.
今、私の画面をシェアしてます。
I’m sharing my screen right now.
みなさん見えますか?
Can everyone see it?
話しながらこの資料を見た方がいいですね。今すぐメールで送ります。
We should see this document while we talk. Let me email this to you right now.
ケン、マーケティングプランについて、アップデートお願いします。
Ken, could you update us on the marketing plan?
デービット、ABCプロジェクトの進捗はどうですか?
David, how is the ABC project coming along?
少しゆっくり話してもらえる?
Could you speak more slowly, please?
もう一度言ってもらえる?
Could you repeat that please?
すいません、理解できないです。
I’m afraid I didn’t get that.
違う方法で説明してもらえるかな?
Could you explain that in another way, please?
すいませんトム、マイクの話を最後まで聞くようにしよう。
Sorry Tom, could we let Mike finish, please?
質問してもいいかな?
Sorry, would you mind if I asked a question?
とりあえずその件は後にしましょう。
Let's leave this item for now.
その件は次の電話会議で話すことにしよう。
I think we should cover that topic at the next call.
ここまでで、この件についてはみんな言いたい事は言いましたね。
So far, I think we have all had our say on this topic.
次の話題に移りましょう。
Let’s move on to the next topic.
【オンライン会議特有の問題(技術的問題など)や状況への対処するフレーズ21】
回線に問題あるようです。
I think there’s a problem with the line.
回線が途切れ途切れになります。
The line keeps breaking up.
今確認しています。
We’re looking into it now.
少々待ってください。
Please give us a moment.
ちょっと待ってください。
Just hold on one second.
システムを再起動します。
Let me reboot the system.
今日の音質が良くないようです。みなさんはっきり話すようにお願いね。
The sound quality is not good today. Please, can everyone speak up?
申し訳ないけどよく聞こえません。
I’m afraid we can’t hear you very well.
ボリュームを大きくしてもらえますか?
Will you be able to turn the volume up?
もう少し大きな声で話して頂けますか?
Can you please speak up?
すいません、背後から雑音が聞こえます。何が起きてるか確認してもらえますか?
Excuse me, I am hearing a lot of noise from your background. Could you find out what's going on?
後ろの雑音が聞こえます。
I can hear background noises.
話していない時はミュートにしてください?
Could you put yourselves on mute when you are not talking?
3人が話してますよ。
There are three people speaking.
話す時は一人ずつでお願いします。
May I remind you to speak one at a time?
話す前に名前を言ってもらえますか?
Could you say your name before speaking?
10分間、急用で会議から抜けなければなりません。
I need to leave for ten minutes due to some urgent matters.
私なしで議論を続けていてください。
Would you continue the discussion without me?
ケン、私がいない間議論をリードしてください。
Ken, please lead the discussion while I am away.
会議に戻りました。
I’m back on the line again.
ケン、どこまで話したか、状況教えてくれる?
Ken, could you fill me in where we are now?
【会議をまとめて指示を出すフレーズ12】
本日お話したいことはすべてカバーしましたね。
That covers everything we had to discuss today.
他に話すことはありますか?
Is there anything else to discuss?
では、何かご質問ありますか?
Now, are there any questions?
とても良い質問です。
That is a really good question.
その点については、後日ご連絡します。
Let me get back to you on that.
今日の会議を終える前に、主要なポイントをまとめます。
Before we close today's meeting, let me just summarize the main points.
他にコメントがなければ、会議を終わりにしたいと思います。
If there are no other comments, I'd like to wrap this meeting up.
次の電話会議の日程を決めましょう。
Let’s set the date for the next conference call.
3週間後にフォローアップの電話会議をスケジュールしましょう。
Shall we schedule a follow-up call in 3 weeks?
参加ありがとう。
Thanks for your participation.
本日の協力に感謝します。
I would like to thank you all for your contributions today.
今日はこれで終わります。またお話しましょう。
That’s it for today, speak to you soon.
まとめ
この記事では対面以上に難しい、英語のオンライン会議を攻略する方法と、会議に役立つビジネス英語の学習法、よく使うフレーズをご紹介しました。
英語の会議は『予習型』です。しっかり準備てのぞみましょう。黙っていては、考えていることは伝わりません。
対面であれば、何か言いたそうだと、表情からくみとってもらることがあっても、複数名が参加するオンライン会議はそうもいきません。
かなりの英語力を持つ人や、英語ネイティブ同士でも、勘違いや、意図する事が100%伝わることばかりではありません。
ノンネイティブの自分の英語に対して、必要以上のコンプレックスを持たず、うまくいかなくても原因を冷静に判断して、次への改善努力をしましょう。
その積み重ねで、あなたのビジネス英語は着実に向上していきます。