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きっと役に立つお金の話2 税金が安くなる!?控除について

馬屋原康平

馬屋原康平

皆さん、こんにちは。
生活していく中でいろいろな収入などに税金がかかりますが、今回は知っていれば、税金が安くなるかもしれない所得控除についてお話しします。



控除って何?


控除という言葉がピンとこない方もいらっしゃるかと思います。皆さんが納める税金を計算するために、収入に税率をかけて、その金額を求めるのですが、控除というのは、その計算の元となる給料などの収入から差し引いてくれる物のことを指します。
例えば300万円の収入があって、10パーセントの税率だとした場合、そのまま計算すると
300万円×10パーセント=30万円
となり、30万円の税金という事になりますが、例えばここから100万円控除できるという事になると
(300万円-100万円)×10パーセント=20万円
となりますので、同じ収入でも控除があるかないかで、納める税金の金額が大きく変わってきます。
今回は、この控除についてお話しします。少しでもご自身に該当する者があれば、ぜひ積極的に利用して、賢く節税しましょう!

所得控除の種類


所得控除は全部で14種類あります。
雑損控除
医療費控除
社会保険料控除
小規模企業共済等掛金控除
生命保険料控除
地震保険料控除
寄付金控除
障害者控除
寡婦(寡夫)控除
勤労学生控除
配偶者控除
配偶者特別控除
扶養控除
基礎控除

全てを説明すると長くなってしまいますので、一般的に多くの方が該当する可能性が高いものを挙げて説明します。



雑損控除、全員一律基礎控除


各種所得控除のうち雑損控除を最初に行います。
雑損控除は災害、盗難もしくは横領によって損害を受けた場合に、損害額のうち一定額を総所得金額等から控除するものです。ここでは詳しい説明は省略します。

基礎控除は所得に関係なく、全ての居住者に一律に認められるもので、控除額は38万円です。

ほとんどの方が対象、社会保険料控除


社会保険料控除は本人、もしくは同一生計の配偶者その他親族の健康保険料、国民健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、国民年金保険料などを支払った場合に、その社会保険料の全額を総所得金額から控除できます。
最近は若い方などで、国民年金を払っていないという方も時々いらっしゃいますが、年金もきちんと納めていれば、その分の税金がかかっていないことになります。ちゃんと納めている人の方が収入が同じだとしたら税金は少なくなりますね。

確定拠出年金も対象!小規模企業共済等掛金控除


小規模企業共済等掛金控除は、居住者が小規模企業共済契約の掛け金を支払った場合、その全額が控除になります。
ここ最近でも話題になっている確定拠出年金に掛け金を払った場合も同様に全額が控除になります。企業型の場合は掛け金のうちで個人が拠出した部分になります。
例えば課税される所得が400万円の方の場合、個人型確定拠出年金を上限の月23,000円積み立てした場合、所得税は55,200円も少なくなります。住民税と併せると、8万円以上も税金が少なくて済みます。
将来の年金を積み立てて、その分の税金が無くなるのであれば、積み立てる価値は大きいですね。



活用しない手はない、生命保険料控除


生命保険料控除は生命保険や、個人年金、医療保険に掛け金を払った場合に一定の金額が控除になります。こちらの控除は一般の生命保険、個人年金、介護医療保険の3つに分けられて、それぞれに一定の金額までは控除が可能です。
保険は貯蓄性のある物でも、掛け捨ての物でもどちらでも同様に控除になりますので、例えば貯蓄性のある保険に加入することで、今の超低金利の時代には、銀行の口座にお金を置いておくよりもよっぽど有利だと思います。
例えば、前出の課税される所得が400万円の方の場合、例えば年間に8万円の保険料を払ったとするとここでいう所得控除で8,000円の税金が節約になります。他に住民税の控除も併せると、1万円以上税金が安くなっている計算になります。最終的に払った分以上のお金が戻るタイプの保険だとしたら、それプラス1万円以上得になるなら、やらない手はないですね。保険をあまり必要でないと感じている若い独身の方なども、この分を活用するために保険に加入しても良いと思います。

セルフメディケーション税制も始まった、医療費控除、その他


結婚している方で、配偶者の方の所得金額が一定金額以下の場合は、配偶者控除、配偶者特別控除があります。~38万円(2018年1月に改定)

医療費控除は1年の間に一定以上の医療費を払った場合に、一定金額を超える部分の金額を控除します。
診療や治療はもちろんですが、市販の風邪薬なども治療のためであれば控除の対象となります。(漢方薬、ビタミン剤などは対象外)差額ベッド代も、個室しか空いていないなど病院や医師の都合の場合は対象になります。治療のためのマッサージ、指圧などの費用。通院のための電車代、バス代、急を要する場合のタクシー代なども対象になります。
200万円を限度として、10万円を超える金額が控除になります。(保険金などで補てんされる金額を除く)
医療費控除が適用される方は若い方だとそれほど多くないと思いますが、平成29年1月1日より医療費控除の特例としてセルフメディケーション税制が始まりました。こちらは対象の医薬品を購入した場合に一定の金額が所得から控除になる制度です。こちらは購入金額が年間12,000円以上の場合に適用されます。このくらいの金額なら健康な方でも対象になる場合も結構あると思います。対象の薬を購入したときは年末まで領収書を取っておきましょう。

寄付金控除は特定の寄付金を払った場合にその額が2,000円を超えるときに、その超える部分の金額を、総所得金額の40パーセントを限度に控除します。
話題となっている「ふるさと納税」も、寄付金控除の対象となっています。

それ以外の控除に関しても、対象になる方は全て活用していただくと、かなり税金が抑えられると思います。確定申告が必要な場合もありますので、対象となる物を事前にご確認ください。

2017年2月
2018年6月加筆修正

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馬屋原康平
専門家

馬屋原康平(独立系FP)

ブライトリンクス株式会社

現在、新宿でFP事務所を開業しています。老後を楽しく生きるためのシニア向けマネーセミナーおよび個別FP相談をしています。老後の設計書を一緒に作っていきましょう。(ライフプラン・資産運用・保険・相続)

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