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馬屋原康平

マネーセミナーおよび資産形成に強いFP

馬屋原康平(まやはらこうへい) / 独立系FP

ブライトリンクス株式会社

コラム

貯蓄をやめれば資産が増える!

2019年8月1日

コラムカテゴリ:お金・保険

コラムキーワード: 投資信託



皆さん、こんにちは。
最近の某大臣の老後2,000万円必要という発言を受けて、ご相談にいらっしゃる方が急増しました。
今回は、日頃私が皆様のご相談を受けている中で、お金が貯まりやすい人と、そうでない人の違いについて気が付いたことの一つを書いてみたいと思います。

貯蓄は良くないの?


今回のタイトルを見て、『?』と思った方も多くいらっしゃることと思います。
もう少し正確に書くとしたら『貯蓄をやめて、運用をすれば資産が増える!』ということです。
これでもまだちょっと『?』という方もいらっしゃると思います。



将来のために頑張って貯めているけど、それがダメなの?と思われる方もいらっしゃると思います。
貯蓄することは、もちろん悪い事ではありません。
ただ、私のところにご相談にいらっしゃる方の多くは、ただ単純に貯めているだけという方が、とても多いです。

全然増えない日本人の資産


実はこれは、日本人の多くが同じような状況になっています。

ここ20年で、アメリカ人と日本人の資産状況を比べた場合、アメリカ人の資産は3倍以上に増えていますが、日本人の資産は1.5倍程度にしか増えていません。
これはそれぞれの国民がどのような資産を保有しているかという事に深い関係が有ります。
近年、日本でもNISAやiDeCoなどを積極的に勧めて、投資を促していますので、一昔前と比べると、興味を持っている方は増えていると思いますが、それでもまだまだ貯金は全て普通預金か定期預金だけという方は珍しくありません。

欧米との差は、資産配分の違い




データでみるとそれぞれの国の金融資産の保有割合を見てみると、アメリカ人の場合だと、預金に入れている割合は13%程度ですが、日本人の場合は今でも60%近いです。

逆に株式や投資信託などのリスク資産の割合を見てみると、アメリカ人の場合は、50%近くになりますが、今でも日本人の場合は10数%程度です。

結果を見ると明らかですが、値下がりのリスクがあるような資産も、長期の運用という事で考えると、結果的には大きくプラスになるという事が分かってきます。

超低金利の日本の悲しい現実


現代の日本は超低金利の時代に突入しています。
大手都市銀行の普通預金は年利0.001%という状況です。
具体的に考えると、例えば普通預金に100万円預けた場合、1年で増えるのは、なんとたったの10円です。

この5~6年の間、国内ではアベノミクスという経済政策で、少しずつ物価が上昇するインフレの状態になっています。
仮に1年に1%ずつ物価が上昇すると考えると、今年100万円で売っている物は来年になると101万円に値上がりします。

物価が上がると、お金の価値は下がる


物価が1万円値上がりしている間に、同じ期間で増えた貯金はたったの10円です。
1年だけでもこれだけの差があるわけですので、これを老後に向けて20年、30年という期間で考えると、とんでもなく大きな差になるだろうという事が想像できると思います。



しっかり貯めるだけでは価値は減っていく


私のところに相談にいらっしゃる方の多くは、将来のためにということで、しっかり貯蓄をされていらっしゃる方がとても多いです。
貯蓄というのは、文字通りお金を貯めることですが、ここまでの説明を読んでいただいて、ただひたすら貯めるだけという事が、将来を考えた場合は、長期的に資産の価値をどんどん目減りさせていくことになり、いつまでたっても増えないばかりか、金利が物価の上昇に全く追いついていない状況では、老後の資産価値がどんどん減ってしまっているという状態に陥っているという事に気が付くと思います。

損をするのが心配?


大部分が普通預金、定期預金になっている多くの方は、それ以外の金融商品などで運用すると、「損をしてしまうかもしれない。だから無理せず、普通預金で何もしないのが安心。」と思っている方がほとんどです。

ここまでの説明を読んでいただけると分かると思いますが、物価が少しずつ上がっていく環境で、ほとんど0に近い金利だけで預けっぱなしにしておくという事が、いかに危険かという事が分かるのではないかと思います。

でも株や投資信託だと、失敗すると大きく損してしまうのではないかと心配される方も多いと思います。
実際に短期間、これらのリスク資産を保有した場合は、状況によって大きく目減りする可能性もあります。

実際に分散投資で運用してみた結果は?


過去の統計で確認してみると、国内外の株式、債券に分散して積み立て投資をした場合、運用期間が5年だと運用結果は大きくプラスになる時も有りますが、マイナスになってしまう事も多々あります。これが20年という長期で同じように積み立て投資をすると、運用結果はプラス2~8%程度の範囲に収まってきます。

私自身は20代の頃から投資をしていますが、この間にはリーマンショックなども有りましたが、結果的に大きくプラスになっていますので、長期投資のメリットは実感としてもかなりあります。

もちろん短期の投資が悪いというわけではなく、タイミングによっては短い期間で大きな利益を生み出すことも出来ることもあると思います。
考え方を変えれば、短期投資も何度も繰り返していれば、それを長い期間やっていれば、結果的には長期投資とさほど変わらない結果になるかもしれません。



20年後、30年後を見据えて


今の超低金利の日本で銀行の普通預金や定期預金に老後の資金を20年、30年と預けた場合、20年後、30年後にどのくらい増えるでしょうか?

ここまで読んでいただければ、とにかく何もしない状態という事が、どれだけもったいないことをしているかという事が、少しは分かっていただけるのではないかと思います。

投資の方法はいろいろありますので、自分がなるべくストレスなく出来る方法を選んでいただいて、まずは一歩踏み出せるかどうかが、その後資産を増やせるかどうかの大きな差になってきます。

『貯蓄』から『運用』へ


これから先の時代を、安心して暮らしていくためには、ただ単純に「貯める」だけから、貯めたお金を上手に「運用する」ことが大切になってきます。
実際にこれまでご相談にいらしていただいた多くの皆様も、この1歩を踏み出せるかどうかが、時間と共に大きな差となっているのが分かります。



安心して老後を過ごしていけるように、「ただひたすら貯めるだけ」を卒業しましょう!!

2019年4月
2019年8月 加筆、修正

この記事を書いたプロ

馬屋原康平

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馬屋原康平(ブライトリンクス株式会社)

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