日曜日の夜になると憂鬱感と不安感で仕事に行きたくなくなる
子どもの頃、遠足や楽しみにしていた旅行の前の晩に眠れなかったという経験をお持ちの方も多いことでしょう。
興奮しすぎたり試験の前日に寝付けないといった一過性不眠と違って、明日の仕事のことを考えるだけで不安になり、眠れないといった不眠の症状に悩む人が近年急増しています。
このような睡眠障害は、うつ病の兆候のひとつともいわれているように、不安の原因を突き止めて早めの対処をすることが何よりも大切です。
不安で眠れない原因として大きく二つの要素があります。
疲労や騒音、痛みなどの物理的ストレスと、仕事の人間関係や病気、離婚、親しい人との別れなどの精神的ストレスの二つです。
その中でも、不安で眠れない理由として最も多いといわれていることが仕事の精神的ストレスです。
不安と不眠との関係、仕事への影響と悪循環について
休むために家に帰っているのに、今日一日の出来ごとに対する後悔や仕事の反省、明日の仕事のことばかり浮かんできて、横になってもそれらが頭から離れずに眠れない。
結果慢性的な睡眠不足となり、肝心の仕事がうまくいかないといった逆効果を招いてしまいます。
不眠症に悩んでいる人は、「眠らなければ」にとらわれていることが多いものです。
「眠らなければ」と考えれば考えるほど、余計に眠れなくなってしまい、その悪循環は、やがて「夜が来るのが怖い」とさえ感じるような、典型的な不眠症の症状が現れてくることになります。
不眠症になりやすい人の傾向と心身に現れる症状について
不眠が続くと、メンタル面では倦怠感や焦燥感、記憶力や意欲の低下がみられ、体に表れる症状としては、日中の眠気やだるさ、動悸やめまい、頭痛や胃腸障害などを発症する場合もあります。
また、注意力や集中力が低下すると、仕事でミスをしてしまったり、運転中のミスで事故を起こしてしまうなど、重大な事態に発展してしまうことも考えられます。
明日は大事な会議があるのに寝過ごしたりしないだろうか、以前と同じようなミスをしないだろうかと考えると心配で眠れない。
一睡もできぬまま職場に向かう日々……。「こんな状態のままで仕事が続けられるだろうか」といった不安の蓄積は、やがて現実に仕事を辞めざるを得ないという事態に直面することもあるのです。
不安で眠りたくても眠れないといった不眠症を抱えているのは、真面目で一生懸命、理想や自分への期待値が高い人が多く、仕事でも頑張りすぎてしまいます。このような人は、前回のコラムでお話ししたような5つのドライバーを強く持っている傾向があります。
【5つのドライバー】
1.完全でなければならない
2.一生懸命努力しなければならない
3.他人を喜ばせなければならない
4.急がなければならない
5.強くなければならない
不眠症を解消するためにすべきこととは?
明日の仕事に対する不安、起こるかどうかわからない事態への予期不安、これらの不安に陥るのは、不安の裏に恐怖が隠れていることが多いと考えられています。
過去に起こった出来事で恐怖を感じたことから、また同じような体験をしたくないと無意識に反応し、それが不安となって現れると言われています。
それは、他人に叱責される恐怖であったり、否定される恐怖であったり、誰かに見捨てられる恐怖であったり、と人によって様々です。
しかし、過去に体験したそれらの恐怖とこれから体験する出来事は全く関係のないことです。現在は、何か怖いことがあっても助けを求めることができます。
「助けを求められない」、「助けを求めても助けてもらえない」と誤解していることが不安の原因になっていることもあります。
不安になりやすい自分の考え方を直すために、一歩引いて自らを客観視してみる、不安の正体が何なのかを探ってみることは不眠解消の第一歩ともいえます。
しかし、中には自力だけではうまくいかないこともあります。あなたのその不安が単に仕事のストレスから来るものなのか、もしかしたら原因は他にあるかも知れません。そのような場合は、専門家による適切なカウンセリングで、霧が晴れたように不眠が改善に向かうこともあります。一人で悩まずに、心理カウンセリングを受けて心の負担を軽くしてみませんか?
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