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『心からの称賛の気持ちを君たちへ』

井上昇哉

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テーマ:大学受験 高校生活

こんにちは、与一の井上です。

先の1月18・19日に今年も大学入試共通テストが行われました。徳島県では2,567人が出願したとのことで、まずは皆さん本当にお疲れ様でした。

さてつい先日「授業をしない塾」で有名な某塾の創業者が「AO 指定校推薦はダメでしょ 学歴ロンダリングよ」「若者代表の意味、、、、 信じれるのは 一般受験のみ 素晴らしい制度は なんの差別もない 平等な 学力点数勝負 異論は認めたいけど 認められない、、、」などとXでつぶやいたことに対し賛否両論が寄せられているようです。

与一でも毎年11月頃には少なくない生徒が総合型・学校推薦型選抜で合格をし、それをもって塾を卒業する状況があり、上記のような発言を塾業界の関係者がすることは「推薦で合格されると塾を途中で辞める子が増え、経営的に困るからそう言っているだけ」という意見も少なからず見られます。

正直なところ、私も推薦入試に関しては思うところがかなり強くありますが、旧AO・推薦入試を指す「総合型・学校推薦型選抜」での入学者数の割合が50%まで上がってきているという現状を鑑みれば、もはや「推薦だからダメ」という論調には無理があるように思われます。

どうしたって答えの出そうにない「一般入試で入る方が優れている」という考え方ではなく、「一般入試で受験する人の努力を認める」という考え方をしてみてはいかがでしょうか。


先に述べたように与一でも途中で塾を卒業する生徒が一定数いる中、いよいよ共通テストを迎える生徒を前にした私はいつも生徒への称賛の気持ちで一杯です。一般入試とは国公立・私立大学共に基本的には俗にいうペーパーテストのみで合否が決まる入試方式を指しますが、「大学全入時代」と言われる今日、選ばなければ既に大学を決めることができていた状況で、最後まで志望校への気持ちを持ち続け、努力をし続けた彼ら・彼女らには尊敬の気持ちしかありません。

たった二日で大学が、ひいては将来が決まってしまう(実際にはそうではないと言えますが)という緊張は本人にしか計り知れないものがあるでしょう。

どれだけ勉強しても成果が上がらないことへの不安とずっと戦ってきたことでしょう。

周りを見れば推薦で大学合格を手にし、気楽に過ごしている友達もいて「何故自分だけこんなに頑張らないといけないのか」と嫉妬のような気持ちを持ったことでしょう。

大学入試なんて目指さなければ、部活やバイト・SNSなんかでもっと充実した高校生活を送れたんじゃないかと後悔したこともあるかもしれません。

自分なりに頑張っているのに、「もっと頑張れ」「なんでこんな成績なの」と言う、学校の先生・塾の先生・親に対し反感の気持ちを持ったことは間違いないでしょう。

頑張りすぎて体調を崩し、不安な気持ちがさらに増した日もあったかもしれません。

本番で望んだ結果が出ず、悔しい思いをすることもあるかもしれません。

それでも彼ら・彼女らは最後まで頑張ったのです。


こんなことを言うと怒られてしまうかもしれませんが、私は率直に言って生徒が志望校に合格するかどうかは割とどうでも良いのです。
数々の困難や試練に負けず、誘惑に負けず、逃げたい気持ちに負けず、最後まで意志を貫き通したこと、これ以上に素晴らしいことはあるでしょうか。

最終的にここまで頑張った皆がみんな、自分の志望校に合格することは難しいでしょう。
その時に改めて「総合型・学校推薦型選抜」で受験していれば…と思うのかもしれません。
ですがよく言われる、私もよく言う「2・3か月の勉強量の差による学力の差」もそうですが、最後まで成し遂げたこの経験は他の何にも代えがたいものだと断言できます。

次の人生の分かれ目と言える就職時においては、必ずしも自分の努力が全て将来に直結するとは限りません。そうした意味ではこの大学受験こそが自分の手で将来を勝ち取る最後の機会であると言っても過言ではありません。

お年寄りに「若い時にしておけばよかったと思うこと」と問えば一番多い解答は「勉強」であると聞きます。これから資格試験を受ける一部の人を除いて、人生において全力で勉強をしたと言えるのもここが最後であったと言う人も少なくないでしょう。

大人になり、安定した生活を送る中でふとこの受験までの日々を思い出せば、もし受験で失敗していたとしてもそれはきっと笑い話となり「そんなこともあったなぁ」と懐かしく思い出せることでしょう。部活動を最後まで頑張った人が振り返る高校生活同様、それはきっと充実していた高校生活として思い出せることでしょう。


もう数日過ぎてしまいましたが、共通テストを終えたお子さんのいる保護者の方。結果に対して心配や不安な気持ちは必ずあるでしょう。ですが、お願いですからこれだけは言ってあげてください「よく頑張ったね」と。

そして何よりも結果に対して様々な思いを持つ君たち。本当に心から思います。どうか結果はどうあれ胸を張ってください。君たちは本当に良く頑張った。受験の失敗は決して人生の失敗などではなく、この経験は君たちにしか得られない、将来必ず芽吹く種なのです。 本当に、本当にお疲れ様でした。

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専門家

井上昇哉(塾講師)

学習塾「与一」/合同会社 あたまをたがやす

テストで点をとるための授業ではなく、自ら考え答えにたどり着く経験を重視した授業スタイルを確立。“「考える」を考える”ことを身につけることで、勉学、行動、思考すべてにおける人間的成長を促します。

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