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井上昇哉

子どもたちの思考力を高め、未来の選択肢を広げるプロ

井上昇哉(いのうえしょうや) / 塾講師

学習塾「与一」/合同会社 あたまをたがやす

コラム

『高校入試改革、始まる…?』

2022年7月9日

テーマ:高校受験

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

コラムキーワード: 高校受験 勉強法受験勉強 モチベーション

こんにちは。与一の井上です。

やっと来ました。
私はかねてより
「徳島県の高校生はレベルが低い」
「徳島県の高校生は意識も低い」
「その最大の原因は高校入試の楽さである」
とずっと言い続けてきました。

ですが遂に今年度より高校入試に“改善”の兆しが見られたのです。
いくつかの変更点の中で、今回は特にお話したい点にのみ焦点を当ててみたいと思います。

高校入試に“傾斜配点”が導入される

これは個人的には中々面白い変更点となり得ると思います。

皆さんは“傾斜配点”をご存知ですか?
大学入試においてはもはや常識ですが、全員が同じテストを受けたとしても、大学・学科・学部により教科ごとの点数配分が変わるというものです。
具体例を挙げてみましょう。

例)Aくん・Bくんは共に某国立大学の工学部を志望しています。
  共通テストでの結果は以下の通りでした。





  見ての通りAくんは満遍なく点数を取り、Bくんよりも高い得点を取ることができました。
  ですが工学部は当然理系であるため、2人の志望する学部学科は理系科目に×2、国語・社会は
  半分となる傾斜配点が採用されていました。
  傾斜配点を加味した2人の点数を再度見てみましょう。





  ご覧の通り傾斜配点の結果、2人の点数は逆転してしまいます。
  それどころか90点もの差がついてしまいました。

このように、単純な点数では上回っていても、点数の上下が変わってしまう可能性が大いにあるのが傾斜配点というシステムです。

実際にどのように配点が変わるのか

こちらは徳島県教育委員会のウェブサイトに掲載されている資料です。
極秘資料、などというものではなく誰でも閲覧できます。
こうした資料を正しく活用し、損をしないようにしなければなりませんね。

傾斜配点一覧
大学入試ほど極端ではないものの、傾斜配点の導入による変化は決して小さくはありません。
大学入試同様、高校側の求める学生像を反映したものと言えるでしょう。“理数”であればやはり数学、次いで理科の配点比率が高い事、そして多くの学校で英語が重視されていることが見て取れるかと思います。
皆さんはこの資料を見てどんな感想を持ちましたか?

もはや「理科・社会でなんとか点数を取る」時代は終わるのかもしれない

これも私がずっと以前から言っていることなのですが、徳島県の高校生のレベルの低さは英語・数学のレベルの低さに原因があります。高校入学後に与一に入塾した生徒に英語を教えていて、「よくこれで○○高校受かったな」と思うことは、残念ながら決して少なくはありません。
それは徳島県の“基礎学で点数が取れれば合格する”という独自のシステム、そしてそこに起因する「英語・数学で点数を上げるのは時間がかかるから、理科・社会を丸暗記して何とか点数を取る」という学校、ひいては塾の指導方針が一番の原因です。

こうした現状を頭に入れ、もう一度資料を見てみると…どうですか?
理科はともかく社会で点数を取って高校に行く、という今までの作戦がもはや通用しないような気がしませんか?


今はまだ理数科を中心とした“レベルの高いところ”が中心であり、普通科ではこの傾斜配点は採用されていません。また徳島県全体の中学生の学力や子どもの数を考えると、この流れが今後全ての高校に波及していくのかも正直怪しい所です。ですがこれからの徳島県の高校生の学力を考えた時、この流れは間違いなく大きな一歩だと言えるでしょう。
この傾斜配点の採用を受けて、ただ「合格する」ことを目的とした受検勉強ではなく、他の子に負けないように英語・数学をしっかり勉強し、その高校に見合った“実力”を持って入学する生徒が一人でも増えることを願ってやみません。

高校入試改革は“傾斜配点”でとどまるのか

ここからはあくまで“可能性の問題”だと理解してお読み下さい。

ひとつ気になることがあります。
県内で他に先んじて学区外制度を廃止した城東高校が、傾斜配点の導入高に含まれていないのは何故でしょうか。
過去の1年生から一部行われる人文・数理という振り分けがなくなり、普通科のみになったから、でしょうか。傾斜配点が導入される高校はどちらかと言えば高校の中では専門性が高いため、入学時に理系・文系がまだ定まっていない城東高校では導入されていない。そういった理由が考えられます。

ですが…一つの可能性が私の中で浮上しています。


全国には都道府県によって様々な高校入試の制度があり、全て一律ではありません。その中には“都道府県内上位高のみ高校別の問題が出題される”ところもあります。
そうした高校の個別の入試問題は、共通の問題よりも難しく、「この高校に行きたい」と目的を持って勉強しなければ、そう簡単に合格できるものではありません。

平成16年~22年頃だと記憶しているのですが、かつて高校入試に“前期後期制度”が採用されていたことがありました。現在の大学入試のように“学校独自の問題+全受検生共通の問題”という二段構えで入試が行われていたのです。徳島県でも高校別の入試があったということです。

かなり昔とはいえ、事実として“学校ごとに独自の問題を入試に課した歴史がある”ということは…徳島県の教育委員会が高校によって異なる入試を受けさせることに大きな抵抗感を持ってはいないと言えるのではないでしょうか。
もしこれが事実であるならば、今はまだ“同じ入試で配点が異なる”だけの入試であっても、今後“高校ごとに入試問題が変わる”ことが起きても何の不思議もないと個人的には感じています。
まずはその第一陣として、いち早く学区外制度を撤廃した城東高校から、高校独自の入試問題が作られる可能性…

そうなると最早従来の“受検勉強”は過去のものとなるでしょう。
是非そんな日が訪れてほしいと密かに願っています。

この記事を書いたプロ

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井上昇哉(学習塾「与一」/合同会社 あたまをたがやす)

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