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「教育資金一括贈与の特例」で最大1500万円が非課税に!手続きや適用要件まとめ(4/5)

内山瑛

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テーマ:税金

私の書いた記事が税理士ドットコムトピックスに掲載されましたので、転載いたします。よろしければ、ご覧になっていただければ幸いです。

https://www.zeiri4.com/c_6/c_1069/h_717/

■ 特例を利用するデメリット

教育資金一括贈与の特例にはメリットだけでなく、デメリットもあります。

・口座開設の手間がかかる

制度を利用するには、取り扱う金融機関に贈与資金を入金するための専用口座を開設しなければなりません。普通預金口座を開設するのとは違い、複数の必要書類を準備しなければならないなど、開設までに手間がかかるというデメリットがあります。

・教育資金以外に使用できない

暦年贈与の場合、 受贈者はそのお金を自由に利用することができます。しかしこの特例の場合は、使用目的が厳密に決められていて、領収書などで何に使ったかを金融機関でチェックされます。そのため、受贈者からすると「お金が余ったから卒業旅行の費用にしたい」という場合でも、使うことができないというデメリットがあります。

・教育資金はそもそも非課税

両親や祖父母には、子どもや孫に対して「扶養義務」があります。そのため、扶養義務者が生活に必要な費用や教育費を渡しても、そもそも税金はかからないのです。つまり、その都度贈与をしても税金はかからないため、教育費を贈与するのが目的なら、あえて面倒な手間をかけて教育資金一括贈与の特例を利用しなくてもよいというケースもあります。まとまった金額を生前贈与により「一括」で贈与し、相続財産を減らしたい場合は有効ですが、このような状況でなければ、そもそも制度を使うメリットは低いといえます。

・暦年課税の方が有利になることも

この制度は、贈与を受け取けられるのは1人1回のみという決まりがありますが、暦年贈与は回数制限はありません。贈与者が、1年間に子どもや孫など複数の人に110万円以内の暦年贈与をし、それを継続することで、多額の資金を生前贈与することが可能です。よって、この非課税枠を毎年使って長期的に贈与したほうが、結果的に節税の面で有利になる可能性もあるのです。

■ 特例制度を利用するときの注意点

教育資金一括贈与の特例を実際に利用する際には、以下のような点に注意してください。

・30歳までに使い切る必要がある

受贈者の年齢は30歳未満という条件があるため、学校に通っていて実際に教育資金が必要だったとしても、30歳に達してしまうとこの制度を利用することができなくなります。その際は、残高に対して贈与税が課税されてしまします。そのため、30歳までに贈与された資金は使い切る必要があるのです。

・利子などの運用益は課税対象

信託銀行などの口座に贈与した金額を預けることになるため、利子がつく可能性があります。利子などの運用益については贈与税ではなく、 所得税や住民税の課税対象となることを覚えておきましょう。とはいえ、現在は低金利のため利子自体は少額となるので、それほど気にする必要はありません。

■ 他の贈与制度との併用について

この記事で紹介した制度のほかにも、さまざまな贈与税の特例制度があります。たとえば、結婚・子育てのための資金として使う場合に贈与税が非課税になる「結婚・子育て資金贈与の非課税措置」、住宅を取得するための資金の贈与なら贈与税が非課税になる「住宅取得等資金贈与の特例」などです。これらの贈与制度ですが、それぞれの条件を満たしているならば、併用することが可能になっています。また、前述したとおり暦年贈与や「相続時精算課税制度」とも併用も可能です。そのため、これらの制度を活用して贈与し、遺産総額が減らせれば相続税の大幅な節税にもつながるのです。相続税がかかる可能性があるなら、制度の併用も検討すると良いでしょう。

「教育資金一括贈与の特例」で最大1500万円が非課税に!手続

未分割のまま相次いで相続が発生した場合の相続税の申告(1/2

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