自動車の売買契約書と印紙税の関係
今年度も、多くの税制改正がありました。法人に関する改正については、法人税率の引き下げ改正が目を引きますが、一方で減価償却制度や租税特別措置の見直しなど、実質的な負担増項目も数多くあります。
1.法人税率の段階的な引き下げ
中小企業にとっては、外形標準課税の適用はありませんので、大企業ほど税率引き下げの恩恵は大きくありません(0.53%~0.74%の引き下げ)。また、課税所得800万円以下の実効税率は、基本的に変更はありません。
2.欠損金の繰越控除制度の見直し
欠損金の繰越期間(現行9年)が、平成30年4月1日以後に開始する事業年度分から10年に延長されます。
3.建物附属設備等の定率法廃止
これまで、建物附属設備・構築物(及び鉱業用建物など)の減価償却の際、認められていた定率法が、建物本体の減価償却同様に適用できなくなり、定額法に一本化されます。
この改正により、たとえば、事務所や賃貸物件を建築するにあたり、これまで定率法が適用できた建物附属設備や構築物が減価償却の対象資産となった場合、定額法しか適用できないので、初期の減価償却額が減り、所得が増え、税負担がキャッシュフローに影響することも考えられるでしょう。
4.企業版ふるさと納税の創設
地方公共団体の行う一定の地方創生事業に対し、企業が行う寄附について、法人税・法人住民税・法人事業税から寄附額の30%が税額控除される制度が創設されます。これまでも地方公共団体への寄附は、損金算入が認められており、法人実効税率により、概ね寄附額の3割程度は税負担が軽減されますので、この企業版ふるさと納税と併せて最大6割程度の減税効果があります。