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不可欠特定財産(建物)を修繕した場合

小林正樹

小林正樹

テーマ:公益法人会計

 毎度、コラムをご覧いただきありがとうございます。
公益社団法人・財団法人、一般社団法人・財団法人の
トータル支援をさせていただいております税理士法人ケイシーシーの小林です。


 ある公益社団法人は、定款に(基本財産)「別表の財産は、
公益社団法人及び公益財団法人の認定に関する法律第5条第16号に定める
公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産であり、この法人の基本財産
とする。」と定め、別表に十数件を基本財産の不可欠特定財産として掲載して
います。


 この度、その中の建物4棟ほど修理工事をし、移行時には建物はそれぞれ
簿価1円でしたが、今回の修理工事には4棟で合計約1億5000万円ほど
かかりました。

この場合、それらの建物の扱いは

Q1.不可欠特定財産として計上できる?

 A.不可欠特定財産とは、公益目的事業を行うために不可欠な特定の
財産であり、法人がその旨、維持及び処分の制限について定款で定める
ものです(認定法)。したがって、ご質問の修繕工事が、公益目的事業を
行うために不可欠な特定の財産の工事であり、不可欠特定財産とする旨、
維持及び処分の制限について定款で定めれば、不可欠特定財産とする
ことができます。

Q2.定款の別表を訂正する必要があるため、内閣府の変更申請が

 A.定款の別表に、建物の表記のみで金額が入っていなければ、
このたびの修繕費は別表の建物そのものであり、新規に不可欠
特定財産としたものではないため、定款変更事由に当たりません。
定款変更でない場合には、会計上、当該建物の帳簿価額を修繕
費分だけ増加させ、その全体の金額を不可欠特定財産として財産
目録に表示すれば良いです。
 定款の別表に、建物の金額が表記され、定款変更に当たる場合
には、定款を総会の決議により変更し、変更届出をすることとなります。

Q3.その他の固定資産として計上すべき?

 A.不可欠特定財産とすることは可能ですので、その他の固定資産
として計上しなければならないということはありません。
また、不可欠特定財産とするかしないかは法人の意思ですので、
これを機に建物すべてを不可欠特定財産としないとする定款変更を
行うことも可能です。



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