エンディングノートと遺言書
近年、グローバル化の影響で、外国籍を持つ方や海外に資産をお持ちの方が増えてきています。
そうした背景のなか、相続においても国境を越えた複雑なケースが多く見られるようになりました。
今回は、外国籍や海外資産が関係する相続において、特に注意すべきポイントをわかりやすく解説します。
詳しくは、ぜひたくえす税理士法人までお問合せください。
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1. 国籍と居住地が相続に与える影響
相続税がどのように課税されるかは、被相続人(亡くなった方)や相続人の国籍・居住地に大きく左右されます。
日本の相続税法では、以下のように課税範囲が変わります。
<注意点>
・ 日本の居住要件は「過去10年以内の居住実績」なども考慮され、単に今どこに住んでいるかだけでは判断されません。
・ 国籍だけでなく、「生活の本拠地」がどこかが重要です。
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2. 海外資産は見落としやすい
海外にある不動産や銀行口座、証券口座などは、日本の相続手続きでは把握されにくいことがあります。
しかし、日本で課税対象となる場合には、これらの資産も申告しなければなりません。
<よくある例>
・ 海外にある預金口座を家族が知らなかった
・ 海外の不動産が相続財産に含まれることを見落としていた
<対策>
・ 被相続人が生前に、財産の「一覧リスト」を作っておく
・ 海外資産も含めた相続対策(遺言、名義確認など)を行う
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3. 二重課税のリスクと対策
外国でも相続税がかかる国があります。
たとえば、アメリカ、フランス、ドイツなどでは日本と同様に相続税(もしくは遺産税)が存在します。
この場合、日本と外国の両方で課税されてしまう=二重課税のリスクがあります。
日本は一部の国と「租税条約(相続税に関する)」を締結しており、一定の条件下で外国で支払った相続税が、日本の相続税から差し引かれる制度(外国税額控除)があります。
<ポイント>
・ 相続が発生した国と日本が租税条約を結んでいるか確認する
・ 国際税務に詳しい税理士への相談が不可欠
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4. 遺言書の有無とその効力
国際的な相続の場合、どこの法律が適用されるか(準拠法)
も重要になります。
たとえば、日本にある財産には日本法が、外国にある不動産にはその国の法律が適用されるケースもあります。
また、遺言書を作成する際も、どの国の形式に則るべきか慎重に判断する必要があります。
<対策>
・ 海外に遺産を持つ場合は、公証人などを通じて正式な多言語遺言書
を準備
・ 「ハーグ遺言方式条約」加盟国であれば、日本で作成した遺言書がそのまま有効なこともある
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5. 生前対策が最も重要
国際相続は、事後の対応が非常に煩雑になることが多いため、<u>生前の準備</u>が何より重要です。
具体的な対策例:
・ 海外資産の整理とリストアップ
・ 遺言書の作成(必要に応じて複数国で作成)
・ 相続税評価額の試算と節税対策
・ 相続人との情報共有(どこに何があるか)
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まとめ
外国籍や海外資産が関係する相続は、国際的な法律・税務の知識
が必要となる、非常に高度で繊細な分野です。
「うちは関係ない」と思っていても、海外に預金口座がある、親が外国籍、子どもが海外移住している、といったケースではすでに相続の対象に海外要素が含まれている可能性があります。
相続に不安がある方は、早めに税理士・弁護士・司法書士などの専門家に相談すること
をおすすめします。
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