海外にかかわる相続
相続税に“AI税務調査”が導入開始!?知っておきたいポイントとは
2025年から、国税庁が本格的に「AI(人工知能)」を活用した相続税の税務調査を開始すると報じられました。
これまで人の目で行われていた調査にAIが加わることで、調査対象の選定がより**“正確かつ迅速”**になるとされています。
POINT:調査件数の厳選化
人手で行う従来の税務調査は、年間の調査件数にも限りがありました。
しかしAIの活用により、「怪しい申告」をピンポイントで絞り込めるため、調査の精度が格段に向上すると期待されています。
■ なぜAIが導入されるの?
相続税の申告は、財産の種類が多く、評価も複雑です。
土地、建物、現金、株式、生命保険、仮想通貨、未上場株など、多岐にわたる財産を正確に申告するには、専門的な知識が欠かせません。
しかし一方で、相続財産が意図せず申告から漏れてしまったケースや、意図的に評価を低く見積もってしまった例もありました。
こうした**“グレーゾーン”の見逃しを防ぐために**、AIの分析力が活用されるようになったのです。
実際にあるケース
・亡くなる直前に高額な不動産が売却されたのに、現預金の増加が申告に反映されていない
・毎年100万円を子や孫に振り込んでいたが、贈与とみなされなかった。
・土地の評価額が近隣と比べて極端に安い …など
■ どんな点がチェックされるの?
AIは、「他と比べておかしな点がないか?」を自動で見つけ出します。
特に以下のようなポイントが注目されます。
・不動産の評価額と実際の相場に差がないか?
路線価や固定資産税評価額をベースにしていても、同じ地域・規模の不動産の時価評価と比べて大きな差があると、チェック対象に。
・ 亡くなる直前の大きなお金の動き
高齢になってから大きな預金の引き出しや、家族への送金が急増していた場合は、「生前贈与」としてみなされる可能性が高いです。。
・ 名義預金に注意
たとえば、孫名義の通帳に毎月お金を入れていた場合など、名義だけで判断せず「実質的に誰の財産か?」が問われます。
・ 有価証券や仮想通貨の申告漏れ
最近では、仮想通貨も保有される方が増えており、**取引履歴の追跡や口座照会も進んでいます。**見落としがちな項目です。
・ 他の人との比較データ
AIは、年齢・資産規模・家族構成などをもとに、「平均的な申告データ」との違いも見つけ出します。“違和感のある申告”は調査対象になりやすいのです。
■ 正しく備えていれば安心です!
AI調査の精度が高くなることで、「うっかりミス」や「ごまかし」が通用しにくくなりますが、正しく申告していれば、まったく心配いりません。
むしろ、今後は「きちんと整理・記録しておく人」が、正しい申告が可能で、追徴課税、延滞税の心配をしなくて済むのです。
■ AI時代の相続申告で大切な4つのこと
① 財産をしっかり棚卸しする
不動産、現預金、株式、投資信託、仮想通貨、貴金属など、すべての財産をもれなく洗い出しましょう。
② 書類や記録はなるべく残しておく
通帳のコピー、贈与の明細、契約書、取引履歴など、証拠があればAIに「問題なし」と判断されやすくなります。
③ 贈与や資金移動の記録を明確に
「毎年100万円の贈与」「教育費として支出」なども、日付・金額・目的を明確にしておくことが大切です。
④ わからないことは早めに専門家へ
申告に迷ったときは、**税理士など信頼できる専門家に早めに相談を。**後から指摘を受けるより、ずっと安心です。
■ 最後に:AI時代の相続申告は、「見える化」と「対話」がカ
AIの導入は、「不公平な申告を減らす」ための流れです。つまり、正しく備えている人には、むしろプラスになると言えます。
わたしたちも、最新の制度や動向をふまえて、皆さまの相続対策を丁寧にサポートしています。「うちも見直しておいた方がいいかな?」と感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。



