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栗原憲二プロは静岡新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

「薬剤師の“観察力”とは何か」 ― 言葉にならない情報をどう捉えるか ― ― 在宅医療アラカルト⑥ ―

栗原憲二

栗原憲二

テーマ:介護、在宅

富士市・富士宮市で在宅医療に携わっている薬剤師の栗原憲二です。

在宅医療の現場にいると、次第に実感することがあります。
 それは、

医療は「言葉」だけで成り立っているわけではない

ということです。

むしろ現場では、言葉以外の情報が非常に大きな意味を持ちます。

本稿では、「観察力」という視点から、在宅医療における薬剤師の専門性を整理してみたいと思います。






薬剤師の言葉は「観察」から生まれる


薬剤師と患者様が交わす言葉の量は、実際のところ限られています。

特に在宅医療では、

・訪問時間の制約
・患者様の体調
・環境的な制限

により、長時間の対話が難しいことも少なくありません。

しかしその中でも、薬剤師は多くの情報を得ています。それは、

「観察」によって得られる情報です。

・歩き方
・表情
・声のトーン
・反応の速さ
・部屋の様子

こうした情報を総合的に捉え、

言葉にならない情報を読み取ることが重要です。

そしてその観察があるからこそ、適切な言葉が生まれます。



観察は「服薬指導」にどう活きるか


観察は単なる気づきではありません。
 それは、

服薬指導の質を決定づける要素です。

例えば、

・歩行が不安定 → 転倒リスク
・声に張りがない → 体調変化
・薬の配置が乱れている → 管理困難

こうした観察をもとに、

・服薬方法の見直し
・剤形変更の提案
・支援体制の調整

といった介入が可能になります。



薬歴は「観察の蓄積」である


観察した内容は、薬歴に記録されます。

薬歴は患者様に直接見せるものではありませんが、次回以降の関わりを変えるための重要な記録です。

・前回との変化
・気になった違和感
・生活上の特徴

これらを積み重ねることで、

継時的な関わりが生まれます。



「同じ質問」を繰り返さないという視点


在宅医療では、同じ処方が継続されることも多くあります。

その中で、毎回同じ質問を繰り返すことには限界があります。

ですから重要なのは、視点を変えることです。

・生活の変化はないか
・困っていることはないか
・家族の状況はどうか

時には、患者様の生活領域に踏み込む質問も必要になります。

そのためには、信頼関係の構築が不可欠です。



薬局と在宅で異なる「空間の性質」


薬局での対面は、

・公共性のある空間
・社会性が保たれる場

です。

患者様も一定の社会的振る舞いをされています。

一方で在宅は、プライバシーが優先される空間です。

・生活の現実
・整理されていない環境
・個人的な事情

がそのまま現れます。
 ここに、在宅医療特有の難しさがあります。



複数名訪問という新しい形


最近では、

・薬剤師単独ではなく
・スタッフが同行する

ケースも増えてきています。

複数名で訪問することで、空間に一定の社会性を持たせるという効果があります。

・会話がしやすくなる
・情報が整理されやすくなる

といった利点があります。



プライバシーへの配慮という前提


しかしその一方で、忘れてはならないことがあります。

それは、

訪問先はあくまで患者様の生活空間であるということです。

・どこまで踏み込むか
・何を聞くか
・どのように関わるか

常に配慮が求められます。

観察は「見ること」ではなく「関係性の中で許される行為」でもあります。



薬剤師は「観察と対話の専門職」である


薬剤師は日常的に、

・多様な患者様と接し
・情報を引き出し
・変化を捉えています。

この積み重ねにより、

高度な観察力と対話力が培われているのです。

しかしそれは、しばしば「当たり前」として見過ごされます。
 だからこそ、自分自身の能力として自覚することが重要です。



まとめ


観察力とは何か。

それは、

言葉にならない情報を捉え、医療に変換する力です。

・観察する
・記録する
・次につなげる

この繰り返しの中で、

在宅医療は深まっていきます。

そしてその根底にあるのは、

人を理解しようとする姿勢です。





What Is Observational Skill in Pharmacy? ― Understanding Beyond Words ― ― Home Care À La Carte ⑥ ―

I am Kenji Kurihara, a pharmacist engaged in home medical care.

Medicine is not built on words alone.



[[Table of Contents]]



Observation Creates Meaningful Words


Pharmacists gather information beyond speech.

Observation reveals hidden data.



Impact on Care


Observation guides intervention.



Medication Records


Records enable longitudinal care.



Changing Questions


New perspectives improve care.



Public vs Private Space


Home care prioritizes privacy.



Team Visits


Multiple staff add structure.



Respect for Privacy


Observation requires trust.



Conclusion


Observation transforms silent signals into care.

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栗原憲二
専門家

栗原憲二(薬剤師)

ふじやま薬局

店舗は整形外科並びに内科、透析医院の処方の授受を受けているため、普段から幅広いお薬を取り扱っています。在宅では、個人宅並びに施設担当。富士・富士宮地区を幅広く車で訪問させていただいております。

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