決算書から読み取れるもの ~キャッシュフロー~
金融機関に決算書や試算表、そして経営計画書など、資料の提出を求められたりするってこと、よくあると思います。特に決算書に関しては決算が終わると必ず提出してますよね。
それはなぜかというと・・・
金融機関はその資料を基にみなさんの会社を格付けするからです。それが『債権者区分』と呼ばれるもの
これは大よそ、5つに分けられます。
1.正常先
業績が良好であり、かつ財務内容にも特段の問題がない債務者
2.要注意先
金利減免・棚上げを行っているなど、貸出条件に問題のある債務者
元本返済もしくは利息支払が事実上延滞しているなど履行状況に問題がある債務者
財務内容に問題がある債務者
うち、金融再生法に基づき、要注意先債権のうち元金または利息の支払が約定支払日の翌日から起算日として3ヶ月以上延滞している債権(3ヶ月以上延滞債権)、及び経済的困難に陥った債務者の再建・支援を図り、当該債権の回収を促進すること等を目的として、債務者に有利な一定の譲歩をした債権(貸出条件緩和債権)については、要管理債権として管理すべきとされる
3.破綻懸念
現状、経営破たんの状況にはないが、経営難の状態にあり、経営改善計画等の進捗状況が芳しくなく、今後経営破たんに至る可能性が大きいと認められる債務者
4.実質破綻先
法的・形式的な経営破たんの事実は発生していないものの、深刻な経営難の状態にあり、再建の見通しがない状況にあると認められるなど実質的に破綻していると認められる債務者
5.破綻先
法的・形式的な経営破たんの事実が発生している債務者
と、こんな感じに・・・。
今、自分の会社がどれに区分されているかと聞いたところで、金融機関は教えてくれません。問題なければ、
「もちろん、正常先ですよ」
なんて感じで気前良く教えてくれるんでしょうが、ちょっと怪しくなるとホントのところを教えてくれるか微妙です。
問題は今、どこに区分されてるかより、正常先となっておくためには何が必要かということではないですかね。
毎年、利益を計上することができ、返済も問題なく進み、今後もこの状態が継続すると予測されているのであれば、もちろん正常先でしょう。
利益が出ていなくても、例えば、赤字が出てしまっても、問題が分かっており、そのための対策を講じ、そして来年は黒字に戻せるというのであればこれもまた正常先でしょう。
ここ数年、慢性的に赤字が続いていると言うことであれば、何か抜本的な改善計画が必要かもしれません。
そんなに難しく考えることなく、今の現状がどうかをしっかりと見つめ、どこが悪いのか、そしてそこを治すには何が必要かということがはっきりを示すことが大切です。
冷静に、客観的に自社がどのような格付けをされているのか考えてみるのも一つです。