団塊ジュニアが知っておきたい、老後資金を確保する考え方
30代からの老後資金の積立(iDeco④)
前回は商品によりかかるものの費用として「信託財産留保額」を書きました。
今回はほぼ全ての投資信託にかかる「信託報酬」を書こうと思います。
信託報酬とは投資信託を購入したあと売却するまで絶えずかかってくる(負担する)費用です。
その費用は、投資信託の運用や管理といった運用全般のサービスに対する対価として支払われます。
支払い先は
①販売会社 投資信託の販売をした窓口の金融機関などに対して事務費用などとして
②投資信託委託会社 その投資信託を組成して運用している運用会社に対して運用関連の費用として
③受託銀行 信託された財産(投資信託の中のお金)の保管や管理の費用として
と通常は3社の分け合いとなります。
注意点として
〇運用成績がよかろうとも悪かろうとも常に発生する費用である。
〇投資信託によって年間の信託報酬率が違う。
などがあり、年率1%ですと言われたら小さく感じるかもしれませんが、年率2%と年率1%の投資信託では
10年で10%の差がつきます。(10%以上の運用益がないとその差が埋まりません)
ということで、違う名前の投資信託でも同じような規模やスタイル、組み入れ銘柄や運用哲学で運用され、
また、同じような成果の投資信託なら「信託報酬」は安いほうがいいということです。
ちなみに100万円投資して10年間、毎年3%の利回りがある投資信託で信託報酬が年率0.5%のAファンドと信託報酬が年率1.5%のBファンドを比較してみると、同じ3%の利回りにも関わらず、Aは10年後に128万円になり、Bは116万円になり12万円の差がつきました。たった1%の差ですが、1000万円の元本で考えたら120万円の運用の差です。
ちなみに私が複数利用している金融機関の一つで調べたら
もっとも高い信託報酬は年率で2%以上。
もっとも低い信託報酬は年率で0.1%程度。
これは単に高い低いではなく、先ほどお伝えしましたように、同じような投資信託かどうか(カテゴリー)により判断するほうが賢明です。信託報酬が高くてもそれ以上の運用成果を出しているものかどうか?信託報酬が低くてもそれ以下の成果しか出せてないものか。これらの検証があって初めて判断材料になるものです。
一般的にですが、公社債投資信託と株式投資信託では後者のほうが信託報酬は高い傾向にありますし、パッシブファンド(インデックスファンド)とアクティブファンドではこちらも後者の方が信託報酬は高いのが一般的です。インデックスは例えば日経平均株価に連動するように作られるため、日経平均の組み入れ銘柄を組み入れ比率を合わせて機械的な運用をしており、アクティブファンドはファンドマネージャーが自分たちの頭や足を使って情報を収集して自分たちの哲学(投資に対する考え方)に沿って運用をしています。当然、後者の方がコストが高くなりますね。この差が信託報酬の差になるのです。
最近はノーロード(販売手数料が無料)の投資信託が増えました。手数料に差がつくとすれば「信託報酬」です。
来年から始まるつみたてNISAも信託報酬に制限が加えられています。
これらを上手く見極めて、これから迎える、あるいは始めている投資生活で効率よくお金に働いてもらい、長いセカンドライフのお金を少しでも上積みしたいものですね。
次回以降は来年から始まるつみたてNISAなどもこのコラムで書いていこうと思います。
どうぞお付き合いくださいませ。