「感情のコントロール」より大切なこと——むすびの心理学が伝える感情との付き合い方
「なぜか人間関係がうまくいかない」「いつも誰かの顔色ばかり気になってしまう」「自分のことが好きになれない」こういった悩みを長年抱えてきた方が、私のもとに相談にいらっしゃいます。はっきりとした原因が思い当たらないのに、なぜかいつも生きることが重く感じられる。そういった状態が続いているとすれば、その背景にアダルトチルドレンの傾向が関わっている可能性があります。
私は島根県松江市を拠点に「ドリームコーチスクール」として心理カウンセリングを行っています。主に30代〜50代の女性を中心に、アダルトチルドレンへのアプローチに力を入れてきました。私自身も、かつて同様の傾向に長年悩んだ経験があります。その経験から解放されたとき、人生の見え方が根本から変わりました。同じように悩んでいる方の力になりたいという思いが、この仕事を続ける原動力になっています。
アダルトチルドレンとは?
アダルトチルドレンとは、幼少期の家庭環境によって心が傷つき、大人になってから生きづらさを感じやすい状態を指す言葉です。病気や診断名ではなく、生育環境が心の発達に与えた影響を表す概念です。
子どもの頃、感情を抑えることを強いられた環境で育つと、自分の気持ちを安全に表現する経験が積み重ねられないまま大人になります。「本当はこう思っているけれど、言ったら怒られるかもしれない」「迷惑をかけてはいけない」という思考のパターンが、無意識のうちに行動を縛るようになります。
アダルトチルドレンの傾向がある方によく見られるのは、自己肯定感の低さ、過度に人の目や評価を気にしてしまうこと、人間関係での疲れやすさ、本音を言えない苦しさなどです。子育てや夫婦関係、職場の人間関係といった日常のあらゆる場面で、このパターンが繰り返されることで、じわじわと生きづらさとして積み重なっていきます。
大切なのは、この状態は「自分がおかしいから」ではないということです。幼い頃の環境の中で、その状況を生き抜くために身につけた適応の形が、大人になった今も残り続けているのです。相談者の方から「自分が悪いわけではないと気づき、気持ちが軽くなった」という声が届くとき、私はこの仕事の意味を強く感じます。
なぜ生きづらさは続くのか?潜在意識と思い込みのしくみ
生きづらさが長期間続く理由の一つは、その根っこが意識的に把握しにくいところ、すなわち潜在意識の領域にあることです。
私がカウンセリングで大切にしているのは、「人間性心理学」という考え方です。人間性心理学とは、人間の主体性・創造性・成長への意欲に着目し、人が本来持っている力を引き出すことを目指す心理学のアプローチのことです。問題の原因を探るだけでなく、その人が本来どうありたいかという方向性に目を向けます。
カウンセリングでは傾聴によって思考や感情を整理しながら、潜在意識にも目を向けます。ワークを通して、トラウマの原因となっている過去の出来事や無意識の思い込みに気づくことで、長年抑え込んできた本当の気持ちを受け止められるようになっていきます。「これまで言えなかった本音を、少しずつ伝えられるようになった」という変化は、こうした積み重ねから生まれます。
「むすびの心理学」のアプローチ
私が独自に体系化した「むすびの心理学」は、心理的な課題がある状態を「むすびがほどけている状態」ととらえ、それを一つひとつ整えていくことで本来の自分を取り戻していくメソッドです。
「むすび」という言葉には、自分の心と自分自身、自分と他者、自分と社会というさまざまな「つながり」が含まれています。生きづらさを感じているとき、これらのつながりのどこかがほどけたり、ねじれたりしている状態にあります。カウンセリングと学びの場を通じて、まず自分の心と正しくつながることから始め、段階的に周囲との関係へと広がっていきます。
変化は段階的に起きます。最初は「自分が悪いわけではない」という気づき。次に、自分のやりたいことが少しずつ見えてくること。そして、周囲の人と親密で対等な関係が築けるようになること、社会での自分の役割を見出せるようになること。このように、内側から外側へと広がっていく変化が特徴です。
カウンセリングに加え、「むすびの心理学」を学べる講座も提供しています。心理カウンセラー養成講座やドリームコーチ養成講座も展開しており、同じ考え方を広めていく仲間を育てることも、私の大切な使命の一つです。
心理カウンセリングを受けるとどんな変化が起きるか?
「カウンセリングを受けたらどうなるのか」という不安や疑問を持つ方は少なくありません。変化は一夜にして起きるものではありませんが、継続することで、多くの方が自分らしい生き方に近づいていきます。
よく見られる変化の一つは、自己肯定感の回復です。「私にはこれができる」「こう感じていいんだ」という感覚が少しずつ育ってきます。もう一つは、人間関係の質の変化です。相手の顔色を過度に気にしながら関わるのではなく、自分の気持ちを持ちながら相手と向き合えるようになる。これは、子育てや夫婦関係においても大きな変化をもたらします。
また、「本音を言えるようになった」という変化は特に多くの方が体験されます。長年「こう思っているけれど言えない」という状態が続いてきた方が、少しずつ自分の言葉で伝えられるようになる。そのとき、人間関係全体の風通しがよくなっていきます。著書「本音が言えると人生は静かに変わり始める」(つた書房、2026年)は、このような変化のプロセスを多くの方に届けたいという思いから生まれました。
まとめ:生きづらさは変えられる
生きづらさを感じるのは、自分の本当の心とつながる「むすび」がほどけてしまっているからだと、私は考えています。ほどけたむすびは、また結び直すことができます。今感じている生きづらさが、永遠に続くわけではありません。
一人で抱え込まずに、まず話してみることが最初の一歩です。ドリームコーチスクールでは、島根県松江市を拠点に、対面・オンライン双方でのカウンセリングに対応しています。一人ひとりの心に寄り添い、生きることが少しでも軽くなるお手伝いをします。


