交通事故の瞬間、あなたは何を見ていたのか!

大澤秀行

大澤秀行

テーマ:人間の心模様

交通事故を起こしたとき、「ぼんやりしていた」「なぜ起きたのかわからない」「どうしてあんなことをしてしまったのか」「記憶がない」など、語るケースが少なくありません。これらは交通事故は単なる操作ミスや不注意で説明できるものではなく、意識できない人間の心が深く関わって引き起こしたことを物語っています。
事故を起こしたとき、心は何を見ていたのでしょうか。


交通事故の命名:人心事故

交通事故は、人間の心が引き起こしたもの。その心は動機をつくり行動化します。その結果、操作に心は移り、無意識が優先し事故となります。ゆえに、交通事故の命名は人心事故といえます。無意識が作動する瞬間、人は見えないものを見、見たいように見た誤認こそ、交通事故の原因と考えられます。では、いったい何を見ていたのでしょうか。

事例:見通しの良い脇道から飛び出してきた自転車に乗った少年(小5)と接触事故



見通しの良い脇道からの動体に対して、事前に認知できるはずです。にも拘らず、ドライバーはそれを回避できず、ぶつかってしまった。この現象を聞いた私は、正にこのぶつかってきた少年はドライバーの過去の自分との遭遇とみました。
それで
「あなたは小学校5年の時にとても悲しくつらい経験をしていますね。その時の自分と遭遇したのです。その自転車の少年は過去のあなたを連れてきたのです。小学校5年のその時のことを語ってください」
すると
「父親の仕事の関係で転勤になり、転校せざるを得なかった。僕はそれが嫌で残りたかったが、嫌々友達と別れ家族について行った。今でもその哀しみはハッキリ憶えています」

この男性が見ていたのは、小学校5年の時の自分でした。その時の自分が回帰してきてぶつかりました。彼はこの語りにより、抑圧されていた家族や父への恨み、憎しみ、抗議などの悪感情を伴ったその時の語りをしたことになります。この語らいの意味は、抹殺された自分の再認を意味し、これは無意識の意識化という動機を作り、事故を起こす動機の削除を意味します。こうして彼は二度と同じ形式の接触事故を起こすことはありません。


このようにほとんどの事故はヒューマンエラーという人の判断ミスにより起きています。その誤認に関わるのが人間の誰にもあり意識化されることもなく心の奥に潜んでいる無意識という、もう一人の私の存在です。この事例はそれを証明するものです。

ドライバーは、常にこの無意識が描くイメージの亡霊を見ています。そして振回されます。これを心理学では「コンプレックス」といいます。コンプレックスをたくさん持っている人は、事故に引き込まれやすく、コンプレックスを対象物や人に投影(マッピング)して、別なものに変えて、それを見てしまいます。見た瞬間、一瞬にしてその時その場所に戻ってしまいます。
事故に至るのは、この投影された物・人がもう一度フィードバックされ、ドライバーの目の中に飛び込むからです。ありのままの実像ではなく、自分のコンプレックスを投影したものを見て、目の錯覚が生じ、事故が起こります。


人生そのもの、生きているように運転する



現在は人間の知を上回る安全装置のお陰で事故死は減りましたが、ヒューマンエラーによる事故が増加しました。その代表例が、逆走、暴走、人の列に突っ込む、アクセルとブレーキの踏み間違いなど、すべて人間の意識と無意識の関与によるものです。

自分にとって、不都合な感情やコンプレックスである限り、それは意識から排除され、無意識下へと放り込まれます。その一つ一つが何かのきっかけで隙間から飛び出し、心を占拠し交通事故を引き起こします。無意識の一つ一つが整理されて、心の中にその目録が整然と整い感情が分離されたとき、交通事故は無くなるでしょう。
※無意識を語り言語化したい方は ⇨ こちら

しかし、人間の意識しているのはわずか10%! 90%は無意識、気が遠くなる数字です。それよりも、自分の理想とする姿に毎日コツコツ向かって生きる。これは常に意識して生きているということになります。

人は前へ前へと常に進歩し、変容していく。この変わるということが全てにおいて基本です。運転も人生も性格もパーソナリティも全て変容です。焦らず一歩一歩理想の姿の自分へ向かって行く、すると運転も自然とそうなります。無意識の亡霊が出てくる隙間がありません。

人間にとって変容できることは素晴らしいこと、これを体験できた人は幸せです。
変容を目指しましょう! それが何よりの安全運転です。

「その交通事故には理由がある!」より引用

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大澤秀行
専門家

大澤秀行(精神分析家)

合同会社LAFAERO1(ラファエロワン)

精神分析家として34年の臨床実績があり、現在もメールや電話も合わせると、一日平均10名の精神分析によるセラピーを行っている。

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