被害者は証拠のひとつ!?犯罪被害者に対する考え方
犯罪被害の備えは「自信」と「諦め」
昨今、目を覆いたくなる事件が相次いでいます。犯罪に軽い重いはありませんが、被害者とその家族や関係者に、ある共通点をみることが出来ます。それは、後悔と過度の責任感です。
「なぜ…」「あの時…」など、精神的に自身を苦しめる方が少なくありません。また、普段と違った行動を伴う場合があります。しかし、これは当然の感情であり、必然の反応なのです。回復には、一時的な場合から長期に療養が必要な場合と様々ですが、焦らず、客観的な第三者を頼ることが、感情や反応を和らげる手段です。
また、このような状況に陥る前に、犯罪に備えることが重要です。備えとは物理的な物だけではなく、「やるべきことはやった」など自信と「これ以上は仕方ない」とする諦めも必要です。
犯罪被害がもたらす様々な作用
ある日突然に遭遇する犯罪は、災害と同様に備えが必要です。特に、貯蓄や保険など金銭では補えないものに対する備えが大切です。
全国に於ける「刑法犯の認知件数」は、年間1,212,163件(平成26年度)です。年々減少傾向(総数7.8ポイント減)にある犯罪ですが、知能犯(詐欺や背任など)だけは、増加傾向(前年比6.7ポイント増)にあります。要因は、振り込め詐欺を代表とする「特殊詐欺」の増加(前年比10ポイント以上増)が考えられます。また、凶悪犯は減少傾向(前年比4.5ポイント減)にありますが、話題性が高かく報道機会も多いことから「犯罪不安」が高まっています。
また、犯罪を経済の側面から見ると、犯罪者1人当たり(逮捕・収監の場合)に年間約300万円の税金が使われています。身近な犯罪「万引き」で例えると、逮捕から裁判・収監(懲役5か月として換算)で約140万円の税金が使われていることになります。つまり、犯罪を減らす努力は、増税の抑止に繋がる行為でもあるのです。
このように、犯罪を未然に防ぐ行為(防犯対策)には様々な作用があり、平穏な日常生活を送るために必要不可欠なものです。
防犯対策は戦いではなく被害者にならないこと
「もし、家族が犯罪被害者になったら…」不安が増す事件報道が後を絶ちませんが、不安を放置しないでください。不安を抱えた日常生活は、精神衛生上好ましくありません。また、不安を放置することで思考が止まり、自身が被害者になる確率が増加します。そして、「私は大丈夫」や「わたしには関係ない」といった考え方も、犯行の機会を与えてしまいます。
家族を被害者にしないためには、自身が被害者にならないことが一番大切なことです。自身が被害者になってしまったことを想像してください。普段の日常生活では気づけないことに気づく筈です。
防犯対策は、犯罪行為と戦うのではなく、犯罪行為を未然に防ぎ、被害者を出さないことが目的です。被害者が減れば、犯罪行為が減り、自ずと犯罪者も減ります。犯罪と向き合い、興味を持って取り組むことが、安全・安心への第一歩であり、近道であると確信しています。