「終活」に関する変化
皆様、こんにちは。
お墓については、色々な俗説がまことしやかに語られることがあります。
お墓は「死」に関わる物ですから、いわゆるオカルト的な考えに結びつきやすく、どうしても俗説や都市伝説、怪談話と結びつけられてしまう事があります。友人同士の話の種にする分には良いですが、そういった俗説に振り回されると、かえって本質を見失ってしまうことがあるので注意が必要です。
立派なお墓を建ててはいけない?
そんな俗説の中でも、「立派なお墓を建てた人の家は傾くことが多い(=だから立派なお墓を建ててはいけない)」という話を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。立派なお墓を建てると、(一種の祟り?のせいで)商売がうまく行かなくなったり、破産してしまうというお話です。実際に自身の家族や知人がそのような目に遭った、という事ではなく、「親戚から聞いた」とか、「知人の親御さんがそうだった」とか、伝聞形である事がほとんどです。
では、「立派なお墓を建てる」事と「家が傾く」事に相関関係はあるのでしょうか?
問題はお金の使い方
祟りとか呪いとか、あるかどうか分からないオカルト的な話はひとまず置いておきます。
仮に、立派なお墓を建てた後、破産してしまったり、経営していた会社が倒産してしまったりした人がいたとします。建てるお墓と建てた人の経済状況の変化について、「関連性」は有るか無いかと言われればあるのでしょうが、お墓を建てたこと原因でが経済状況に影響を及ぼすという「因果関係」は無いと言っていいでしょう。
何故、そんなことが言えるのか。
今ではあまり聞かなくなりましたが、「立派なお墓を建てることが、一人前の証」という価値観で、なるべく大きなお墓、なるべく高級な墓石を建てることを良しとする方がいらっしゃいました。しかし、人はそれぞれ自分の生活があり、まずは生活を優先しますから、生活費を削ってまで、お金がかかるようなお墓を建てる人はまずいません。
それでもなお、立派なお墓を建てた後に経済的に困難な状況が訪れてしまったのだとすれば、それは、その人のお金の使い方に問題があるのではないでしょうか。ひたすら華美である物を欲しがったり、人より目立つ事、派手なことを好んで、自身の経済力以上にお金を使ってしまうような人が、自らの分相応なお墓では飽き足らず、分を越えたお墓を作ってしまったとしても不思議ではありません。お墓が原因でお金が無くなるのではなく、様々な事や物にお金を浪費する一環にお墓が含まれていた、というのが本当のところではないでしょうか。
ご先祖様や亡くなったご家族のために、立派なお墓を建ててあげたいと考えることは、素晴らしいことだと思います。その「立派さ」とは、ただひたすらお金をかけることではなく、その人なりの出来る範囲で出来る事をする、その最大限の心の有り様が「立派」とされることだと思います。