事業承継セミナーのお知らせ
通常、債権回収は、債務者との任意の交渉からスタートします。
任意の交渉段階でも弁護士は次のようなサポートができます。
①相手との交渉
当事者同士での交渉では前進しないときなど、弁護士が代理人として交渉することもできます。
弁護士が、当社の主張が成り立つのか否か、相手の言い分が法的に有意なものか、感情的なものにすぎないものかを判断しながら、交渉を進めていきます。
②内容証明郵便
口頭で、催告書で何度も債務者に請求してきたのに、無視されたり、断られた時には、内容証明郵便で請求・催告することを検討すべきです。
内容証明自体に法的に強制力や相手に返答する義務を負わせるものではありません。
しかし、内容証明郵便で催告すれば、法的手続きを採ってくるのではないかと心理的圧迫を感じて支払ってくる債務者はいます。相手の支払意思を生じさせる有用なツールです。
また、時効が中断したり、請求したという事実が証拠として残るという効果があります。催告書を見た、見ていない、言った、言わないという水掛け論を封じることができるのです。
③公正証書の作成
「契約書を作っていなかったが交渉の結果、契約書・確認書を作ることになった」、「毎月分割で支払ってもらうことになった」という場合、債権者と債務者との間で契約書が作成します。
さらに、公証人が作成する公正証書にすることも検討すべきでしょう。
金銭の支払いを内容とする公正証書は、裁判をしなくても強制執行できるという強い効力を持つことになり、債務者へも強い心理的圧迫を与えることになります。
弁護士は、契約書を作成したり、確認したりする活動をすることができます。また、公正証書作成にあたり、公証人との折衝や代理人として弁護士が活動することができます。
④訴え提起前の和解
債権者と債務者との話合いが成立している場合に、簡易裁判所の仲介で、裁判上の和解として和解調書を作成することができます。
公正証書と同様に、和解調書をもとに強制執行できるという強い効力を持つことになり、裁判所での手続きということで債務者へ強い心理的圧迫を与えることができます。
公正証書との違いは、公正証書は金銭の支払いを目的とするものに限られるのに対し、訴え提起前の和解ではそれに限られず、お金での弁済の代わりに債務者の持っている他の財産での弁済(代物弁済)にも使えるというメリットがあります。
⑤調停
当事者だけの話合いでは、前進が見られない場合には、簡易裁判所において、調停委員が間を取り持ってもらい話合いをするという調停の手続きがあります。
当事者双方の関係から裁判をし難い場合には便利ですし、訴訟と異なり、分割払いの定めを付けたり、保証人を付けたり、担保を付けたりといった柔軟な解決が可能というメリットがあります。
また、調停が成立した場合の調停調書には強制執行できるという強い効力を有することになります。