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砂糖を避けた方がよい5つの理由

野口由美

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テーマ:病気、症状の解説

今まで、避けた方がよい食べ物として、小麦粉、牛乳、カフェインそしてお酒についてお話しました。

今回は、避けいただきたい食べ物ダントツナンバーワン!の「白砂糖」です。

白砂糖は、サトウキビなどの原料を圧搾して取り出した糖蜜から、ショ糖以外の成分を徹底的に取り除いて作ります。

そのため、ビタミンやミネラルなどの栄養素も取り除かれ、高度に精製された食品なのです。

血糖値の乱高下

高度に精製された砂糖は吸収されやすく、血糖値を急上昇させます。

そのため、インスリンが大量に分泌されることで、血糖値は急降下します。

すると低血糖に陥り、甘いものが無性に食べたくなります。

そして再び白砂糖を口にすると、またまた血糖が急上昇…、という無限ループにはまってしまうのです。

このような血糖値の乱高下は、気持ちを不安定にさせ、イライラしたり、抑うつ傾向になったり、強い不安や焦りをもたらします。


また、低血糖になるたびに、血糖を上げるホルモンであるコルチゾールを分泌させるため、コルチゾールを無駄遣いしてしまうことも問題です。

さらに血糖値を上昇させようと、アドレナリン、ノルアドレナリンが放出されると、これらの影響により精神的に不安定となり、焦燥感、イライラ、抑うつ、不安などをもたらします

ビタミンB1を消費する

白砂糖を摂取すると、体内で分解する際、大量のビタミンB1が消費されます。

そのため、食事からのビタミンB1摂取量が少ないと、ビタミンB1欠乏症をひき起こします。


ビタミンB1が不足すると、ブドウ糖からエネルギーを作ることができないため、疲れやすい、食欲不振などの症状が現れます。

また、脳はブドウ糖をエネルギー源としていますので、ビタミンB1が不足すると、脳の働きが低下します。

さらに、重症になると脚に力が入らず立つことができない脚気となり、心不全を起こすこともあります。


ビタミンB1は、肉、魚、豆、ナッツなどのほか、玄米、胚芽米など胚芽の部分に多く含まれています。

糖質を多く摂った場合は、これらの食品も注意して摂取する必要があるでしょう。

骨や歯からカルシウムを溶出させる

砂糖をとると、体内のPHは酸性に傾きます。

すると、ヒトの体は弱アルカリ性を保とうとして、骨や歯からカルシウムを溶出させます。

つまり、甘いものを摂ると骨が弱くなるのです。

骨粗鬆症予防のためには、砂糖は避けたほうがよいでしょう。


また、歯に砂糖が触れることで、虫歯菌が活動しやすくなります。

そのうえ、口内のPHが酸性に傾き、歯からカルシウムを溶出させる要因ともなります。

虫歯予防のためにも砂糖は控えた方がよいのです。

腸内環境を悪化させる

カンジダ菌は健康な人の腸にも存在しているのですが、腸内環境が崩れると過剰に増殖し、口腔カンジダ症や膣カンジダを引き起こします。

増殖したカンジダ菌は腸管を傷つけ、リーキーガット症候群(腸漏れ症候群)をもたらします。

すると腸内環境はさらに悪化し、腸管の消化吸収や免疫機能を低下させます。


カンジダ菌は白砂糖が大好きで、砂糖が豊富な環境で増殖します。

「甘いものを、ものすごく食べたくなる」
「甘いものがどうしてもやめられない」

これらは、カンジダ菌の「もっと砂糖が欲しいー!」という命令に逆らえなくなってしまっている状態です。

カンジダ菌の増殖を抑えるには、砂糖を避けることが最も重要なコントロール方法です。

砂糖の摂取によって細胞の糖化が進む

食事などから摂った余分な糖質が体内のたんぱく質などと結びついて、タンパク質が変性、劣化する反応を「糖化」と呼びます。

糖化が進むと肌のシワやくすみ、シミとなって現れます。


それだけでなく、糖化によってつくられるAGE(終末糖化産物)は老化を加速させ、骨粗しょう症のほか動脈硬化、心筋梗塞、脳血管障害などの疾患との関連も指摘されています。


糖化の原因は、食後高血糖や慢性的な高血糖状態です。

血糖値が一番上がるのは食後1時間ですので、糖化を防ぐには、食後30分から60分までの間に軽いウォーキングをしていただくとよいでしょう。

シュガーフリー(SF)

精製された白砂糖を避ける食事方法はシュガーフリー(SF)と呼ばれています。

まず、白砂糖を使用したお菓子(クッキー、チョコレート、ケーキ)や菓子パンを控えることからはじめましょう。


料理に用いる場合は、可能でしたら、白砂糖ではなく「みりん」をお勧めしています。

そのほか、ビタミンやミネラルが含まれる「てんさい糖、きび砂糖」を使っていただくとよいでしょう。

三温糖は茶色く、一見、体によさそうですが、この色はキャラメル色素によるもので、実は、白砂糖と同じ精製糖で、ミネラルやオリゴ糖などは含まれていません。

はちみつ

甘味が欲しいときは、はちみつやメープルシロップを使ってみてください。

はちみつの糖分であるブドウ糖と果糖はともに単糖類で、これ以上分解する必要がありません。

食後約20分ほどで吸収され、消化の負担がなく、すばやくエネルギーに変換されることから、胃腸機能が低下している不調の方には最適です。

さらにミネラルや酵素を豊富に含むことから、低血糖対策の補食としてもおすすめなのです。


ただし、市販されているもののなかには、ぶどう糖果糖液糖などを加えたはちみつも販売されており、注意して選ぶ必要があります。

加糖はちみつでは、低血糖を防ぐどころか、急激な高血糖を引きおこし、補食としての意味がありません。


できれば、無農薬の畑のそばで採取されたはちみつがいいのですが、そこまで詳しい情報を得ることは難しいかもしれません。

信頼できる養蜂園や養蜂場、養蜂家さんから直接購入するのがいいと思います。

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野口由美
専門家

野口由美(医師)

クリニック千里の森

患者一人ひとりの個性を重視した「患者ファースト」の治療方針のもと、薬に頼らない医療を提供。近代西洋医学の最前線で培った豊富な知識、自身の体験を裏付けに、幅広い選択肢の中から最適な治療法を提案します。

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