ちょっとした物音が気になってしかたない
「牛乳製品を控えてください」と伝えると、驚かれることがとても多いです。
牛乳はカルシウムが豊富で、からだによいとされているからでしょう。
けれども、実は問題の多い食品なのです。
乳製品は、小麦粉同様に未消化になりやすいことから、腸管を傷つけ、栄養素吸収低下をもたらします。
そのため、不調の方には避けていただきたい食品なのです。
消化しにくいカゼイン
牛乳の主なタンパク質は、カゼインとホエイの二種類です。
ホエイは消化しやすいのに対して、カゼインは消化しにくいタンパク質です。
カゼインは牛乳タンパク質の80%を占め、ホエイは20%ほどです。
そのため、カゼインを多く含む牛乳は、ヒトにとって消化しにくい食べ物なのです。
ヒトはα-カゼインを消化できない
さらに含まれるカゼインの種類も異なります。
人が消化できるカゼインは、主にβ-カゼインですが、牛乳は、人が消化できないα-カゼインを多く含んでいます。
そのため未消化のまま腸に入り、腸粘膜を傷つけ、炎症をおこします。
その結果、リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)となり、未消化物質や細菌が体内に侵入し、炎症・アレルギー反応を引きおこすのです。
さらに、α-カゼインは消化できないため、アレルゲンとなり、遅延型アレルギーの原因にもなりえます。
中毒性、依存性がある
さらに問題なのは、カゼインが神経症状や中毒性をもたらすという点です。
カゼインはカゾモルフィンという未消化ペプチドに分解され、血液脳関門を通過し、脳内に入りこみ、脳神経細胞のオピオイド受容体を刺激して、モルヒネ様作用を引きおこします。
すると脳が興奮し、強い不安感や、聴覚過敏など精神神経症状を誘発します。
さらにオピオイド受容体を刺激して、モルヒネ様作用が現れることから、中毒性、依存性をもたらします。
「牛乳を毎日ゴクゴク飲んでいる」、「毎日、カフェラテが欠かせない」方は、牛乳に中毒、依存しているのかもしれません。
カルシウム・マグネシウムのバランスが悪い
カルシウムを多く摂りすぎると、マグネシウムの排泄が増えてしまうため、カルシウムとマグネシウムは2:1の比率で摂り入れるのが望ましいとされています。
ところが、牛乳のカルシウム・マグネシウム比率は10:1です。
カルシウム含有量が非常に高く、マグネシウムとのバランスが悪い食品なのです。
牛乳を飲むと、急激に上昇するカルシウム濃度を調整しようと、自分の骨を溶解させて、マグネシウムを調達しようとします。
このため、牛乳などの乳製品を摂ればとるほど、骨の溶解が進むことになります。
骨粗鬆症予防のためには、むしろ、牛乳や乳製品は避けたほうがいいのです。
牛乳をやめてオーツミルクや豆乳を選ぶ
牛乳を避けるということは、チーズ、ヨーグルト、生クリームや、これらを用いたパン、お菓子などにも注意が必要になります。
このような、乳製品を避ける食事法はカゼインフリー(CF)と呼ばれています。
牛乳を用いる代わりに、オーツミルク、アーモンドミルク、ライスミルク、ココナッツミルク、ココナッツクリーム、豆乳などを利用するとよいでしょう。
山羊のミルクやチーズは、α-カゼインが少ない、母乳と似た成分になので、安心してとることができます。
バターはほとんどの成分が脂質になりますので、使っていただいても問題ありません。
気になる方は、バターを煮詰めた「ギー」を利用するという方法もあります。
またヨーグルトを食べたい方は、豆乳やお米のヨーグルトを用いるとよいでしょう。
生クリームを利用する料理には、ココナッツミルクやココナッツクリームを用いると、生クリームに負けないくらいのクリーミーな仕上がりになります。
ぜひ、いろいろ試してみてください。