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低血糖症を改善する「3食+補食」

野口由美

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テーマ:病気、症状の解説

前回のコラムでは、低血糖症の方に低血糖対策を勧めました。

今回は、低血糖を改善する「低血糖対策」についてお話ししていきます。

1日3食食べる

低血糖対策の基本はまず、1日3食とることです。


1回の食事のめやすは、
「ご飯は握りこぶし1つ分、肉や魚などのタンパク質は片手てのひら分、野菜は両てのひら分」
になります。

これが1食分ですから、1回食事を抜いた場合、後の2食で取り戻すのはとても大変なことだとわかります。


朝は時間がない、食欲がないなどの理由で食べられない、お昼も、仕事が忙しくて、まともに食べる時間もないという場合もあると思います。

そのような場合は、味噌汁だけ、スープだけでもいいですので少量口にして、その後は、補食をとって補いましょう。

食欲なくて食べられないときは

朝、食欲がなくて食べられない場合は、リンゴなど、少量のフルーツを摂ると、食べる元気が出てきます。


食欲がないのは、胃腸が動いていないためです。

胃腸を動かすにもエネルギーが必要なのです。
さらに、食事をするのだって、エネルギーは必要です。

だから、少量の果物をとって、少し血糖をあげてあげるのです。
すると、胃腸も動き出し、食べようかなという気持ちになってきます。

3食+補食

3食をとっていても、低血糖に陥ってしまう方もいらっしゃいます。
そのような場合は、補食をとっていただくとよいでしょう。

食を補う「補食」で、間食ではないのです。

補食でとるのは甘いお菓子やコーヒーではありません。


補食としておすすめしているのは、一口おにぎり、焼き芋、干し芋、甘栗や、蒸かしたサツマイモ、カボチャなど、緩やかに血糖値をあげる食べ物です。

このほかにも、黒豆などの煮豆、りんごなどのフルーツ、ナッツやはちみつ、葛湯なども挙げられます。


できれば炭水化物とともに、タンパク質もとりたいので、おにぎりには、鶏そぼろや卵そぼろ、鮭フレーク、カツオ節のお醬油和えなどをまぶしたりするとよいでしょう。


そのほか、ボーンブロススープやお味噌汁、ゆで卵もおすすめです。


これらに共通しているのは、ビタミン、ミネラルを含み、血糖をゆっくり上げる小さな食事です。

補食を摂るとき注意したいこと

補食のポイントは、おなかがすく前にとることです。

お腹がすいたと感じたときには、すでに低血糖に陥ってしまっており、血糖を上昇させるホルモンである、コルチゾールやアドレナリンなどが分泌され、血糖は上昇傾向になっています。

そこに補食を入れるとかえって高血糖になってしまうのです。


食後2時間もすると、食前の血糖値に戻りますので、食後2、3時間たったら補食をとるとよいでしょう。

そのほか、1日のうち、最も血糖が下がりやすい午後3時から4時くらいにとるのもおすすめです。


補食をとることで、日中の血糖値が正常範囲内に入ってくるようになると、異様なからだのだるさ、疲労感はなくなり、感情も安定してきます。

避けたい食べ物

注意したいのは、血糖を急激に上げる食べ物です。

たとえば、精製された白砂糖を使用したお菓子、スナック菓子、洋菓子、ファーストフード、野菜や果物のジュースもおすすめできません。


パンやパスタ、うどんなどの小麦粉製品や、コーヒー、緑茶などのカフェインの多い飲み物も避けていただきたい食品です。


なぜこれらの食品は避けたほうがいいのでしょう。
その理由については、次回以降に詳しく解説していきます。

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野口由美
専門家

野口由美(医師)

クリニック千里の森

患者一人ひとりの個性を重視した「患者ファースト」の治療方針のもと、薬に頼らない医療を提供。近代西洋医学の最前線で培った豊富な知識、自身の体験を裏付けに、幅広い選択肢の中から最適な治療法を提案します。

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