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林照剛

屋根・外壁塗装、雨漏りに強いリフォームの専門家

林照剛(はやしてるたけ) / 1級建築施工管理技士

株式会社ラディエント

コラム

窯業系サイディング外壁塗装後の隙間問題

2024年6月4日

テーマ:外壁塗装の豆知識

コラムカテゴリ:住宅・建物

窯業サイディングは、住宅の外壁に使用されるパネル型の建材です。これらのパネルは建築時に下から順に貼り合わせて組み立てられ外壁を構成します。このパネルが重なり合っている部分に幅2~3ミリほどの浅いくぼみができます。このくぼみから雨水が浸入することはありませんが、塗装後にその隙間が目立ち「施工ミスではないか」「隙間を埋めたい」などのお声をいただくことがありいます。今回は、この窯業系サイディング壁塗装後にできる隙間をどうすべきかについて解説していきます。

塗装に隙間ができる部分とは?

塗装後に塗膜の隙間が発生しやすい箇所は「あいじゃくり」と言う部分です。あいじゃくりとはサイディングボード同士を組み合わせることで生じる横のつなぎ目のことを指します。これらの隙間は、一見すると見た目が悪く感じるかもしれませんが、実は重要な機能を持っています。

あいじゃくりの機能

・通気性の確保

あいじゃくりは、サイディングボードの内側にこもる熱や湿気を逃がすための通気口の役割を果たします。この通気性が確保されることで、湿気による建物内部のダメージを防ぎます。

・水の排出

サイディングボードの構造上、雨水は上から下へと流れるように設計されています。あいじゃくりによって水が内部に侵入することなく、外部へと排出されます。さらに、サイディングボードの内側には防水紙が使用されているため、内部への水の浸入を防ぎます。

あいじゃくりが気になる理由


見た目の問題

多くの方があいじゃくりを見て「隙間が空いている」「施工不良ではないか」と心配されます。しかし、これは正常な構造であり、隙間があることで通気性が保たれています。見た目を重視して隙間をシーリングで埋めてしまうと、通気性が失われ、内部の湿気がこもりやすくなります。

塗装後の変化

新築時には気にならなかったあいじゃくりも、年月が経つと次第に目立つようになります。これは、塗装が劣化し、外壁材が水分を含みやすくなるためです。塗装工事を行うと、塗料で埋まる部分と埋まらない部分がはっきりし、特に塗られない部分が黒く見えるため、気になることが多いです。

あいじゃくりを埋めるべきか?



構造上の必要性

あいじゃくりは、サイディングボードの構造上必要な隙間です。これを全て埋めてしまうと内部の通気性が失われ、湿気がこもりやすくなります。結果として、膨れや割れの原因となり、建物の耐久性が低下する恐れがあります。しかし、あいじゃくり部分全てに隙間を作るための施策をする必要はありません。というのも隙間のサイズによりますが、正しい施工をすればある程度埋まり、ある程度隙間が発生するのです。

埋める場合のリスク

どうしても見た目が気になる場合、玄関付近や家の正面など目立つ部分のみをシーリングで埋めることも可能です。ただし、この場合、膨れや剥離が生じるリスクがあり、保証対象外となることが多いです。



まとめ

サイディングボードのあいじゃくりは、見た目以上に重要な役割を果たしています。これを理解し、適切な対処法を取ることで、建物の耐久性を維持し長く快適に住むことができます。あいじゃくりを埋めるかどうか迷った場合は、専門家に相談し、最適な解決策を見つけることが大切です。

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