外壁塗装できない場合もある?
近年、サイディングボード材の外壁を使用した住宅が多く建てられています。以前はデザインやカラーの種類も少なくシンプルなものが多い印象でしたが、最近はデザインなども豊富になり耐候性も高まってきました。サイディング材を使用した住宅は、他の建材に比べて工費が安価だったり、工期が短縮できるというメリットがあります。サイデング壁はメンテナンス不要と思われている方もいらっしゃいますが、住宅の健康を維持するためには定期的なメンテナンスが必須になります。今回は、このサイディングの外壁にはどのような劣化症状があるのかについてご紹介します。
サイディング材の種類は主に2種類
金属系サイディング
金属系サイディングは、名前の通り金属製の外壁材です。一般的にはアルミニウムやスチール、ガルバリウムなどの金属を使用して作られており、耐久性や防水性に優れています。サイディングは、外壁の表面に貼り付けていくように取り付けることで建物を保護し、外部からの様々な要素建物を守る役割を果たします。また、金属の特性により耐久性が高く、腐食や劣化に強いので長期間にわたって美しい外観を保つことができます。窯業系サイディングと比較すると軽量なため、施工が安易であったり建築後の塗装やクリーニングなどのメンテナンス作業も少なくすむことから、他の外壁材に比べて高価になる場合があります。
窯業系サイディング
窯業系サイディングは、主にセメントを使用し木材繊維を混ぜ合わせ高温で焼成して作られた建材です。金属系サイディングと同様で、外壁の正面に貼り付けることで建物を保護する役割を果たします。他の建材と比べて施工が容易なため施工期間短縮もできるので人気の高い建材です。窯業系サイディングは金属系サイディングよりもデザインのバリエーションが多いため、建物の外観にアクセントを加えたい場合には窯業系サイディングが選ばれることが多いです。また、金属系サイディングよりも安価であることが多く、近年の住宅では窯業系サイディングを使用している住宅が多い傾向にあります。
金属サイディングの劣化症状
チョーキングの発生・塗装の剥がれや変色
サイディングボードの表面にチョーキング(触ると白い粉が付着する現象)が発生する現象は塗膜が劣化している状態です。通常塗膜によりサイディングボード材の劣化を防いでいますが、チョーキングが発生しているイコール塗膜の防水効果が低下し建材自体の劣化が進みやすい状態と言えます。塗装を施し金属サイディングを保護することで建材の寿命を延ばすことが可能です。
変形(へこみや傷など)
金属サイディングは、外圧や劣化によって変形することがあります。変形により穴ができてしまったり、繋ぎ目が変形により開いてしまい隙間ができることで雨水の浸入経路になる場合があります。雨水が浸入した場合、内材の板や防水シートの腐食につながり放置すると室内まで雨漏りする恐れがあり注意が必要です。
サビ
金属サイディングは金属を使用しているため、小さな傷からサビが発生したり、サイディングボード周辺の錆びた金属から「もらい錆び」してしまい金属が腐食していまう症状です。サビは放置するほど深くなり、穴を開けてしまうので早めに塗装で保護し錆びの進行を食い止める必要があります。
コーキングの劣化
サイディングボード同士のつなぎめや、窓などの開口部周りの小さな隙間はコーキング材を使用して雨水の浸入を防いでいます。このコーキング材が経年劣化すると乾燥し痩せてしまうので隙間が発生します。窓周りからの雨漏りの原因となりやすいので、10年~15年辺りで点検は行う必要があります。劣化が見られた場合は新しくコーキングを打ち替えて建物を保護しましょう。
窯業系サイディングの劣化症状
窯業ボードのひび割れ
経年劣化が進むと、窯業ボードは湿気により膨張と乾燥時の収縮を繰り返しボードが反りだしてきます。その動きが繰り返されるとひび割れが発生しやすい状態になります。ひび割れは建物内へ雨水侵入してしまう原因と、窯業ボードの劣化を早めてしいます。この症状は塗膜の劣化により防水機能低下が主な原因になるので、塗装をすることで防水効果を高め建材を保護することが可能です。
破損や欠損
上記のようにひび割れが発生すると、ひび割れが進行しいずれ欠損してしまいます。また、強い衝撃を受け破損することがあります。その場合はひび割れよりもより深刻な状態なので、早めに修繕することをお勧めします。
反りや浮き
窯業ボードの反りはひび割れの原因になります。この反りをすると、ひび割れは更に進行し雨漏りにつながってしまいます。窯業ボードが反り返りの原因は、窯業ボード表面に塗装されている塗膜の経年劣化により撥水機能が低下し、建材が水分を吸ってしまうことと、太陽光から受ける劣化要因を塗膜が保護しきれていないことがあげられます。このように雨水吸収によって建材が膨張と乾燥時の収縮を繰り返すことが主な原因です。
色褪せや変色
色褪せの症状は、塗装の性能の一つである雨水の浸入を防ぐ機能が失われてきている状態です。
塗装をすることで新たな塗膜ができ、サイディング材自体を劣化要因から護ることができます。
チョーキングの発生
金属せいサイディングと同じく、サイディングボードの表面にチョーキング(触ると白い粉が付着する現象)が発生する現象は塗膜が劣化している状態です。通常塗膜によりサイディングボード材の劣化を防いでいますが、チョーキングが発生しているイコール塗膜の防水効果が低下し建材自体の劣化が進みやすい状態と言えます。
コーキングの劣化
サイディングボード同士の繋ぎ目となる隙間を密封するために使用するゴムのような建材です。コーキング材も時間の経過とともに劣化し、硬化やひび割れ、剥離などが生じてきます。コーキング材の劣化により密封性が低下し、できた隙間から雨水が浸入してしまい壁内材の腐食や雨漏りする原因になります。コーキング材は7年~10年ほどで劣化してしまうため、窯業ボード自体に劣化が見られない場合でも注意する必要があります。
汚れの定着(カビや藻なども含む)
汚れは水分の多いところに付着しやすく、カビや藻、苔なども水分がないと生えることがありません。このように汚れなどが定着しだしたら、塗膜の防水機能が低下し水分が留まりやい状態であり、塗膜が劣化しているサインと言えます。
外壁には様々な種類がありますが、その多くが建材を保護するために塗装のメンテナンスが必要になっています。サイディングの外壁材も同じく塗膜で建材を保護することで経年による劣化を緩やかにしています。建物の健康を維持し快適で長寿命な住宅にするために、定期的な点検とメンテナンスを行いましょう。