吹付断熱材の結露について
吹付断熱には優れた製品がいくつも出ていますが、なかでも「アクアフォーム」は高い評価を受けています。
アクアフォームとは
「アクアフォーム」は株式会社日本アクアの製品です。日本アクアは「人と地球に優しい住環境を創ることで社会に貢献」することを経営方針にしていますが、そのための研究開発から生れました。
ほかの発泡断熱材と一線を画すのは、温室効果の高いフロンガスを使わず、水を使って発泡させる点です。硬質ウレタンフォーム素材に分類され、現場発泡硬質ウレタンシェアN0.1。評価・人気共に高い製品です。
アクアフォームを壁などに吹き付けると、むくむくと膨れ上がり、断熱層を作ります。むくむくと膨れ上がるのは非常に小さな気泡を無数に作るからですが、その微細な気泡の一つひとつに空気が含まれます。この空気がアクアフォームの断熱に大きく関係しているのです。
寒い冬、毛糸のセーターを着ると暖かくなりますね。あれは毛糸そのものに含まれる空気、毛糸が絡み合った中に含まれる空気、二つを合わせた大量の空気によって断熱が図られるからです。
同じようにアクアフォームも大量の空気を含んでいますから、他の断熱材に比べ高い断熱性能を発揮し、また、空気は劣化することがありませんから断熱性能が長く維持されることになります。
また、これまで採用されてきたグラスウールなどの断熱材には施工上の難点がありました。施工箇所によっては、排気用のダクト、コンセントボックスなどに合わせてグラスウールをカットして、貼っていく必要があります。そのため細かい部分には隙間ができてしまうこともあります。
アクアフォームは細かい部分にも隙間なく充填でき、しかも、粘着性が高いためズレたりすることがなく安定した断熱効果を得ることができるのです。
施工期間が従来の断熱材に比べ短期間ですむ点も、人気の一つです。
アクアフォームが持つ性能
アクアフォームが持つ性能について見ていきましょう。
①断熱性
断熱性能を表す数値に「熱伝導率」があります。素材によって、また密度によっても違いますが、数値が低いほど断熱性が優れていることになります。
グラスウールの熱伝導率を見てみると、たとえば「住宅用グラスウール断熱材10K」で熱伝導率0.050という数値があります。「10K」というのは断熱材の密度を表すもので、同じ「住宅用グラスウール断熱材」でも、密度が「24K」になれば熱伝導率は0.038になります。ちなみに「高性能グラスウール断熱材24K」では、熱伝率の数値が0.036という例もあります。
アクアフォームの熱伝導率0.036は高い断熱性能を示す数値です。
また、断熱には、素材の厚みも関係します。厚いほど断熱性が高まります。
アクアフォームを「100」とした場合、同等の断熱性を確保するために他の断熱材が必要とする厚さを見てみましょう。
たとえば、「住宅用グラスウール断熱材10K(熱伝導率0.050」では「147」、「高性能グラスウール断熱材24K」では「112」になります。それに対しアクアフォームは100。
この数値もアクアフォームの断熱性能の優秀性を示すに十分な数値です。
②気密性
アクアフォームによる断熱工法は、断熱を施したい箇所に直接断熱材を吹付ける工法ですから、グラスウールを貼り付けていく工法に比べ、隙間なく断熱材を施すことができます。
しかも粘着性に優れているため、壁・床・天井、どんな箇所でも家と一体化した断熱構造を作ることができます。
また、この気密性の高さは住まいの大敵である結露防止にもつながります。
たとえば壁に貼り付けた断熱材と壁の間に隙間が生じると、そこに結露が発生するおそれがあります。いわゆる壁内結露です。吹付けた箇所に密着し、高い気密性を保つアクアフォームは、結露の発生を抑制することができるのです。
結露はカビやダニを発生させやすくします。そして、カビやダニの死骸は喘息やアトピーなどの原因になります。
結露が生じにくいアクアフォームは健康面においても推奨できる断熱材なのです。
③吸音性
アクアフォームは吸音性にも優れています。
一つには、アクアフォームの高い気密性によるものですが、アクアフォームが作る細かな気泡は「微細連続気泡構造」と言われるもので、一般的な独立気泡構造と比べ吸音性に優れています。
外からの騒音、家の中からの生活音の漏れを気にすることなく暮らすことができます。
④高い断熱性がもたらすメリット
断熱性能が高い家は1年を通して冷暖房機器に頼る頻度が少なくなります。そのため光熱費を抑えることができます。
また、断熱性能が高い住まいは家の中の温度差が少なく、冬場、大きな問題になっているヒートショックを抑制することができます。ヒートショックはご高齢の方の生命に関わるものです。
快適さと共に安全面にもメリットがあるアクアフォーム、ぜひご検討頂きたいとおもいます。