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林照剛

屋根・外壁塗装、雨漏りに強いリフォームの専門家

林照剛(はやしてるたけ) / 1級建築施工管理技士

株式会社ラディエント

コラム

吹付断熱材のメリットとデメリット

2018年4月18日 公開 / 2018年4月19日更新

テーマ:吹付断熱材

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: 断熱材 効果断熱材 DIY

吹付断熱材についてはメリットと共にデメリットもあると言われています。その主な点を見てみましょう。

断熱性と気密性

吹付断熱は、断熱材を霧状に吹き付けて発泡体を作り、家の断熱性を高める工法です。
グラスウールなど繊維系の断熱材も断熱効果を持っているわけですが、大きな違いは、繊維系断熱材の場合、壁面に隙間なく断熱材を施すことが難しいのに対し、発泡断熱の場合は隙間なく断熱材を施すことができるという点です。

断熱は、断熱材の性能だけではなく隙間なく断熱材を施し気密性を確保することも大切であり、吹付断熱はその二つを同時に行うことができるわけです。

また、吹付断熱は、一定の透湿抵抗によって内部結露が起こりにくい点も大きなメリットです。
たとえば、繊維系断熱材の場合、内部結露が起こればその重みでズレが生じ断熱性能が低下するおそれがありますが、吹付断熱材は自己接着力を持ち、壁に吹き付けた後もズレたりせず断熱性能を維持します。

吹付断熱材は各社がそれぞれ独自の製品を出しています。
そして、吹付断熱を選択したお客様の多くが、そのメリットを実感されています。

たとえば、夏、エアコンをつけても涼しくなるまで30分以上かかっていたのに、吹付断熱を施してからはすぐに涼しくなる、あるいは、冬、家の中の温度差がなくなった、といった点です。
これは家の断熱の第一の目標、過ごしやすい家になったということを体感的に感じていただけているということであり、吹付断熱工法の有効性を立証するものと言っていいでしょう。

健康な住まい

吹付断熱工法を選択されたお客様の多くは結露の心配が少ないこと、そして、家族の健康という面も重視されています。

「壁内結露」という言葉をご存知の方も多いでしょう。これは、室内と室外の温度差によって壁の内側で発生する結露のことです。

壁内結露が怖いのは、目に見えないところで起き、知らぬ間に木材を腐らせたり、カビやダニの温床になることです。木材が腐れば家は強度を失いますし、カビやダニはアレルギーを引き起こす要因になります。
吹付断熱は結露の発生を抑え、それによって健康被害をもたらすカビやダニなども抑制する点で家族の健康面にも大きなメリットを持っているのです。

また、家の断熱をお考えの多くの方が、家の中の温度差を少なくすることで、冬に起きやすいヒートショックを防ぐこともお考えになっています。

ヒートショックは急激な温度変化によって血圧が急変動することで起こります。たとえば、冬、暖かいリビングから寒い脱衣所へ移動すると寒さによって血管が収縮し、血圧が上昇します。そしてその後、湯船につかり体が温まると今度は血管が拡張し、血圧が下降します。
この急激な変化によって、高齢の方や血圧の高い人は脳梗塞や心筋梗塞を起こすおそれがあるのです。あるいは湯船の中で気を失い溺死するケースも少なくありません。

こうした家族の健康面も考え、多くの方が吹付断熱を選択されているのです。



吹付断熱のデメリット

吹付断熱のデメリットをあげるとすれば、やはり施工費用がグラスウールなど繊維系の断熱材に比べ高額になる点です。

しかし問題は、断熱によって得る暮らしをどう捉えるかということにかかると言えるでしょう。夏の不快な暑さ、冬の寒さを抑えた生活、その暮らしやすさをどう捉えるかということです。

これは肉体的な面だけではなく、精神的な面にも深く関わるものです。吹付断熱を選択されたお客様が「吹付断熱にして本当によかった」とおっしゃる中には、この精神的な面からの評価も多く含まれているようにおもいます。

また、吹付断熱のデメリットとして、燃えやすいのではないか、という意見もあるようです。しかし、これは誤解と言っていいでしょう。

たとえば当社が推奨する吹付断熱材「アクアフォーム」を例にとれば、アクアフォームが作る発泡体は熱硬化性プラスチックです。高温になっても液化せず、火災の際には約300~400℃の固定状態で燃焼し、炭化します。熱で溶けることはありませんし、通常は石膏ボードの内側にあるため火災の際に一気に燃え上がる危険はありません。吹付断熱材が燃えやすいというのは、形状、プラスチック体という言葉から生じる誤解と言えるのです。

ところで、住まいの断熱については、さまざまな意見があり、工法や製品の評価も人によってさまざまです。いずれも傾聴すべき意見だとおもいますが、家は一軒一軒違うということも見落としてはいけない点です。
つまり、同じ吹付断熱材を使っても、一軒一軒の家の条件によって、効果がどの程度になるかが違ってきます。家全体の換気、気密性も大きく関わるものだからです。

大事なことは、製品の性能を十全に発揮できるよう、その家に合った施工をするということ、そのための断熱設計と施工技術です。
住まいの断熱については断熱に関する知識・経験を豊富に持った施工会社に相談することをおすすめします。

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