死亡後の高額療養費は申請できる?医療費の払い戻し・期限・準確定申告との違い

山田泰平

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テーマ:葬儀後のお話

2026-06-28-kougaku-ryoyohi-shibou 死亡後の高額療養費は申請できる?医療費の払い戻し・期限・準確定申告との違い

死亡後の高額療養費は申請できる?医療費の払い戻し・期限・準確定申告との違い

皆様、こんにちは。株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。

ご家族を見送られた後、病院の領収書や保険証、役所から届く通知を前にして、「これはもう終わった支払いなのか」「戻ってくるお金があるのか」と迷われる方は少なくありません。特に入院や治療が長かった場合、医療費の自己負担が大きくなり、葬儀後の生活費や相続手続きにも影響します。

その中で確認しておきたい制度の一つが、高額療養費(こうがくりょうようひ)です。これは、同じ月に支払った保険診療の自己負担額が一定の上限を超えた場合に、超えた部分が払い戻される制度です。

亡くなられた方の医療費についても、条件を満たせば高額療養費の申請対象になることがあります。ただし、申請先は加入していた医療保険によって変わり、食事代や差額ベッド代など対象外の費用もあります。準確定申告(じゅんかくていしんこく)の医療費控除とも扱いが違うため、混同しないことが大切です。

  • 死亡後でも確認したい高額療養費の払い戻し
  • 申請期限は診療月の翌月1日から2年以内が基本
  • 対象になる費用と対象外になる費用の違い
  • 準確定申告の医療費控除と分けて考える必要性


結論:死亡後の高額療養費は、加入していた医療保険へ早めに確認


高額療養費は、亡くなられた方が生前に医療機関で支払った保険診療の自己負担額について、月ごとの上限を超えていれば払い戻しを受けられる可能性があります。亡くなったことだけで制度の対象外になるわけではありません。

大切なのは、故人が加入していた医療保険を確認し、国民健康保険、後期高齢者医療制度、会社の健康保険など、それぞれの窓口へ申請の可否を問い合わせることです。

国民健康保険なら市区町村、後期高齢者医療制度なら市区町村担当窓口や広域連合、会社員だった方なら協会けんぽや健康保険組合が主な確認先になります。大阪市の国民健康保険でも、申請できる期間は「診療を受けた月の翌月1日から2年以内」と案内されています。

葬儀後の手続き全体をまだ整理できていない方は、まず期限順に並べることが大切です。全体像は、葬儀後の手続きは何から?期限と順番を解説でも詳しくまとめています。

高額療養費で戻る可能性がある費用と、対象外の費用


高額療養費の対象になるのは、原則として公的医療保険が適用される診療の自己負担分です。医療機関や薬局で支払った保険診療分を、同じ月ごとに計算し、所得区分などに応じた自己負担限度額を超えた部分が払い戻しの対象になります。

一方で、病院に支払った費用のすべてが対象になるわけではありません。

  1. 入院中の食事代
  2. 差額ベッド代
  3. 先進医療など保険適用外の費用
  4. 診断書など文書料
  5. 病院までの交通費や付き添い費用


大阪府後期高齢者医療広域連合も、入院時の食事代や保険診療のきかない差額ベッド代などは高額療養費の対象外と案内しています。領収書に「保険」「自費」「食事」などの区分が分かれている場合は、どの部分が対象になるのかを窓口で確認してください。

「病院に高いお金を払ったから全部戻る」のではなく、「保険診療の自己負担分が月ごとの限度額を超えたか」で判断されます。

死亡診断書のコピーや診断書類は、保険・年金・相続手続きで必要になることがありますが、文書料そのものは高額療養費の対象外です。死亡診断書の扱いは、死亡診断書のコピーは何枚必要?提出前に確認する手続きと注意点も参考になります。

申請期限は2年が基本。通知を待つだけにしない


高額療養費の申請期限は、厚生労働省の案内では、診療を受けた月の翌月の初日から2年が基本です。この2年を過ぎると、払い戻しを受ける権利が時効で消えてしまう可能性があります。

ただし、実際の通知や申請書の届き方は保険者によって違います。国民健康保険では、診療月から数か月後に申請案内が届く自治体があります。後期高齢者医療制度では、過去に口座登録がある場合、次回以降は自動振込になる扱いもあります。会社の健康保険組合では、独自の付加給付があることもあります。

葬儀後に住所変更や郵便物の整理が重なると、申請書や通知を見落とすことがあります。領収書をまとめ、保険者へ「未申請の高額療養費がないか」を確認しておくと安心です。

確認する時は、次の情報を手元に置くと話が進みやすくなります。

  • 亡くなられた方の氏名、生年月日、住所
  • 加入していた保険証や資格確認書の情報
  • 診療月ごとの医療機関の領収書
  • 相続人や申請者の本人確認書類
  • 振込先口座がわかるもの


なお、故人名義の銀行口座は死亡後に凍結されることがあります。払い戻し先をどうするか、相続人代表者の口座でよいかなどは、保険者の案内に従ってください。銀行口座の扱いは、家族が亡くなると銀行口座はどうなる?凍結のタイミングと葬儀費用の注意点でも整理しています。

準確定申告の医療費控除とは分けて考える


高額療養費と医療費控除は、どちらも医療費に関係しますが、制度の目的も申請先も違います。

高額療養費は、加入していた医療保険から払い戻しを受ける制度です。準確定申告の医療費控除は、亡くなられた方の所得税を計算する際に、一定の医療費を控除して税金を精算する手続きです。準確定申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内が原則になります。

国税庁は、被相続人の準確定申告で医療費控除の対象になるのは、死亡の日までに被相続人が支払った医療費と案内しています。死亡後に相続人が支払った医療費は、たとえ相続財産から支払った場合でも、被相続人の準確定申告上の医療費控除にはできません。

高額療養費の払い戻しがある場合、医療費控除で使う医療費の金額にも影響することがあります。税務判断は税務署や税理士へ確認するのが確実です。

また、相続放棄を検討している場合は、故人の医療費、病院への未払い、還付金、預金の扱いを安易に動かさないほうがよい場面があります。相続放棄の基本は、相続放棄とは?3か月の期限・手続きの流れ・注意点を葬儀のプロが解説をご確認ください。

葬儀後に医療費関係を整理する実務の流れ


葬儀後は、役所、年金、銀行、保険、相続の書類が一度に集まります。医療費関係は後回しになりやすいのですが、領収書を紛失すると確認に時間がかかります。

まずは、病院・薬局・介護施設などから受け取った書類を月別に分けます。そのうえで、保険診療分、自費分、食事代、差額ベッド代、文書料をざっくり分けておきます。完璧に分類できなくても構いません。保険者へ確認する材料を集めることが先です。

  1. 診療月ごとに領収書をまとめる
  2. 加入していた医療保険を確認する
  3. 通知や申請書が届いていないか郵便物を確認する
  4. 未払い医療費があるか病院へ確認する
  5. 準確定申告や相続放棄の可能性を家族で共有する


ご家族の誰か一人だけが抱え込むと、後から「そんな還付があったのか」「医療費控除に使えたのか」と行き違いになることがあります。相続人が複数いる場合は、医療費の領収書、病院からの請求書、高額療養費の通知を共有できる場所にまとめておくとよいでしょう。

高額療養費は、葬儀費用を直接補う制度ではありません。それでも、戻る可能性のある医療費を確認することは、遺族の生活を守る大切な整理です。

まとめ


死亡後の高額療養費は、見落とされやすい一方で、長期入院や治療があったご家庭では大きな意味を持つことがあります。最後に要点を整理します。

  • 死亡後でも高額療養費を申請できる可能性がある
  • 申請期限は診療月の翌月1日から2年以内が基本
  • 食事代、差額ベッド代、文書料などは対象外
  • 申請先は故人が加入していた医療保険によって変わる
  • 準確定申告の医療費控除とは別制度として整理する


ご家族を亡くされた直後に、お金や書類の話をするのは気持ちが追いつかないものです。それでも、医療費の領収書や保険の通知は、後からご家族を助けてくれる大切な手がかりになります。

大阪セレモニーでは、お葬式の前後に生じる不安を、できるだけ一つずつ整理できるようお手伝いしています。葬儀のこと、その後の手続きのこと、どこから手をつければよいか迷われた時は、どうぞ遠慮なくご相談ください。ご家族の負担が少しでも軽くなるよう、心を込めて向き合います。

株式会社大阪セレモニー

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山田泰平
専門家

山田泰平(葬儀業)

株式会社大阪セレモニー

当社は家族葬を専門に、これまで1000件以上の葬儀をお手伝いさせて頂きました。少人数だからこそ実現できるきめ細やかなサービスと、ご遺族様の想いに寄り添った丁寧な対応を心がけています。

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