葬儀後に眠れない・食べられない時は?無理をしない過ごし方を解説

皆様、こんにちは。株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。
ご家族を見送られた後、役所の手続き、年金、健康保険、銀行、保険会社への連絡など、短い期間に多くの確認が重なります。その中で、財布や書類入れからマイナンバーカードが出てきて、「これは返納するものなのか」「相続手続きで使うのか」「そのまま処分してよいのか」と迷われる方があります。
マイナンバーカードは、本人確認書類であり、個人番号が記載された大切なカードです。亡くなられた後はカードとして使う場面はなくなりますが、すぐに捨ててよいとは限りません。手続きの内容によっては、個人番号を確認する必要が出てくることがあるからです。
この記事では、死亡後のマイナンバーカードと通知カードの扱いを、返納、保管、処分、関連手続きの順番で整理します。
- 死亡後のマイナンバーカード返納義務の有無
- 各種手続きが終わるまで保管したほうがよい理由
- 返納や処分をする前に確認したい書類
- 個人番号を人に預けるときの注意点
結論:返納義務はなく、手続き後まで保管が安全
大阪市のおくやみ手続き案内では、亡くなられた方がマイナンバーカードまたは通知カードを持っている場合、返還義務はないと案内されています。あわせて、さまざまな手続きで個人番号が必要となる可能性があるため、返還する場合は各種手続きを終えてから返還するよう示されています。
故人様のマイナンバーカードは、すぐ返納や処分をするより、葬儀後の主な手続きが落ち着くまで大切に保管するほうが実務上は安全です。
ここで大切なのは、「返納義務がない」ことと「不要だからすぐ捨ててよい」ことを分けて考えることです。マイナンバーカードそのものは、亡くなられた後に本人確認書類として使うものではありません。一方で、年金、税、行政手続きの確認で、個人番号が関係する場面が残ることがあります。
葬儀後の手続きを期限順に整理したい場合は、葬儀後の手続きは何から?期限と順番を解説も参考になります。マイナンバーカードだけを単独で考えるより、死亡届、年金、健康保険、住民票、相続関係の書類と一緒に整理すると抜け漏れを減らせます。
死亡後、カードは本人確認書類としては使わない
マイナンバーカードは、生きている本人の身分確認やオンライン手続きに使うものです。亡くなられた後に、ご家族が故人様のカードを使って手続きを進めるものではありません。
たとえば、役所や金融機関、保険会社へ提出する書類では、故人様の死亡を確認するために戸籍謄本、除籍謄本、住民票の除票、死亡診断書のコピーなどが求められることがあります。マイナンバーカードを見せれば代わりになる、という性質のものではありません。
死亡後の手続きで中心になるのは、故人様のカードそのものではなく、死亡の事実や相続関係を確認できる公的書類です。
死亡診断書のコピーをどの段階で残すか迷う場合は、死亡診断書のコピーは何枚必要?提出前に確認する手続きと注意点をご確認ください。死亡届を提出した後は原本が戻らないため、提出前にコピーを取っておくことが大切です。
また、住民票の除票は、亡くなられた方の最後の住所や死亡により住民票から除かれたことを示す書類として使われます。マイナンバーの記載が必要かどうかは提出先によって違うため、死亡後の住民票の除票とは?相続や解約手続きで必要になる場面を解説もあわせて確認しておくと、役所での請求時に迷いにくくなります。
手続きが終わるまで保管したほうがよい場面
マイナンバーカードや通知カードは、返納義務がないとしても、葬儀後すぐに裁断処分するのはおすすめしません。個人番号は、行政や年金、税に関わる確認で必要になることがあるからです。
特に、次のような手続きでは、個人番号や本人確認書類の扱いを確認する場面があります。
- 年金関係の死亡届や未支給年金の請求
- 準確定申告など税に関する手続き
- 相続人側の本人確認や番号確認
- 児童手当、障がい福祉、介護関係など行政制度の確認
- 故人様の書類を整理するときの本人情報の照合
日本年金機構では、年金受給権者の死亡届について、機構にマイナンバーが収録されている方は原則不要と案内されています。ただし、未支給年金の請求などは別に必要です。つまり、「マイナンバー連携で省略できる届出がある」ことと、「遺族が何もしなくてよい」ことは同じではありません。
マイナンバーによって一部の届出が省略できる場合でも、未支給年金や遺族年金など、別の手続きが残ることがあります。
このため、故人様のマイナンバーカードは、年金事務所、税理士、司法書士、行政窓口などへ相談するときに、番号確認の手がかりとして一時保管しておくほうが安心です。必要がなくなったと確認できてから、返納や処分を考えれば十分です。
返納する場合は「各種手続き後」が基本
返納義務はなくても、手元に残しておくのが不安な方もいらっしゃいます。その場合は、故人様が住民登録をしていた市区町村の窓口へ、返納できるか、必要な持ち物は何かを確認してください。
自治体によって、返納の受付方法や窓口、代理人の本人確認書類などの案内が異なることがあります。大阪市の資料では、返還される場合は各種手続きを終えてから返還するよう示されています。手続き前に返納してしまうと、後から個人番号を確認したい場面で困る可能性があります。
返納を選ぶ場合でも、年金、税、相続、保険、行政制度の主な確認が終わってから動くほうが無難です。
マイナンバーカードと同じく、故人様の印鑑登録証や実印についても、すぐ処分してよいか迷いやすい書類です。印鑑登録証の扱いについては、故人の印鑑登録証はどうする?死亡後に印鑑証明書が取れない理由と相続で必要な書類で整理しています。
書類の処分は、早ければよいものではありません。特に葬儀後1か月ほどは、手続きが次々に出てくる時期です。重要書類は一つのファイルにまとめ、「処分してよい」と判断できるまで一時保管する流れが現実的です。
自宅で処分するなら復元できない形にする
返納せず自宅で処分する場合は、個人番号、氏名、生年月日、顔写真などが分からないように、復元できない形で裁断してください。カードをそのままごみ袋へ入れるのは避けたほうがよいでしょう。
通知カードや個人番号が記載された書類も同じです。紙であれば細かく裁断し、数回に分けて処分するなど、個人情報がまとまって残らないようにします。カード型の場合は、番号部分、氏名、顔写真、ICチップ部分を意識して破壊します。
マイナンバーは亡くなられた後も大切な個人情報です。処分する場合は、第三者が読み取れない状態にしてから廃棄してください。
注意したいのは、処分前に写真を撮ってスマートフォンへ残すことです。必要だからといって、番号やカード全体をむやみに撮影し、家族間のメッセージアプリで送ると、管理できる人が増えてしまいます。専門家へ相談する場合も、必要な範囲を確認してから提示してください。
人に預けるときは「必要な範囲」だけ
葬儀後の手続きでは、税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士、金融機関、保険会社など、さまざまな相手と書類をやり取りすることがあります。その中で、マイナンバーが関係する手続きもあります。
ただし、マイナンバーは誰にでも見せてよい番号ではありません。提出先が法律上必要としているのか、故人様の番号なのか、相続人側の番号なのか、コピー提出が必要なのかを確認することが大切です。
- 提出先が個人番号を必要とする理由
- 故人様の番号か、相続人の番号か
- カード原本、コピー、番号記載だけのどれが必要か
- 返却される書類か、提出して戻らない書類か
- 郵送時の送付方法と控えの残し方
マイナンバーカードを人に預ける場合は、「何の手続きで、誰の番号が、どの形式で必要なのか」を確認してからにしてください。
相続放棄を検討している場合は、書類の扱いにも慎重さが必要です。個人番号そのものが相続承認につながるわけではありませんが、財産や契約の整理をどこまで進めるかは判断が分かれることがあります。借金や保証債務が心配な場合は、相続放棄とは?3か月の期限・手続きの流れ・注意点を葬儀のプロが解説を先に確認し、専門家へ相談するほうが安全です。
まとめ
故人様のマイナンバーカードや通知カードは、死亡後に返納義務があるものではありません。ただし、年金、税、行政制度、相続関係の確認で個人番号が必要になる可能性があるため、すぐに返納や処分をするより、各種手続きが落ち着くまで保管するほうが安心です。
返納したい場合は、故人様の住所地の市区町村窓口へ確認し、必要な手続きが終わってから進めます。自宅で処分する場合は、番号や氏名、顔写真が読み取れないよう、復元できない形にしてください。
- 死亡後のマイナンバーカードや通知カードに返納義務はない
- 各種手続きで個人番号が必要になる可能性がある
- 返納する場合は、主な手続きが終わってからが基本
- 自宅処分では番号や顔写真が分からない形に裁断
- 人に預けるときは、必要な範囲と提出先を確認
葬儀後は、悲しみの中で多くの書類判断を迫られます。大阪セレモニーでは、ご葬儀だけでなく、葬儀後にご家族が迷いやすい手続きや書類整理についても、できる限り分かりやすくお伝えしています。
「これは返すものなのか」「捨ててよいのか」「相続で必要なのか」と迷う書類が出てきた時は、急いで処分せず、一度まとめて保管してください。残す、返す、処分する。その順番を間違えないことが、ご家族の負担を減らす第一歩になります。
株式会社大阪セレモニー


