親の葬儀にも香典は必要なの?適切な香典金額と受取総額について

皆様、こんにちは。株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。
「まだ生きているのに、葬儀の話をするなんて不謹慎ではないか」
「親が嫌がるかもしれないので、切り出せない」
「でも何も決めていないままその時を迎えるのも不安」
このようなご相談は、実際によくあります。特に、危篤の連絡を受けたあとや、入院や施設入所をきっかけに現実味が出てきた時ほど、ご家族は強い迷いを抱えます。
一方で、国民生活センターは2026年6月3日に、葬儀サービスの料金トラブルが依然として多く、見積書の明細確認や複数人での打ち合わせが大切だと注意喚起しました。慌てた状態で葬儀社を探し、その場で高額な契約や分かりにくい見積もりに進んでしまうことは、実際に起きています。
厚生労働省の「人生会議」でも、「もしものとき」に備えて、本人が大切にしたいことを家族や信頼できる人と繰り返し話し合うことの大切さが示されています。葬儀そのものは医療の話とは違いますが、「元気なうちに少しだけ話しておくことが、残される家族の支えになる」という考え方は共通しています。
この記事では、亡くなる前に葬儀社へ相談することは本当に不謹慎なのか、どこまで決めればよいのか、家族へどう切り出せばよいのかを、葬儀の現場に即して整理します。
- 事前相談は不謹慎ではなく、家族の負担を減らす準備
- 危篤や入院時に全部決める必要はない
- 確認しておくべきは連絡先、安置先、規模、費用感
- 見積もりの明細確認が料金トラブル予防につながる
- 切り出し方は「葬儀を決める」より「慌てないための確認」
結論:事前相談は死を急かす話ではなく、家族の時間を守る準備
亡くなる前に葬儀社へ相談すること自体は、不謹慎ではありません。むしろ、もしもの時にご家族が必要以上に慌てず、ご本人のそばにいる時間を守るための準備です。
葬儀の事前相談というと、式の内容や祭壇、会葬者数まで全部決めなければならないように感じる方もいらっしゃいます。しかし実際には、そこまで細かく決める必要はありません。まず必要なのは、連絡する葬儀社を一つ決めておくこと、搬送先や安置先の方向性を考えておくこと、費用感を把握しておくことです。
事前相談の目的は「縁起でもない話を進めること」ではなく、「その時に家族が混乱しない道筋を作っておくこと」です。
すでに公開している葬儀の事前相談に関する記事でも基本はお伝えしていますが、今回は「不謹慎に感じてしまう気持ち」に焦点を当てて、もう一歩踏み込んで整理します。
なぜ不謹慎に感じるのか
このテーマが難しいのは、葬儀の相談そのものよりも、「まだ生きている人の死後を考えること」への抵抗があるからです。家族としては、少しでも良くなってほしい、まだ回復の可能性を信じたい、そんな気持ちがあるのは当然です。
その一方で、病院や施設では、逝去後の安置場所や搬送先を短時間で決めなければならない場面があります。危篤や容体悪化の連絡を受けた直後に、親族への連絡、移動、付き添いと並行して葬儀社探しまで始まると、判断が一気に重くなります。危篤時はまず「誰に伝えるか」で頭がいっぱいになりやすく、冷静な比較が難しい時間帯です。
不謹慎に感じるのは自然な反応ですが、その気持ちがあるからこそ、全部を後回しにすると本当に大切な時間が事務的な判断に奪われやすくなります。
ここで大切なのは、「相談すること」と「葬儀を確定すること」を分けて考えることです。相談はあくまで確認です。ご本人の回復を願いながら、万が一の時に慌てない準備をしておく。この二つは矛盾しません。
事前相談で決めるのは最小限でよい
事前相談で最初から全部を決めようとすると、たしかに気持ちが重くなります。ですから、最初は次のような最低限だけで十分です。
- 万が一の時の連絡先
- ご自宅へ帰るか、安置施設を利用するか
- 家族葬か、親族まで呼ぶかの方向性
- おおよその費用感
- 宗教者への連絡が必要かどうか
たとえば、施設や病院で亡くなられた場合は、どこへお連れするかをすぐ考える必要があります。ご自宅が難しい住宅事情であれば、先に安置施設の有無を確認しておくだけでも違います。初動の流れは施設で親が亡くなった時の記事でも整理しています。
費用についても、「今そんな話をしてよいのか」と感じる方は多いものです。しかし、国民生活センターの注意喚起では、見積書の明細がなく総額だけが示されたり、当初想定より高額になったりする相談が増えているとされています。金額を聞くことは、故人様を粗末に扱うことではありません。残されるご家族の生活を守るための確認です。
最初の事前相談は、連絡先と費用感が分かるだけでも十分な前進です。全部を決める必要はありません。
見積もりの読み方や追加費用が出やすい場面は、6月27日公開予定の家族葬の見積もりに関する記事もあわせて確認すると、より具体的にイメージしやすくなります。
家族へ切り出す時の伝え方
ご本人やご家族にこの話を切り出す時は、「葬儀を決めたい」ではなく、「もしもの時に慌てたくないから、最低限だけ確認したい」という伝え方が現実的です。
- 連絡先だけ控えておきたい
- 病院で慌てないように安置先だけ考えておきたい
- 家族が困らないように費用感だけ知っておきたい
- 嫌なことや避けたいことだけでも聞いておきたい
厚生労働省の人生会議でも、正解を決めることより、気持ちを共有しておくことが大切だとされています。葬儀の相談も同じで、「全部を確定する」のではなく、「どんな見送り方が本人らしいか」「家族はどこで困りそうか」を共有できれば十分意味があります。
切り出し方で大切なのは、死を前提に急かすことではなく、家族が後悔しないための確認だと伝えることです。
この段階で話し合えたことは、亡くなった後の手続きにもつながります。葬儀後にどんな流れで動くかは、葬儀後の手続きの記事も参考になります。
葬儀社に相談する時の見方
事前相談を受ける葬儀社側の姿勢も大切です。質問しやすいか、説明が具体的か、見積書の明細が出るか、追加費用の条件を先に教えてくれるか。このあたりは、相談の段階でかなり見えてきます。
国民生活センターは、葬儀社との打ち合わせを複数人で行うこと、見積書を必ず受け取り内容を確認することを勧めています。特に、家族葬、一日葬、直葬などは広告上の価格だけでは総額が見えにくいことがあります。安置日数、搬送距離、料理や返礼品、宗教者へのお礼など、どこが変動するかを確認してください。
- 見積書の明細が出るか
- 総額が変わる条件の説明があるか
- 夜間や早朝の連絡体制があるか
- 安置先の選択肢があるか
- 質問しても急いで契約を迫られないか
信頼できる葬儀社かどうかは、派手な広告よりも「分からないことを質問した時の説明」で判断しやすいものです。
相談した結果、まだ決めきれなければ、その場で契約しなくてもかまいません。大切なのは、いざという時に連絡できる先を持ち、比較の軸を持っておくことです。
まとめ
亡くなる前に葬儀社へ相談することに、抵抗を感じるのは当然です。ただ、その感情があるからこそ、少しだけ準備をしておくことで、ご本人のそばにいる時間や、ご家族の心の余白を守りやすくなります。
- 事前相談は不謹慎ではなく、家族の混乱を減らす準備
- 最初に決めるべきは連絡先、安置先、規模、費用感
- 見積書の明細確認が料金トラブル予防につながる
- 切り出し方は「葬儀を決める」より「慌てないための確認」
- 相談の段階で葬儀社の説明姿勢を見極める
私どもが現場で感じるのは、事前相談をされたご家族ほど、万が一の時に落ち着いて判断しやすいということです。何もかも悲しみが軽くなるわけではありませんが、少なくとも「どこに電話すればよいか分からない」「何を聞けばよいか分からない」という混乱は減らせます。
ご本人の回復を願いながら、もしもの時に備えておく。その姿勢は不謹慎ではなく、むしろ大切な人への思いやりだと私は考えています。
株式会社大阪セレモニー


