相続で揉めないための3つの習慣を徹底解説

山田泰平

山田泰平

テーマ:相続関係

皆様、こんにちは。

株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。

「うちは財産なんてないから、相続で揉めるはずがない。」

「子供たちは仲が良いから、きっとうまくやってくれるだろう。」

もし、あなたがそう楽観視しているとしたら、それは非常にリスクのある考え方です。

実は、遺産相続のトラブルは資産家だけのものではありません。

最高裁判所の司法統計によると、遺産分割に関する調停や審判の成立件数のうち、遺産総額が5000万円以下のケースが全体の約76パーセントを占めています。

財産の多少にかかわらず、どのようなご家庭にも相続トラブルの火種は潜んでいると言えるでしょう。

特に、普段は仲が良いご家族であっても、いざ相続の場面になると、これまでの不満や感情のすれ違いが表面化し、取り返しのつかない争いに発展してしまうことが少なくありません。

今回は、弁護士などの専門家に頼らずに円満な相続を実現するための、今からできる3つの習慣をテーマに解説していきます。

  • 言わなくても分かるは禁物でありオープンな家族会議が必要な理由 不公平感をなくすための親の賢いお金の使い方
  • トラブル予防に役立つエンディングノートのすすめ


などを、具体的な実践方法と共にご紹介していきましょう。

対話と想いの可視化が相続トラブルを防ぐ[結論]


相続トラブルは、法律やお金の問題である以前に、家族間の感情の問題が大きく関わっています。

その根底にあるのは、いつだって以下の2点に集約されます。

  1. 親が何を考えているか分からないというコミュニケーション不足 自分だけが損をしているという不公平感


家族だからこそ「言わなくても分かってくれるだろう。」という甘えが生じがちですが、それが一番の落とし穴となります。

逆に言えば、この2つの要因を日々の生活の中で解消していくことができれば、相続トラブルのリスクは劇的に減少します。

日頃から家族でオープンに話し合い、親の想いや考えを文字などにして残しておくことが大切です。

たったこれだけの習慣が、法律による争いとは無縁の、円満な家族関係を長く守るための非常に有効な手段となるのです。

自分の死後、子供たちが憎しみ合うような事態は、親として絶対に避けたいと願うはずです。

それでは、具体的な3つの習慣について詳しく掘り下げていきましょう。

1 年一回の家族会議でお金と想いをオープンにする


相続の話を切り出すのは、誰にとっても勇気がいることです。

「まだ元気なのに、縁起でもない。」と敬遠されがちですが、それをタブーにするのではなく、家族の定例行事にしてしまうのが成功の秘訣となります。

ご自身の年齢や健康状態に関わらず、少しでも早く話し合いの場を設けることが推奨されます。

■ 実践のヒントと注意点

タイミングは、親の誕生日やお正月、あるいはお盆休みなど、家族が自然と集まる機会を利用するのが良いでしょう。

議題は「相続」という直接的な言葉を避け、「これからの家族のこと」や「お父さんお母さんのこれからの希望」といった、前向きなテーマから始めることをお勧めします。

親は「子供たちに迷惑をかけたくない。」、子は「親の希望を叶えたい。」という、お互いの想いを正直に伝え合う場にすることが重要です。

財産の詳細をすべて開示する必要はなく、「どの銀行に口座があるか。」「生命保険はどこに入っているか。」といった情報の共有だけでも、効果は非常に大きいです。

この会議の目的は、何かをすぐに決めることではありません。

「何でも話せる。」という安心感を、家族全員で共有することにあります。

もし、意見が食い違ったとしても、無理に結論を急ぐ必要はありません。

コミュニケーションの積み重ねが、将来のトラブルを未然に防ぐ土台となるのです。

毎年少しずつ話し合うことで、家族の絆は確実に深まっていくでしょう。

2 生前贈与はオープンにして不公平感をなくす


「長男の家の頭金だけ援助した。」

「孫の学費は次女にだけ出してあげた。」

こうした、特定の子供への内緒の援助が、後々になって深刻な不公平感を生み、相続トラブルの大きな引き金となります。

兄弟姉妹間で「自分はもらっていない。」「えこひいきされている。」という不満が蓄積すると、遺産分割協議の際にその感情が爆発してしまうケースが多いのです。

■ 実践のヒントと公平性の保ち方

特定の子供にまとまった資金援助、つまり生前贈与(せいぜんぞうよ:生きているうちに財産を無償で渡すこと)をする場合は、必ず他の兄弟姉妹にもその事実を伝え、理由を説明してください。

「なぜなら。」の一言があるだけで、他の兄弟の納得感は大きく変わります。

特定の子供だけが受けた生前贈与は、相続時に「特別受益(とくべつじゅえき)」とみなされ、遺産の前渡しとしてその子の相続分から差し引かれるのが法律の原則です。

特別受益とは、一部の相続人が生前に受けた特別な利益のことを指します。

このルールを、家族全員が理解しておく必要があります。

最も公平なのは、子供全員に同じ時期に同じ金額を贈与することです。

それが難しい場合は、なぜ差があるのかを、親自身の言葉で正直に説明する責任があると言えるでしょう。

例えば、「長男には家を買う時に援助したが、次女にはその分を現金で遺すように考えている。」といった具合に、全体としてのバランスをどう取るつもりなのかを示すことが大切です。

お金の流れを透明に保つことが、兄弟間の疑心暗鬼を防ぐ最良の方法となります。

3 トラブル予防に役立つエンディングノートを家族で作る


家族会議で話し合った内容や、親御様の想いを形として残すための、手軽で有効なツールがエンディングノートです。

エンディングノートとは、自分自身の情報や医療・介護の希望、葬儀やお墓に関する希望などを書き留めておくノートのことです。

口頭での約束は時間が経つと曖昧になりがちですが、文字として記録しておくことで、将来の誤解を防ぐことができます。

■ 実践のヒントと保管の工夫

市販のノートで十分に対応可能です。

「親に一人で書いてもらう。」のではなく、「家族みんなで一緒に作る。」というスタンスが大切になります。

親が書きにくい部分は、子供がインタビュー形式で聞き出し、代筆してあげるのも良いでしょう。

会話を楽しみながら作成することで、家族の大切な思い出の時間が生まれます。

財産や葬儀の希望といった事務的な情報だけでなく、「家族への感謝の言葉」や「人生で楽しかった思い出」といった、感情的なメッセージを記すページを設けることが、何よりの争族予防になります。

完成したら、その保管場所を家族全員で共有しておきます。

どれほど立派なノートを作っても、いざという時に見つけてもらえなければ意味がありません。

エンディングノートに法的な効力はありません。

しかし、そこに記された親の想いは、法律以上に残された家族の心を一つにする力を持っているのです。

将来、重要な決断を迫られた際に、このノートが家族を導く道しるべとなります。

定期的に内容を見直し、状況が変われば書き足していくこともお忘れなく。

相続準備は家族の絆を深めるコミュニケーション活動


相続対策と聞くと、どこか冷たく事務的な響きがあるかもしれません。

しかしその本質は、家族がお互いを思いやり、未来について語り合う、非常に温かいコミュニケーション活動です。

日頃から対話を重ねることで、いざという時の対応がスムーズになります。

では、本日の重要なポイントをまとめます。

  • 相続トラブルの根源は、財産の多少ではなくコミュニケーション不足と不公平感にある。
  • 年に一度の家族会議を習慣化し、お金と想いをオープンに話せる関係性を築くことが第一歩となる。
  • 特定の子供への資金援助は内緒にせず、オープンにすることが不公平感をなくすコツである。
  • 家族会議の内容や親の想いは、エンディングノートに記録して可視化することが有効な予防策となる。
  • これらの習慣は相続のためだけでなく、今を生きる家族の絆をより深く強くするためのものである。


ご葬儀の場で、ご遺族が「生前、父がノートに色々書き残してくれていたので、本当に助かりました。」と、穏やかな表情で話してくださることがあります。

故人が遺してくれた想いのバトンが、残された家族を支え、導いていくのです。

私たちは、そんな温かい相続の形が、一つでも多くのご家庭で実現されることを心から願っております。

相続に関する不安やお悩みがあれば、いつでも株式会社大阪セレモニーにご相談ください。

皆様が安心して未来を迎えられるよう、様々なサポートをご用意しております。

株式会社大阪セレモニー

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山田泰平
専門家

山田泰平(葬儀業)

株式会社大阪セレモニー

当社は家族葬を専門に、これまで1000件以上の葬儀をお手伝いさせて頂きました。少人数だからこそ実現できるきめ細やかなサービスと、ご遺族様の想いに寄り添った丁寧な対応を心がけています。

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