【身内が突然死】亡くなった直後から葬儀後まで、やるべきことリストと手続きの全知識

山田泰平

山田泰平

テーマ:葬儀の知識

皆様、こんにちは。
株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。

昨日まで、当たり前のように隣で笑っていた大切な家族が、ある日突然、帰らぬ人となってしまう…。

交通事故や不慮の事故、あるいは突然の病による「突然死」は、残されたご家族にとって、心の準備をする時間さえ与えられない、最も過酷な別れの形の一つと言えるでしょう。

深い悲しみと、現実を受け入れられない混乱の中で、それでもご遺族には、待ったなしで様々な手続きや判断が次々と押し寄せてきます。

「何から手をつければいいのか」「誰に連絡すればいいのか」「何を決めなければならないのか」

その一つひとつが、途方に暮れるご遺族の心を、さらに重く圧し潰していくのです。

今回は、そんな万が一の時に、あなたが少しでも冷静に、そして後悔なく故人様をお見送りできるよう、「大切な人の突然死」をテーマに、危篤状態から葬儀後の手続きまで、やるべきこととその注意点を、時系列に沿って徹底的に解説していきましょう。

【結論】突然死でパニックになったら、まず“葬儀社”へ。一人で抱え込まない

愛する人を突然失った時、冷静でいられる人など、どこにもいません。そんな極限状態の中で、ご遺族がやるべきことは、実はたった一つです。

それは、信頼できる葬儀社へ、できるだけ早く電話をすること。

24時間365日対応してくれる葬儀社は、単に葬儀を執り行うだけの会社ではありません。

  1. ご遺体の搬送・安置という、喫緊の課題にすぐ対応してくれる。
  2. 死亡届の提出から火葬場の予約まで、煩雑な手続きを代行してくれる。
  3. これから何を、どの順番で決めていけば良いのか、その道筋を明確に示してくれる。

といった、ご遺族の悲しみに寄り添い、あらゆる実務をサポートする、最も頼りになる“伴走者”なのです。

突然の悲劇に直面した時、最もやってはいけないのが、すべてを一人で、あるいはご家族だけで抱え込んでしまうことです。

分からないことは、すべてプロに尋ねる。

これが、混乱を最小限に抑え、故人様とのお別れに集中するための、唯一にして最善の策と言えるでしょう。

1.【逝去直後】危篤・臨終からご遺体安置までの初動対応

ご逝去が確認された瞬間から、ご遺族の慌ただしい時間が始まります。


■ 医師による死亡確認と「死亡診断書」の受け取り

まず、法的に「死亡」を確定させる手続きが必要です。

  • 病院で亡くなった場合:担当医が死亡を確認し、「死亡診断書」を作成します。これが、後のあらゆる手続きの起点となる、最も重要な書類です。
  • 自宅で亡くなった場合:まずは、かかりつけ医に連絡します。かかりつけ医が死亡を確認できれば、死亡診断書が作成されます。しかし、かかりつけ医がいない、あるいは死因に不審な点がある場合は、必ず警察に連絡しなければなりません。
  • 警察が介入する場合(異状死):自宅での突然死や、事故死、自殺などの場合は「異状死」として扱われ、警察による検視・検案が行われます。この場合、医師が作成する「死体検案書」が、死亡診断書の代わりとなります。事件性の有無を調べるため、ご遺体が警察署へ搬送されることもありますが、慌てず、警察の指示に従ってください。


■ 近親者への連絡

まずは、三親等内くらいまでの、ごく近しいご親族へ連絡を入れましょう。

深夜や早朝であっても、危篤・臨終の連絡はためらう必要はありません。

葬儀の日程などは、まだ決まっていない段階ですので、決まり次第、改めて連絡する旨を伝えれば十分です。


■ 葬儀社への連絡と、ご遺体の搬送・安置

死亡診断書(または死体検案書)が発行されたら、いよいよ葬儀社へ連絡します。

病院の霊安室は、長時間ご遺体を安置しておく場所ではありません。速やかに、次の安置場所へご遺体を移す必要があります。

  • 安置場所の選択:ご自宅に安置できるスペースがあれば、ご自宅で最後の時間を過ごすこともできます。しかし、近年では葬儀社の専用安置施設を利用される方が増えています。温度管理などが徹底されており、最も安心できる選択肢と言えるでしょう。
  • 葬儀社選びのポイント:病院から紹介される葬儀社に、必ずしも依頼する必要はありません。もし事前に決めていなければ、「24時間対応か」「安置施設は完備されているか」「口コミの評判は良いか」などを基準に、インターネットなどで2~3社比較検討する冷静さも必要かもしれません。


2.【葬儀準備】葬儀社との打ち合わせと役所手続き

ご遺体の安置が終わると、葬儀社と具体的な打ち合わせに入ります。

悲しみの中で多くのことを決めなければなりませんが、ここでの決定が、お見送りの形をすべて決めます。


■ 葬儀社との打ち合わせで決めること

  • 喪主の決定:葬儀の主催者となる喪主を決めます。
  • 宗教形式の確認:仏式、神式、キリスト教式、あるいは無宗教か。菩提寺がある場合は、まずそのお寺に連絡を取る必要があります。
  • 葬儀の形式と規模:親族中心の「家族葬」か、広く告知する「一般葬」か。おおよその参列者数を予測します。
  • 日程と場所:僧侶の都合や、火葬場の空き状況を確認しながら、通夜・告別式の日程と、式場の場所を決定します。
  • 費用の見積り:最も重要な項目です。「葬儀本体費用」「飲食接待費用」「寺院費用」など、費用の内訳が詳細に記載された見積書を必ずもらいましょう。「どこまでがプランに含まれ、何が追加料金になるのか」を、納得いくまで確認することが、後のトラブルを防ぎます。


■ 役所手続きと、火葬場の予約

  1. 死亡届の提出:死亡の事実を知った日から7日以内に、死亡診断書(死体検案書)を添えて、市区町村役場に提出します。この手続きは、多くの場合、葬儀社が代行してくれます。
  2. 火葬許可証の交付:死亡届が受理されると、「火葬許可証」が交付されます。これがなければ、絶対に火葬はできません。
  3. 火葬場の予約:火葬許可証が手に入ったら、火葬場を予約します。都市部では火葬場が混み合っており、1週間以上の「葬儀待ち」が発生することも珍しくありません。


■ 関係者への訃報連絡
葬儀の日程が確定したら、親族、友人、会社関係者などへ、正式な訃報の連絡を入れます。

3.【葬儀当日】通夜・告別式の流れ

準備が整い、いよいよ故人様とのお別れの儀式です。

  • 通夜:現在では、夕刻から2時間程度の「半通夜」が一般的で、僧侶の読経や焼香の後、「通夜振る舞い」の席で、参列者が故人を偲びます。
  • 告別式:故人との最後のお別れをする、中心的な儀式です。読経、弔辞・弔電の奉読、焼香などが行われます。
  • 出棺・火葬・収骨:告別式の後、近親者で棺に花を手向ける「お花入れの儀」を行い、出棺となります。火葬場で最後のお別れをし、火葬には1~2時間程度かかります。その後、ご遺骨を骨壺に納める「収骨(お骨上げ)」を行います。


4.【葬儀後】忌明け後から始まる、相続などの各種手続き

葬儀が終わっても、ご遺族のやるべきことは、まだ山のように残っています。

  1. 香典返し:いただいた香典に対するお返しです。忌明けとなる四十九日後に送るのが一般的ですが、最近では葬儀当日にお渡しする「即日返し」も増えています。
  2. 法要の準備:初七日、四十九日、一周忌などの法要の準備を進めます。
  3. 各種行政・金融手続き:年金・保険の資格喪失手続き、銀行口座の解約、クレジットカードの解-約、不動産や自動車の名義変更、そして最も複雑な「遺産相続」の手続きが始まります。相続放棄の期限は「3ヶ月」など、期限が定められている手続きも多いため、必要に応じて、司法書士や税理士といった専門家の助けを借りることも、賢明な判断と言えるでしょう。


【まとめ】突然の悲劇に、一人で立ち向かわないで

大切な人を突然失うという経験は、人の心と体を、容赦なく蝕みます。そんな極限状態で、これら全ての手続きを、完璧に、そして冷静にこなすことなど、誰にもできるはずがありません。

では、本日の重要なポイントをまとめます。

  • 突然死でパニックになったら、まず最初に行うべきは、24時間対応の信頼できる葬儀社への連絡。
  • 死亡診断書(死体検案書)は、すべての手続きの起点となる最重要書類。警察が介入する場合もあるが、冷静に指示に従う。
  • 葬儀の打ち合わせでは、特に費用面について、追加料金の有無など、納得がいくまで確認することが、後のトラブルを防ぐ。
  • 葬儀が終わった後にも、相続や年金など、期限のある重要な手続きが数多く残っていることを、心に留めておく。
  • 最も大切なのは、一人で、あるいは家族だけで、全ての悲しみと実務を抱え込まないこと。プロの力を借りる勇気を持つこと。


突然の別れは、故人様にとっても、きっと心残りがあったことでしょう。

だからこそ、残された私たちは、無用な混乱や後悔に苛まれることなく、穏やかな心で故人様を偲び、その最後の旅路を、心を込めてお見送りしてあげるべきではないでしょうか。

私たち葬儀社は、そんなご遺族の悲しみに深く寄り添い、行くべき道を照らす灯火となることこそが、最も尊い使命だと信じています。

株式会社大阪セレモニー

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山田泰平
専門家

山田泰平(葬儀)

株式会社大阪セレモニー

当社は家族葬を専門に、これまで1000件以上の葬儀をお手伝いさせて頂きました。少人数だからこそ実現できるきめ細やかなサービスと、ご遺族様の想いに寄り添った丁寧な対応を心がけています。

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