【2025年最新版】遺品整理の費用相場と、悪質業者に騙されないための全知識
皆様、こんにちは。
株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。
ご家族が亡くなられた後、深い悲しみの中で、本当に多くの手続きに追われます。
その中で、「つい後回しにしてしまった」ことで、後に大きなトラブルに発展するのが「年金の受給停止手続き」です。
「故人の口座に振り込まれた年金だから、葬儀費用にあてても問題ないだろう」
「役所に死亡届を出したのだから、年金も自動で止まるはずだ」
実は、この安易な考えが、意図せずして「不正受給」とみなされ、ご遺族が返還命令や、最悪の場合、刑事罰という深刻な事態に巻き込まれる悲劇を招くことがあるのです。
そこで今回は、すべての相続人が知っておくべき「死亡後の年金手続き」をテーマに、
- なぜ、死亡後の年金受給が「不正受給」になるのか?
- 手続き漏れが招く「返還命令」と「詐欺罪」という2大リスク
- 提出必須の「年金受給権者死亡届」とは?
- ご遺族が正当に受け取れる「未支給年金」と「遺族年金」
などを、どこよりも分かりやすく、そして丁寧にご説明します。
【結論】死亡後の年金受給は“悪意なき不正受給”。速やかな手続きが家族を守る唯一の方法です
年金を受け取る権利は、受給者ご本人が亡くなられた時点で完全に消滅します。
したがって、死亡日以降に故人の口座へ振り込まれた年金は、法律上、1円たりとも受け取る権利のないお金です。
これを引き出して生活費や葬儀費用に充てると、悪意の有無にかかわらず「不正受給」と判断されてしまいます。
不正受給とみなされた場合、
- 受け取った年金の「全額返還」を命じられる(延滞金が加算される場合も)。
- 故意に死亡を隠していた場合は「詐欺罪」として刑事罰に問われる可能性もある。
といった、極めて重いペナルティが科せられます。
このような悲劇を避け、ご家族を守るためには、速やかに「年金受給権者死亡届」を提出し、受給を停止する手続きを行うことが、ご遺族に課せられた法的な義務であり、責任なのです。
1. 「死亡届を出したのに…」なぜ年金は止まらないのか?
「役所に死亡届を提出すれば、年金事務所にも情報が共有されるはずでは?」
多くの方が、そう思われています。確かに、日本年金機構は住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)を通じて死亡情報を確認しています。
しかし、ここに「タイムラグ」という落とし穴があります。
年金の支払いは、偶数月の15日に「前月までの2ヶ月分」が後払いで振り込まれる仕組みです。
機構が死亡の事実をデータとして反映する前に、次回の年金支払いの準備が進んでしまうため、結果として死亡後も1~2回(2~4ヶ月分)の年金が口座に振り込まれ続けてしまうのです。
このタイムラグによって振り込まれた年金を「故人がもらうはずだった最後のお金だ」と勘違いし、使ってしまうケースが、トラブルの大きな原因[/背景色]となっています。
2. 手続きの放置が招く悲劇…「全額返還」と「詐欺罪」の重いリスク
手続きを怠った場合に何が起こるのか、具体的に見ていきましょう。
■ リスク①:年金の全額返還命令
後日、日本年金機構からご遺族宛に「年金の過払いについて」といった通知が届き、不正に受給した年金の全額返還を求められます。
多くの場合、一括での返還を求められるため、すでにお金を使ってしまっていた場合、ご遺族の生活に大きな経済的打撃を与えます。
返還が遅れれば、延滞金が加算されることもあります。
■ リスク②:刑事罰(詐欺罪)の可能性
[背景黄色]もし、故意に死亡の事実を隠し、不正に年金を受け取り続けた場合は、極めて悪質な行為とみなされ「詐欺罪」に問われます。
実際に、親の死亡を届け出ずに年金を受け取り続け、逮捕されたというニュースは後を絶ちません。
詐欺罪は「10年以下の懲役」が定められている非常に重い犯罪です。
3. 遺族がすべき手続きの全手順|“止める手続き”と“もらう手続き”
死亡後の年金手続きは、リスクを回避する「止める手続き」と、ご遺族が正当に受け取れるお金を受け取る「もらう手続き」の2つに大別されます。
【必ず行う“止める手続き”】:
- 手続き名:年金受給権者死亡届(報告書)の提出
- 提出先:最寄りの年金事務所または街角の年金相談センター
- 提出期限:国民年金は死亡日から14日以内、厚生年金は10日以内と非常に短い。
- 注意点:マイナンバーが日本年金機構に登録済の場合、この届出は原則不要とされています。しかし、下記「もらう手続き」が別途必要になるケースが多いため、いずれにせよ、まずは年金事務所へ電話で連絡し、状況を説明するのが最も確実です。
【遺族が対象なら行う“もらう手続き”】:
- 未支給年金の請求:故人が受け取るはずだったが、亡くなったために受け取れなかった年金(例:4月15日に亡くなった場合の、2月・3月分の年金)です。生計を同じくしていた遺族が請求できます。これは、故人の口座に振り込まれた「死亡後の年金」とは全くの別物です。
- 遺族年金の請求:故人によって生計を維持されていた遺族の、その後の生活を支えるための大切な制度です。「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があり、受給には一定の条件があるため、ご自身が対象となるか年金事務所への確認が必要です。
これらの「正当に受け取れるお金」を知らずに損をしないためにも、年金事務所での手続きは不可欠なのです。
【まとめ】年金手続きは迅速に。まず「年金証書」を探し、電話相談から
故人の死後に振り込まれた年金は、決して「最後にもらえた遺産」ではありません。
それは、速やかに国へ返さなければならない、いわば「預かり金」です。この認識の違いが、後の大きな悲劇につながります。
では、本日の重要なポイントをまとめます。
- 死亡後に故人の口座へ振り込まれた年金を使ってしまうと「不正受給」となり、全額返還の義務が生じる。
- 故意に死亡を隠して受給を続けると「詐欺罪」に問われ、逮捕されるという最悪のケースも。
- まずは「年金受給権者死亡届」の提出(または年金事務所への連絡)を、定められた期限内に必ず行う。
- 手続きの際には、ご自身が「未支給年金」や「遺族年金」を受け取れる対象でないか、必ず確認することが生活防衛につながる。
- 手続きで分からないことがあれば、一人で判断せず、まずは年金事務所や、必要に応じて社会保険労務士などの専門家に相談する。
ご葬儀後の慌ただしい中で、複雑に思える年金手続きは、つい後回しにしたくなるお気持ちは痛いほど分かります。
しかし、知らなかったでは済まされない事態を避けるためにも、まずは故人の「年金証書」を探し、年金事務所へ一本お電話を入れてみてください。
それが、ご遺族の未来を守るための、最も確実な第一歩となるはずです。
株式会社大阪セレモニー



