「亡くなった家族のクレジットカード、どうすればいい?解約?ポイントは?」

山田泰平

山田泰平

テーマ:相続関係

皆様、こんにちは。
株式会社大阪セレモニー代表の山田泰平です。

現代社会において、クレジットカードは私たちの生活に欠かせない支払い手段の一つです。

故人様が生前に利用されていたクレジットカードが、亡くなった後、どのように扱われるのか、ご遺族としては気になるところではないでしょうか。

「故人のクレジットカードって、そのままにしておいても大丈夫?」

「まだ支払いが終わっていない利用分はどうなるの?誰が払うの?」

「貯まっていたポイントとかマイルって、無駄になっちゃうのかな?」

このように、故人のクレジットカードに関しては、解約の手続き、未払い金の処理、年会費、そして貯まっていたポイントの扱いなど、様々な疑問や不安が生じることと思います。

万が一放置しておくと、思わぬ請求がきたり、不正利用のリスクに晒されたりする可能性もあります。

そこで今回は、この「故人のクレジットカードの相続後の手続き」について、

  • 放置することのリスク
  • まず行うべきこと(カードの特定と利用停止)
  • クレジットカードの解約手続きの流れと必要書類
  • 未払い利用料金の支払い義務は誰にある?
  • 年会費の扱いはどうなる?
  • 貯まっていたポイントやマイルの相続は可能か?
  • 家族カードの扱いは?

などを、分かりやすく解説していきます。

【結論】故人のクレジットカードは速やかにカード会社へ連絡し解約を。未払い金は相続財産、ポイント等は原則失効

故人様が所有していたクレジットカードは、亡くなったことが判明したらできるだけ速やかにカード会社に連絡し、「解約」の手続きを行う必要があります。

故人名義のカードは、本人の死亡をもって利用できなくなるのが原則であり、家族であっても使用し続けることはできません。

解約手続きを怠ると、

  • 不正利用のリスク
  • 年会費の継続的な請求
  • リボ払いや分割払いの残債の把握漏れ

といった問題が生じる可能性があります。

クレジットカードの未払い利用料金やキャッシング残高は、故人の「マイナスの財産(債務)」として、原則として相続人が引き継ぐことになります。

一方、貯まっていたポイントやマイルは、多くの場合、故人の死亡と共に失効し、相続の対象とはなりません(カード会社の規約によります)。

”年会費”については、既に支払済みのものは返還されないことが多いですが、今後の請求は解約によって止まります。

故人が本会員だった場合の家族カードも、原則として利用できなくなります。

手続きとしては、まず故人がどのカード会社のクレジットカードを持っていたかを特定し、各カード会社に電話などで連絡して、死亡の事実と解約の意思を伝え、指示に従って解約届や必要書類を提出するという流れになります。

1. なぜ故人のクレジットカードの手続きが重要なのか? 放置するリスク

故人名義のクレジットカードを放置しておくと、以下のようなリスクや不利益が生じます。

不正利用のリスク:カード情報が何らかの形で第三者に渡り、不正に利用されてしまう可能性があります。

年会費の継続請求:年会費無料のカードでなければ、毎年年会費が故人の口座などから引き落とされ続ける可能性があります。

未払い残高の把握遅延:リボ払いや分割払い、キャッシングなどの残高がある場合、その把握が遅れ、利息や遅延損害金が増えてしまう可能性があります。

相続財産の確定の妨げ:未払いの債務額が確定しないと、正確な相続財産を把握できず、遺産分割協議や相続放棄の判断に影響が出ることがあります。

家族カードの利用停止遅延:故人が本会員の家族カードを、知らずに使い続けてしまうと、後で問題になる可能性があります。

2. まず行うべきこと:カードの特定と利用状況の確認

手続きの第一歩は、故人がどのカード会社のクレジットカードを、何枚所有していたかを特定することです。

遺品の中から探す:財布の中、カードケース、机の引き出し、重要書類の保管場所などを確認し、クレジットカードそのものを探します。

郵便物を確認する:カード会社からの利用明細書、請求書、契約更新の案内などが届いていないか確認します。

預貯金通帳や銀行口座の取引履歴を確認する:カードの利用代金や年会費が引き落とされている履歴がないか確認します。

故人のメールやオンラインアカウントを確認する:ウェブ明細を利用していた場合、メールやオンラインの利用履歴からカード会社を特定できることがあります。



カードが見つかったら、カードの表面や裏面に記載されているカード会社名と連絡先を確認します。

また可能であれば、直近の利用明細などで、未払いの残高や継続的な支払い(サブスクリプションサービスなど)がないかを確認しておくと、後の手続きがスムーズです。

3. クレジットカードの解約手続きの流れと必要書類


【STEP1】カード会社への連絡
特定できた各カード会社のお客様センターや紛失・盗難窓口などに電話で連絡し、契約者が死亡したこと、カードを解約したい旨を伝えます。

この際、カード番号、故人の氏名、生年月日、死亡年月日、連絡者(相続人)の氏名、故人との続柄、連絡先などを伝える必要があります。


【STEP2】必要書類の確認と取り寄せ
カード会社から、解約手続きに必要な書類や、手続きの詳細について案内があります。

通常、「契約者死亡による解約届」といった専用の書類が送られてきます。


【STEP3】必要書類の準備・提出
一般的に、以下のような書類が必要になります。(カード会社によって異なります)

  1. カード会社所定の解約届
  2. 故人の死亡が確認できる書類(死亡診断書のコピー、除籍謄本など)
  3. 手続きを行う相続人の本人確認書類(運転免許証のコピーなど)
  4. 故人と相続人の続柄が分かる書類(戸籍謄本など)
  5. クレジットカードそのもの(ハサミで切断して同封するよう指示されることが多い)

これらの書類を揃え、カード会社に郵送などで提出します。


【STEP4】解約完了の確認
手続きが完了すると、カード会社から解約完了の通知が送られてくる場合があります。

4. 未払い利用料金の支払い義務は誰にある?

故人が亡くなる前にクレジットカードを利用して購入した商品やサービスの代金、あるいはキャッシングの残高など、未払いの利用料金は、故人の「マイナスの財産(債務)」として、原則として”法定相続人が相続し、支払う義務”を負います。

支払い方法:通常、故人の預貯金口座から引き落とされている場合は、口座が凍結されると引き落としができなくなるため、カード会社から別途、相続人宛に請求書が送られてくるか、支払い方法について指示があります。

相続放棄をする場合:もし故人に多額の借金があり、相続放棄をする場合は、このクレジットカードの未払い金も支払う義務がなくなります。ただし、相続放棄をする前に、故人の財産から支払ってしまうと、単純承認とみなされるリスクがあるため注意が必要です。

分割払いやリボ払い:これらの残債も同様に相続の対象となります。一括での支払いを求められるか、分割払いを継続できるかは、カード会社との契約や交渉によります。

5. 年会費の扱いはどうなる?

既に支払済みの年会費:多くの場合、死亡による解約であっても、既に支払われた年会費の月割りでの返金などは行われません。

今後の年会費:解約手続きをすれば、それ以降の年会費は請求されなくなります。手続きが遅れると、翌年度以降の年会費が自動的に引き落とされてしまう可能性があるので、早めの解約が重要です。

6. 貯まっていたポイントやマイルの相続は可能か?

クレジットカードの利用で貯まっていたポイントや航空会社のマイルなどは、残念ながら、多くの場合、会員本人の死亡と共に失効し、相続の対象とはなりません。

これは、各カード会社や航空会社の会員規約でそのように定められていることがほとんどです。

規約によっては、ごく一部、家族カード会員へのポイント移行などが認められるケースもあるかもしれませんが、基本的には期待しない方が良いでしょう。

ダメ元でカード会社に確認してみる価値はあるかもしれませんが、あまり固執しない方が賢明です。

7. 家族カードの扱いは?

故人が本会員で、その家族カードをご遺族が利用していた場合、本会員の死亡・解約に伴い、家族カードも原則として利用できなくなります。

引き続きクレジットカードが必要な場合は、ご自身で新たに本会員として申し込む必要があります。

知らずに使い続けてしまうと、後でカード会社との間でトラブルになる可能性があるので注意しましょう。

8. 解約手続きの際の注意点

複数のカード会社に連絡:故人が複数のクレジットカードを持っていた場合は、それぞれのカード会社に個別に連絡し、解約手続きを行う必要があります。

引き落とし口座の確認:カード利用代金の引き落とし口座が故人名義の場合、口座凍結に注意が必要です。公共料金などの継続的な支払いがそのカードで行われていた場合は、支払い方法の変更も急ぎましょう。

ETCカード:クレジットカードに付帯しているETCカードも、本カードの解約と共に使えなくなります。

解約証明書:必要な場合は、カード会社に解約証明書の発行を依頼できるか確認しましょう。

【まとめ】故人のクレジットカードは速やかに解約を。未払い金は相続対象、ポイントは原則失効

故人様が愛用していたクレジットカードも、亡くなられた後は適切に処理する必要があります。

放置すると、不正利用のリスクや不要な年会費の支払いなど、様々な問題が生じかねません。

  • まずは故人がどのカード会社のカードを持っていたかを特定する。
  • 速やかに各カード会社に連絡し、死亡の事実を伝え、解約手続きを行う。
  • 未払いの利用料金は相続人が支払う義務がある(相続放棄の場合は除く)。
  • 年会費は、今後の請求は止まるが、既払い分は返金されないことが多い。
  • ポイントやマイルは、原則として失効する。
  • 家族カードも使えなくなる。

これらの手続きは、時に煩雑に感じるかもしれませんが、一つひとつ確実に行うことが、後のトラブルを防ぎ、ご遺族の負担を軽減することに繋がります。

カード会社に連絡すれば、担当者が丁寧に手続きを案内してくれますので、まずは電話をしてみることから始めましょう。

「亡くなった家族の銀行口座、解約・払い戻しはどうすればいい?

株式会社大阪セレモニー

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山田泰平
専門家

山田泰平(葬儀)

株式会社大阪セレモニー

当社は家族葬を専門に、これまで1000件以上の葬儀をお手伝いさせて頂きました。少人数だからこそ実現できるきめ細やかなサービスと、ご遺族様の想いに寄り添った丁寧な対応を心がけています。

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