喪主の挨拶の負担を減らす"家族葬"という選択肢
最近は、ほとんどのお葬儀が”家族葬”になってきました。
なぜ家族葬を希望する喪主様が多いのか…
それは、”これまでお葬儀にお金をかけすぎていた”という理由があるからかもしれません。
一昔前のお葬儀は、沢山の会葬者が参列して、お寺さんが何人お経をあげるのかが、故人や家族の社会的地位を表していました。
しかし、現在では地域の慣習を意識するのではなく、親族や故人の生前の意思によってどのようなお葬儀をするのか決めるようになってきたのです。
その実情を表しているのが下記の表です。
平均金額
2003年 236万円
2007年 231万円
2010年 199万9000円
2014年 188万9000円
※一般財団法人日本消費者協会「葬儀についてのアンケート調査」より
2003年には平均236万円だったお葬儀の費用が、2007年231万円、2010年199万9000円、2014年188万9000円と低下してます。
祭壇の大きさは式場の大きさ?
お葬儀の規模が小さくなるにつれて総費用が下がっていくのは、祭壇も小さくなっているからです。
家族葬は、小さな式場で家族だけで故人を見送る葬儀です。
葬儀は祭壇の設計に大きな費用がかかるのですが、式場が小さくなると祭壇も小さくなり、結果として総費用も下がってきます。
沢山の人に、祭壇をより大きく立派に見せる必要がないので、家族が納得できる祭壇でいいのです。
広い式場で小さな祭壇を飾るとより小さく感じるのですが。家族葬専用ホールに小さな祭壇を飾るとちょうどいい大きさになります。
家族葬専用ホールのイメージ
式場から考える親族の数
家族葬ホールを選ぶことは、会葬者を限定することにつながります。
当然、親族の呼ぶ人数によって、通夜やお葬儀に用意する料理の数も変わってきます。
人数が少なくかつ家族だけのお葬儀の場合、式場で通夜食を用意するのではなく、外に食べに行かれる方もいます。
通夜、葬儀での食事の金額は、通夜の時にお寿司を用意して、お葬儀に精進揚げの食事を用意すると、おおよそ一人当たり6,000円程度でしょうか。
親族が来られる場合、みなさん御香典を用意してくるので、ある程度の食事は用意しておいた方がいいですね。
最近では高齢化も進み、故人の兄弟も高齢で連絡をしても来れなかったり、家族が遠慮をして声をかけなかったりもします。
親族が少なくなると、食事にかける費用も小さくなるのです。
家族葬の参列者の範囲はどこまで?明確にしないとトラブルの元
近所の人や、会社関係、友達関係の会葬をどうするか
ある程度の人数が来られるお葬儀の場合、準備をしなければならないのが、受付と粗供養品です。
受付は友人や同僚の人にお願いし、通夜や葬儀の会式一時間前に来てもらいます。
そして、受付で弔問に来られた方に記帳をしてもらいます。
通夜、葬儀が終われば、受付をしてくれた方に用意した食事をしてもらうか、お弁当を持って帰ってもらいます。
粗供養品はお葬儀に行った時によくもらうタオルやお茶のこと。
金額は大体1つ500円で、もし通夜とお葬儀で述べ100人来られたら、総額は50,000円となります。
これらの理由から、人数が少ない家族葬では、一般のお葬儀より金額が抑えられるのです。
しかし、中には金額が変わらない項目もあります。
・お棺
・ドライアイス
・火葬手続き
・お寺さんの読経料
・出棺に使う霊柩車
などでしょうか。
つまり、家族葬は来る人数が少ない分金額が安くなるということです。
これから少子高齢化が進むので亡くなる方は増えます。
一方で、次の世代の人口が減れば、お葬儀を負担する人のウエイトが大きくなってきます。
今は10年ほど前に出きた家族葬を活用する遺族が一番多いと思いますが、また時代に合った形のお葬儀が出てくるかもしれません。