寒に打ち勝った野菜
昨日は明治の森霊園で「蓑蟲」を見つけました。
蓑虫が激減しているという話を聞きますが 頑張ってる蓑蟲との出会いでした。
事務所の横の木をふと見ると
桜かな? 枝垂れた木の枝に電車の吊革のような感じで薄糸で編んだ紐にぶら下がっていました。
そう言えば最近蓑蟲を見ないなあ~と思っていたのです。
蓑蟲はミノガ科の幼虫で一般的にはオオミノガの幼虫を指すそうなんですが
幼虫が作る巣が藁で作った雨具「簑」に形が似ているため「ミノムシ」と呼ばれるようになったそうです。
近年は「オオミノガヤドリバエ」と言う大陸産のハエの侵入で外国からやって来たこのハエがミノムシを食べ尽くしているとか。
このミノムシはそんな危険を感じる素振りもなく蓑を着て頑張ってぶら下がっていました。
ミノムシはいわゆる「イモムシ」なんですが簑をかぶっているから割りと世間からは嫌われてなくて
マスコット的存在なんですよね。蓑蟲もそこは知ってるのかもしれません。
でも暫く眺めているうちに・・・・「蓑蟲ってちょっと孤独だなあぁ~って」感じてしまいました。
高浜虚子の句の中に
「蓑蟲の父よと鳴きて母もなし」という句があるのですが
これは蓑蟲の哀れとも言える生態が関係しているのでしょうか?
雌は母となれども一度も簑から出ることはなく1000個の卵を産み生み終わると死んで行くのだそうです。
子供の頃に蓑蟲の簑を少し切って何が入っているのか見たことが何度か有りました。
知らず知らず・・・・とはいえ可哀想なことをしたと思います。
人間に生まれた私達・・・・色々な苦労はあっても蓑蟲より随分幸せな人生を体験していますよね。