会社にとって売上よりも大切なこと
オウンドメディア(自分たちが持てるメディア)やソーシャルメディアが浸透し、個人の発信力と影響力が高まっている。また、ウェブ上での印象がその人や会社の印象を決めている。「戦う前に負けている」ことに気づかずいる会社が多いのも事実である。つまり、その逆に戦う前に勝つこともできるのだ。
テーマ①「第ゼロ印象を活かそう」
B2Bのなかで、ホームページからの問合せで初対面にも関わらず、商談のために訪問するとほぼ契約することが決まっていた。
・・・という経験をされた方も多いかもしれない。
実際、こういうケースは多く、発注者側の人に聞くと「8割程度契約することを決めてから商談に臨むことも多い」という方もいる。いい面と悪い面があるかもしれないが、それだけ情報収集が容易になっていると言えるだろう。もちろん、特殊な案件や難易度がとても高い場合、また、逆に、できる会社があまりにも多い場合など、あてはまらないこともあるだろう。
「紹介だけで十分やっているのでホームページはいらない」という方もいるが、協力依頼や発注する側のことを考えれば最低限の情報発信は必要となる。タイトルに戻ると「初対面で会うときの第一印象が大切である」というのは誰もが思っていることである。しかし、実際には、芸能人や有名人などの場合、ほとんどの人と会ったことはないが、それぞれの印象を勝手に持っている。
メラビアンの法則(視覚55:聴覚38:言語7)でも出会って数秒以内に印象が決まるというが、それ以前に決まっているのである。
これは第一印象の前、すなわち第ゼロ印象といえる。
こうしたことが、一般の会社や個人にも起こっているのが現在である。そう聞くと、情報を発信するのが怖く感じて、なにも発信しないほうが安全だと考える人もいる。しかし、なにも情報を発信していない人は「情報がない人」となり、事業という点では負の印象になる可能性もある。
自身が意図するしないに関わらず、勝手な第ゼロ印象を持たれているのである。
テーマ②「注目されるアドボカシーマーケティング」
マーケティングの神様ともいわれるフィリップ・コトラー教授が2017年に発刊した著書「コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則」のなかで提唱した5A理論のなかにあるアドボカシーが注目されている。
コトラー教授は、スマートフォンとソーシャルメディアの発達によって、オンライン上での個と個のつながりが深まり「接続性の時代」になったとしている。デジタル化によって買い方(カスタマージャーニー)は大きく変わったが、特に、推奨する力を獲得し、さらに、伝統的なマーケティングとデジタルマーケティングを統合していくとしている。
要するに、従来より顧客は買うときと使うときの二度評価すると言われていたが、二度目の評価における推奨する力が増したということである。
たとえば、ある飲食店で食事をした場合、従来であれば、その食事について美味しかったなどの評価をして満足して終わることが通常であった。しかし、現在は、その食事に対する評価をソーシャルメディアを通じて発信することはごく普通のこととなっている。さらには、拡散(推奨)することを目的として店舗に訪れることも当たり前になっている。
こうした推奨力を手にした個人は、一つのメディアとしての影響力を持つようになっている。
アドボカシーとは「推奨」を意味する。
今後は、B2Cの分野だけでなく、あらゆる分野にある会社や商品が「推奨」の影響を受けることになる。
こうした現状に備え、さらに効果的に活用していくには「アドボカシー(推奨)」を重視したマーケティング戦略の検討が必要になっていく。
※Wikipediaより
フィリップ・コトラー(Philip Kotler、1931年5月27日 - )は、アメリカ合衆国の経営学者(マーケティング論)。学位はPh.D.(マサチューセッツ工科大学)。ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院SCジョンソン特別教授。
テーマ③「10代、20代がTwitterを使う理由」
代表的なSNSとしてLINE、Facebook、Instagram、Twitterがある。10~20代はFacebookを使わず、逆に40~50代はTwitterユーザーは少ない。これまでは社会人になると、Facebookを始めるという流れが出てきたが、最近はその流れも疑わしい。
その理由は、若者の間で、Facebookは個人情報を取りすぎるという恐怖感が高まっているからだ。また、Facebook傘下のメッセンジャーの「オンライン中」「◯分前にオンライン」というアクセス記録を表示する機能が「今、オンライン中なのに、なぜ既読にならないのか?」と思われないかという不安につながる。昨今のデータやサーバートラブルなどのニュースも影響を及ぼしているようだ。ただ、日本では実質匿名になっているTwitterやニックネームでわかりづらいLINEは社会人にとっては分かりづらさもあり、Facebook(メッセンジャー)も外しづらいという現状もある。
Twitterを使う理由は、シンプルに「Twitterのほうが自分の興味関心の高い情報を収集しやすい」からだ。ハッシュタグや特定のアカウントをフォローするだけで自分が知りたい情報が集まる。こんなに楽なことはない。
Googleでわざわざ文字を入力して検索しなくても、Twitter側から教えてくれる。Facebookもイベント情報などについてはマメに教えてくれるので助かる。もちろん、災害情報なども役には立つが、若者はそこでは困らない。そうした情報がどうすれば入手できるかを熟知している。
Twitterはテレビでは得られないニッチで最新の情報を教えてくれる。さらに、スキマ時間に、新たな気づき、面白いユニークなネタなども得られる。そして、FacebookやLINEでつながっている関係とは全く異なるつながりがある。
それがTwitterを使う理由である。
テーマ④「スマホで楽しめるプロスポーツ」
日本で人気のプロスポーツといえば、プロ野球とサッカーである。
スマートフォンをフル活用してファンを獲得し、その次の座を狙っているプロスポーツが「バスケットボール」である。
八村塁のNBA入りでようやく注目されそうな勢いになってきた。
バスケットボールは世界ではもっとも人気のあるスポーツの一つで、そのポテンシャルは非常に高い。若者を中心にターゲットを絞り、スマートフォンでのビジネスモデルを構築した。
プロスポーツにおける主な収入には、チケット販売、試合放映権、スポンサー収入、グッズ販売の4つがある。
チケットを販売会社に委託し、地上波や有料放送で試合を放映、広告代理店を通じてスポンサーを募集、グッズを会場で販売するというのが従来型の考えである。
これらをすべてスマートフォン中心に考える。アプリ活用による利便性だけでなく、データベースを有効に活用することで顧客のニーズをより的確に把握することも可能になる。ファンにとってもいつでもどこでも楽しめるようになるしくみを実現した。ユーザーは、チケットの購入、試合の観戦、グッズの購入をすべてスマートフォンで行うことができる。試合観戦時に、選手の成績などの情報を見ることもでき、楽しみ方も多様になる。
1万人の試合観戦のなかで7000人がアプリをダウンロードするほど関心が高い。データを統合的に扱うことにより相乗効果は高い。顧客行動からニーズがはっきり見え、スピーディに対応できる。選手からの情報配信も加われば、ファンの関与度はより高まることになる。
スマートフォンだけでどこまでできるかを考えると新たな切り口が見えてくるかもしれない。