立場の違いから生じる誤解を取り除き、「5S」活動を徹底すれば製造現場はもっと良くなる（2/3）

大手飲料メーカーの製造現場と、新規工場の立ち上げを経験したことが強み

　コンサルタントとして、数多くの下請け業者のもとに赴いてきた青木さん。まるで「鎖国」でもしているかのような作業所に出くわし、20年前にタイムスリップしたような感覚に陥ることもあるそうです。

　「使っている機械もシステムも昔のままなんですね。改善に際しては『この問題はこうやって改善できたな』と、若い頃を思い出してそのまま実行するだけで、確実に成果を上げられるケースもあるんです」

　自信をもって施策を講じられるのは、30年大手飲料メーカーに勤め、現場に従事してきたことが大きいと言います。

　「一工員として入社して、まずは製造技術の初歩を学び、次に設備の入れ替え、次に新しい生産ラインの構築と、少しずつステップを踏んできました。北関東で新工場を建設する際には工場の将来を担うリーダーとしてさまざまな役割を任せていただきました」

　知見を蓄えた青木さんは、大卒社員と同じキャリア組に昇進。とある地方での新工場設計のプロジェクトでは責任ある立場を担い、先進的な機器を導入するなど、操業拠点の新設で最前線に立ってきました。

　「徹夜も結構やりましたが、この時の経験は、今の自分の礎ですね。当時、同業他社では設備投資にそれほど注力しておらず、参考にできる前例も多くはありませんでした。チャレンジを重んじる企業風土の下、私のような者に製造工場の1ラインをゼロから作れる機会を与えていただいたことを、本当に感謝しています」

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