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フリーランス保護法 その5

竹下勇夫

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テーマ:フリーランス保護法

 これまで、フリーランス保護法の概要について簡単に説明してきました。
 次に、ガイドラインについて、その要点を説明します。
 

1 独占禁止法、下請法、フリーランス保護法、労働関係法令とフリーランスとの適用関係

 事業者とフリーランス全般との取引には、独占禁止法、下請法及びフリーランス保護法を広く適用することが可能であることから、ガイドラインはその適用関係について次のように述べています。
 すなわち、フリーランス保護法と独占禁止法のいずれにも違反する行為については、原則として、フリーランス保護法を優先して適用し、フリーランス保護法と下請法のいずれにも違反する行為については、原則として、フリーランス保護法を優先して適用する、としています。
 また、フリーランスとして業務を行っていても、実質的に発注事業者の指揮命令を受けて仕事に従事していると判断される場合など、現行法上「雇用」に該当する場合には、労働関係法令が適用される、としています。

2 独占禁止法との関係

(1)優越的地位の濫用規制についての基本的な考え方
 ガイドラインは、「自己の取引上の地位がフリーランスに優越している発注事業者が、フリーランスに対し、その地位を利用して、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることは、当該フリーランスの自由かつ自主的な判断による取引を阻害するとともに、当該フリーランスはその競争者との関係において競争上不利となる一方で、発注事業者はその競争者との関係において競争上有利となるおそれがあるものである。このような行為は、公正な競争を阻害するおそれがあることから、不公正な取引方法の一つである優越的地位の濫用として、独占禁止法により規制される。」としています。そして、「例えば、①発注事業者が多数のフリーランスに対して組織的に不利益を与える場合、②特定のフリーランスに対してしか不利益を与えていないときであっても、その不利益の程度が強い、又はその行為を放置すれば他に波及するおそれがある場合には、公正な競争を阻害するおそれがあると認められやすい。」と述べています。

(2)独占禁止法(優越的地位の濫用)・下請法上問題となる行為類型
 ガイドラインは、これらの行為類型について、行為類型ごとにその考え方を明らかにし、想定例を示しています。いずれも具体的に示されていますので、この点についてはガイドラインで確認してください。

                                         ‐続‐

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専門家

竹下勇夫(弁護士)

弁護士法人ACLOGOS

検察官として10年、弁護士として30年超のキャリアを有し、高い専門性が求められる企業法務を得意とする。沖縄弁護士会会長等の公職を歴任する傍ら、琉球大学大学院法務研究科(現在は学部)講師の顔を持つ。

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