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フリーランス保護法 その2

竹下勇夫

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テーマ:フリーランス保護法

特定受託事業者

フリーランス保護法は、「フリーランス」という言葉は使用しておらず、「特定受託事業者」という言葉を使用しています。そして、「特定受託事業者」を、業務委託の相手方である事業者であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。

一 個人であって、従業員を使用しないもの

二 法人であって、一の代表者以外に他の役員(理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事若しくは監査役又はこれらに準ずる者をいう。第六項第二号において同じ。)がなく、かつ、従業員を使用しないもの

と定義しています。要するに、従業員を使用しない個人事業主と代表者一人のみが存在し従業員を使用しない会社等の法人を「特定受託事業者」として、これらの者に係る取引の適正化や就業環境の整備を図るとしているのです。

業務委託事業者・特定業務委託事業者

また、特定受託事業者に業務委託をする事業者を「業務委託事業者」、業務委託事業者のうち、個人であって、従業員を使用するもの、または法人であって、二人以上の役員があり、又は従業員を使用するものを「特定業務委託事業者」と呼んでいます。

さらに、「業務委託」を事業者がその事業のために他の事業者に物品の製造・加工又は情報成果物の作成を委託すること。

事業者がその事業のために他の事業者に役務の提供を委託することと定義しています。

そして、フリーランス保護法は、

1 特定受託事業者に係る取引の適正化を図るために、

(1)業務委託事業者は、特定受託事業者に対し業務委託をした場合は、直ちに、特定受託事業者の給付内容、報酬の額、支払期日その他の事項を、書面又は電磁的方法により特定受託事業者に対し明示しなければならない。

とし(3条)、報酬の支払期日等について

(2)特定業務委託事業者が特定受託事業者に対し業務委託をした場合における報酬の支払期日は、当該特定業務委託事業者が特定受託事業者の給付を受領した日から起算して60日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定められなければならない。

としています(4条)。

なお、(2)の報酬の支払期日等に関する規制の主体は特定業務委託事業者ですが、(1)の給付内容等の明示義務の主体は(2)と異なり「業務委託事業者」ですから、一人親方や社長一人で他に役員や従業員のいない会社も含まれることにご注意ください。

                                        ‐続‐

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専門家

竹下勇夫(弁護士)

弁護士法人ACLOGOS

検察官として10年、弁護士として30年超のキャリアを有し、高い専門性が求められる企業法務を得意とする。沖縄弁護士会会長等の公職を歴任する傍ら、琉球大学大学院法務研究科(現在は学部)講師の顔を持つ。

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