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労働時間と割増賃金のお話(27)

竹下勇夫

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テーマ:労働時間と割増賃金のお話

~割増賃金(その6)~


 労働基準法37条の割増賃金は、支払わなければならない最低額を定めたものですから、同条の計算方法で求められる金額以上の額を支払う限り、同条に定める支払方法による必要はありません。
 これに関連して最近よく問題となっているのが、割増賃金を定額で支払うことができるかということです。

 この点、よく裁判で問題とされる類型として、

① 基本給のうち一定額に同条所定の割増賃金が含まれている(組込型)
② 同条所定の割増賃金を支払う代わりに一定の手当が支給されている(手当型)


の二つがあります。このような「組込型」「手当型」による方法で割増賃金を支払ったことになるのかという問題です。職業運転手に対する割増賃金の支払に関して問題となることが多いようです。

 この問題は大変難しい問題で、最高裁判所の判決も比較的多く出されていて、その判決の理解にも困難を伴うことが多いのですが、困難を承知で説明していくことにしましょう。

                                        -続-

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専門家

竹下勇夫(弁護士)

弁護士法人ACLOGOS

検察官として10年、弁護士として30年超のキャリアを有し、高い専門性が求められる企業法務を得意とする。沖縄弁護士会会長等の公職を歴任する傍ら、琉球大学大学院法務研究科(現在は学部)講師の顔を持つ。

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