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労働時間と割増賃金のお話(17)

竹下勇夫

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テーマ:労働時間と割増賃金のお話

~時間外労働・休日労働(その4)~


 第二に、36協定は「書面」により締結する必要があります。

 第三に、労働基準法36条2項は、36協定には以下の事項を定める様に求めています。
(1) 時間外労働時間又は休日労働をさせることができることとされる労働者の範囲
(2) 対象期間(一年間に限る。)
(3) 時間外労働又は休日労働をさせることができる場合
(4) 対象期間における一日、一箇月及び一年のそれぞれの期間について時間外時間をさせることができる時間又は労働させることができる休日の日数
(5) 労働時間の延長及び休日の労働を適正なものとするために必要な事項として厚生労働省令で定める事項

 そして(5)については、労働基準法施行規則17条が、次の事項を定めています。
①36協定(労働協約による場合を除く。)の有効期間
②協定の対象期間(一年)の起算日
③法第36条第6項第2号及び第3号に定める要件を満たすこと。
等です。

③の次項は、時間外労働の上限に関する要件のことですが、この点については次回詳しく説明します。
 第四に、36協定は労働基準法施行規則16条1項に定める様式9号により、所轄の労働基準監督署長に届け出る必要があります。

                                       —続—

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専門家

竹下勇夫(弁護士)

弁護士法人ACLOGOS

検察官として10年、弁護士として30年超のキャリアを有し、高い専門性が求められる企業法務を得意とする。沖縄弁護士会会長等の公職を歴任する傍ら、琉球大学大学院法務研究科(現在は学部)講師の顔を持つ。

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