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労働時間と割増賃金のお話(15)

竹下勇夫

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テーマ:労働時間と割増賃金のお話

~時間外労働・休日労働(その2)~


労働基準法36条1項は、「使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては、第32条から第32条の5まで若しくは第40の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この条において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによって労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。」と規定しています。

 この協定のことを一般に「36協定(サブロクキョウテイ)」と呼んでいます。
 つまり36協定を締結していれば、使用者は労働者に対し時間外労働や休日労働をさせることができるということになります。詳しく見ていきましょう。

 まず、36協定を締結する前提として、労働契約上、使用者が労働者に対して時間外労働や休日労働を命ずることができる権限を有していることが必要です。通常は就業規則にその旨の記載がありますが、そうでない場合には個別の労働契約においてその旨が記載されている等、使用者がそのような権限を有していると認められることが必要です。

 そのうえで36協定を締結することによって使用者は労働者に対して時間外労働等を命ずることができることになります。
                                         —続—

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専門家

竹下勇夫(弁護士)

弁護士法人ACLOGOS

検察官として10年、弁護士として30年超のキャリアを有し、高い専門性が求められる企業法務を得意とする。沖縄弁護士会会長等の公職を歴任する傍ら、琉球大学大学院法務研究科(現在は学部)講師の顔を持つ。

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