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令和3年の民法等の改正(17)

竹下勇夫

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テーマ:民法等の改正

~不動産登記法の改正①~

 令和3年の改正においては、不動産登記法の見直しもされました。所有者不明土地とは、不動産登記簿により所有者が直ちに判明せず、又は判明しても連絡がつかない土地を指しますが、不動産登記簿のみでは所有者等の所在を確認することができない理由として、①相続による所有権の移転の登記がされていないこと、②住所の変更の登記がされていないこと、が多数を占めています。そこで、所有者不明土地の発生を予防するための仕組みを構築するに当たっては、①及び②の原因への対策を重点的に検討することとされました。このような観点から、不動産登記法の改正が行われました。

 まず、不動産登記法第76条の2が新設されて、相続登記の義務化が図られました。すなわち、所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、相続により所有権を取得した者、又は遺贈により所有権を取得した相続人は、相続の開始があったことを知り、かつ、所有権を取得したことを知った日から3年以内に、所有権の移転雄登記を申請しなければならないとされました。また、法定相続分の登記の後に遺産分割がなされた場合には、改正同条第2項が適用され、遺産分割によって法定相続分を超えて所有権を取得した者は、遺産分割の日から3年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならないとされました。そして、本条によって新設された登記の申請義務は、「公法上の義務」とされ、違反した者に対しては、同法第164条第1項により、10万円以下の過料が課されることになります。    —続—

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専門家

竹下勇夫(弁護士)

弁護士法人ACLOGOS

検察官として10年、弁護士として30年超のキャリアを有し、高い専門性が求められる企業法務を得意とする。沖縄弁護士会会長等の公職を歴任する傍ら、琉球大学大学院法務研究科(現在は学部)講師の顔を持つ。

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