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令和3年の民法等の改正(16)

竹下勇夫

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テーマ:民法等の改正

~遺産分割の見直し⑤~

 次に、遺産分割の禁止に関する改正です。
  
 現行法は、遺産分割の禁止に関して、民法第907条第3項で家庭裁判所、第908条で被相続人が遺言で、行うことができる旨を定めており、禁止期間は、遺言による場合は、相続開始の時から5年を超えない期間とされていましたが、相続人当事者間の協議で遺産分割禁止期間を定めることができるかどうかについては規定がなく、解釈によって認められていました。

 そこで改正民法第908条第2項は、共同相続人は、5年以内の期間を定めて、遺産の全部又は一部について、分割をしない契約をすることができ、その終期は、相続開始の時から10年を超えることができないこと、第3項において、前項の分割禁止契約は、5年以内の期間を定めて更新することができるが、その期間の終期は、相続開始の時から10年を超えることができないこと、第907条第3項にあった家庭裁判所による分割禁止の規定を改正第908条第4項に移して、家庭裁判所における分割禁止の審判においても、期間は5年以内であること、第5項において、5年以内の期間を定めて更新できること、いずれの場合においても、終期は相続開始の時から10年を超えることができないことが明確にされました。   —続—

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専門家

竹下勇夫(弁護士)

弁護士法人ACLOGOS

検察官として10年、弁護士として30年超のキャリアを有し、高い専門性が求められる企業法務を得意とする。沖縄弁護士会会長等の公職を歴任する傍ら、琉球大学大学院法務研究科(現在は学部)講師の顔を持つ。

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