嚥下障害の方は餅は禁忌です
皆さん、こんにちは!いかがお過ごしですか?
津谷歯科医院 院長の津谷 良です。
2013年2月15日の日本歯科医師会発行の「日歯広報」に
医療ジャーナリストの前野一雄氏が「肺炎が9割も減少した」というタイトルで寄稿されていましたので、興味深く読ませていただきました。
今回はこの記事について紹介します。
北海道夕張市と隣町での2箇所の同規模の特別養護老人ホームの比較研究の結果です。
夕張市の施設は歯科衛生士指導により介護職員に専門的口腔ケアを行い、
我流のブラッシングを脱却させて、効果的な口腔ケアを身につけました。
そしてプライマリケア医による肺炎球菌ワクチン接種を全員に行いました。
しかし他の施設では専門的口腔ケアの経験のない介護職員による日常の口腔清掃のみです。
平成21年11月から1年間にわたって両ホームの入居者100人について調べたところ、
肺炎発症数は前者が2人、後者が34人と94%も少ない結果となりました。
高齢者が肺炎になって入院治療に要する医療費は一人当たり平均50万円かかるそうです。
すなわち夕張市の特養ホームでは肺炎予防による医療費を1500万円超も削減できたことになります。
したがってワクチンと口腔ケアの相乗効果が肺炎予防及び医療費削減につながったのです。
しかし、口腔ケア指導を中止して、1年後の肺炎の推移を見たところ、
発症者は2人から11人に激増したそうです。
やはり定期的な専門家による」チェック体制は欠かせません。