木材の乾燥方法、自然乾燥材と人工乾燥材の違い
From:磯崎慎一
サンオリエント事務所のデスクより
こんにちは!!
2年半前に好評だったのに、最近記事の山に埋もれて誰の目にも触れなくなってきた連載コラムを再度紹介しているこの企画。
木造やRC造それぞれのメリット&デメリットや健康自然素材の事を書いてます。
今日はその第四弾!
ぜひ読んでみて下さいm(_ _)m
その4 木造住宅を建てるのはどれくらいの時間が必要?
在来工法の施工期間は約半年
今回のコラムは、木造在来工法の工程と工期についてです。
在来工法は軸組工法とも言われますが、
これは「軸組」(建物構造の骨組み)である柱、土台、桁などを垂直・水平に組み合わせ、
そこに床や小屋根を施工することから名付けられました。
古民家やもっと古い社寺なども在来工法で造られていますが、
技術の進歩によって工法は変わっているため、
昔ながらの方法を踏襲したやり方は「伝統構法」と呼んで区別しています。
通常、施主さまのゴーサインが出て現地調査をしてから、
完成するまで約半年かかります。緻密で専門的な作業の繰り返しとなり、
施主さまにとってよくわからない部分も多いかもしれませんが、
下記に手順をまとめましたので参考になさってください。
現地調査から土台敷きまで(約2カ月間)
・ステップ1:現地調査
施主さま同行で境界の確定をします。
同時に施工者は、面積を計測し、敷地に係る法律を確認し、
電気・ガス・水道のインフラのチェックを行います。
建て替えであれば、解体工事も加わります。
・ステップ2:地盤調査
地盤沈下など地盤の異常がないかを調査・試験します。
状態に応じて地盤の補強策をとります。
・ステップ3:仮設工事
メインとなるのは地縄張りと遣り方です。
地縄張りとは、これから建てる家の形に沿って紐を張っていき、
敷地境界と壁との距離や給排水経路の確認をすることです。
遣り方とは、建物外周に木杭を打ち込み、
それに板をつけて囲いを作ることです。
これで、建物のおおまかな外周を把握できます。
・ステップ4:地鎮祭
地鎮祭とは、神主らが、土地の神へお祈りを捧げ、
工事と住宅の安全・安寧を祈願する儀式です
(もっと早い初期の段階で、地鎮祭をすることもあります)。
・ステップ5:地業工事
地業工事とは、基礎を支えるための下準備です。
最初に行う根伐り(掘り方とも)とは、
地盤を掘削し、石を敷き詰め、転圧によって突き固めていく、
いわば基礎の基礎固めともいうべき工程です。
その後、防湿シートもしくは遮熱材のコンクリートパッドを一面に敷き、
その上に墨出し(建柱の中心線などの位置を書き込むこと)用にコンクリートを流し込みます。
これを捨てコンクリートと呼びます。
・ステップ6:基礎工事
墨出しに沿って、縦横に鉄筋を張りめぐらせ、
コンクリートを打設する配筋作業を行います(
木造住宅でも基礎部分は鉄筋コンクリートです)。
これは、家の重さを受け止るとともに、
地中からの湿気・シロアリ侵入を防止する重要な役目を果たします。
・ステップ7:土台敷き
土台敷きとは、コンクリートで形成した基礎の上に、
土台、大引、根太といった木材を設置する作業のことです。
これらの部材は、下部の基礎と、上部の建物構造をつなぐ役割を担っています。
プレカットされた木材が搬入されるのは、この段階になってからです。
建て方から外装工事まで(約2カ月間)
・ステップ8:建て方
いよいよ構造材の組み立てに入ります。
最初に土台の上に柱を立てていきます。
1階、2階の順に、胴差し・梁を柱と柱の間に渡し、つないでいきます。
サッシが入る位置には、窓の枠組みを構築します。
垂木や母屋(もや)など屋根部分の部材を張りめぐらせ
屋根部分の骨組みを構築し終わったら、建て方は完了です。
屋根の一番上の棟木取り付けが建て方の終わりの方の手順になることから、
建て方が終わることを上棟と呼びます。
工事が折り返し地点に来たことを祝うため、上棟式を行います。
・ステップ9:床組工事
床組とは、床面を支える種々の部材のことで、
主に根太と火打ち土台もしくは(根太を使わない場合)剛床を指します。
それが終わると、床材を張っていきます。
・ステップ10:筋交いや屋根などの躯体工事
筋交いとは、柱同士の対角線上に「バッテン」印のように施工する木材で、
耐震性を強化するためのものです。
垂木の上には遮熱材リフレクティックスを貼ります。
これはサンオリエントで採用している断熱ではない遮熱工法です。
(屋根の工法によっては、垂木の下から遮熱材を貼り付ける場合もあります。)
遮熱材リフレクティックスの上には胴縁を打ち付けその上に野地板を貼る様になります。
さらにその上に防水シートを張り、スレートか瓦もしくは金属屋根を葺いていきます。
・ステップ11:外壁(外装)工事
工事中の雨を考え、壁は外側から施工していきます。
まず壁となる部分全体に遮熱材リフレクティックスを張り、
それから胴縁と呼ばれる木材を、柱から柱へ渡して覆う感じで施工します。
そして外壁を施工します。
外壁工事の一連のプロセスでは、電気配線やサッシまわりの施工もありますが、
たいていは同時進行で進んでいきます。
だいぶ家らしくなってきました。次は内装関連の作業が待っています。
内部仕上げ~竣工検査(約2カ月間)
・ステップ12:内部仕上げ工事
フローリングなどの床張りと、クロスなどの壁紙を張ったり、
漆喰を塗ったりする作業がメインです(畳はもっと後の段階で敷きます)。
配管工事なども、このあたりのステップで同時進行的に行います。
・ステップ13:塗装工事
軒天など塗装がされていない箇所の塗装を行います。
この段階で、足場の必要性がなくなり、足場を外します。
・ステップ14:造作・住宅設備設置
棚や家具などの造作を行い、室内に据えつけます。
システムキッチンや照明などインテリア関係の設備も取り付けていきます。
・ステップ15:竣工検査
家が完成します。
問題がないか、施工者、施主さま、第三者機関の目でチェックします。
問題がなければ、引き渡しとなります。
★イベント
建物の建築に関わる節目節目の行事はご家族にずっと残される大切な記念です。
当社では地鎮祭や棟上げをはじめ、上棟の後にはご家族の思い出を柱や梁に残す「手形式」を行っています。
またお引き渡しの際にはテープカットでお家に入って頂く「お引き渡し式」もご用意しています。
是非盛大にとり行って、思い出を増やしていきましょう!!
本日も長文最後まで読んで頂きありがとうございました!
磯崎慎一