RC造住宅の特徴とメリット・デメリット
高校を卒業した私が就職したのは四国発祥の某中堅ゼネコンでした。
世の中がバブル景気へと盛り上がりを見せていた時代だったので、
建築業界ではどこも人手が足りず、空前の売り手市場だったのを覚えています。
地元には大手ハウスメーカーからの求人もありましたが、
「最も規模の大きな仕事をしている会社がいい」
と考えたため、このゼネコンを選んだのです。
就職先のゼネコンは大阪に本社を構え、そのほか全国に六つの支店がありました。
私が配属されたのは高松にある四国支店でしたが、創業者がもともと四国の出身であり、
地元では宮大工をしていたことから、この支店だけは仕事の質が少し違っていました。
地元の資産家が建てる一軒あたり数億円という住宅建築の仕事を請け負っていたのです。
もちろん工法はRC造ですが、邸内には茶室など本格的な和の空間をしつらえるケースが少なくありませんでした。
当然、ビル建築や公共事業なども請け負っていたので、四国支店での仕事では、
ゼネコンの十八番であるRC造の技法に加え、
欄間や床柱の仕上げなど繊細で複雑な和の技術が必要とされる特別な施工法を学ぶことができました。
そこで培われた経験は、現在も住宅を造る仕事にたいへん役立っています。
~~~つづく~~~