噛むことの重要性
日常生活の中で、上下の歯を噛みしめていないか自分で注意してみて下さい。歯の噛みしめやくいしばり
は歯や顎に非常に大きな負担をかけます。
1 本来、人間の上下の歯が接触するのは、ものを噛むときと飲み込むときだけだと
いうことを覚えておいて下さい。
2 もし噛みしめやくいしばり、歯ぎしりなどをしていると、あなたの歯は摩擦し続け、
いろいろなところにしみる感じがしたり、ヒビ割れが進んで、ときには歯が壊れて
しまうことさえあります。お口のまわりの筋肉や関節が破壊され続け、なかなか
治らないという結果になることもあります。
◆かみしめ、くいしばりで起こる問題◆
①歯への障害
歯の摩耗、歯の破折、歯がしみる、噛むと痛い、修復歯の破損など
②歯周組織への障害
歯肉炎、歯周病
③顎関節への障害
顎関節痛、開口障害、かっくん音(雑音)
④全身への障害
顔面痛、頭痛、肩こり、腕のしびれ、腰痛
⑤その他
舌痛症、むちうち症状、倦怠感、難聴、耳鳴り、めまいなど
3 これらの症状のすべてが、歯ぎしりや噛みしめからくるわけではありませんが、無用な悪いくせは
治しておく方がよいと思います。このくせは眠っている時、あるいは何かに夢中になっている時に
起こるので気づきにくいし、一般的には自覚がない場合が多いので治すのも同じ理由で治りにくい
ものです。
4 噛みしめや歯ぎしりの習慣をやめる最も効果的な方法は、唇を閉じて歯を離す感覚を覚えること
です。「唇を閉じて上下の歯を離し、頬の筋肉の力を抜く」ことを意識してみて下さい。このことを
一日に何度も練習して下さい。この簡単な方法で、顎関節とお口の周りの筋肉は非常にリラックスし、
緊張やこわばりから解放されます。また知覚過敏が軽減し、歯の寿命も格段に延びることが
報告されています。
5 それでも症状が治らない場合は、個人の歯型に合ったプラスチック又はゴム製のナイトガードを
使用します。ナイトガードは保険適用で5000円くらいで作ることができます。