酸蝕症って何?
こんにちは。
前回までは歯周病についてのお話をさせていただきましたが、今回からは、むし歯についてのお話をさせていただこうと思います。
むし歯の治療というと、これまではむし歯になった部分を削って詰めることが治療の主体でした。
むし歯が進行し、神経まで到達してしまうと、神経を取らなければなりません。そうなってしまうと、治療回数も多くなり、時間の経過とともに歯が割れるといった症状が出る等、歯の寿命が問題となるような場合が多くなります。
しかし、近頃は、以前のようなむし歯ができたら治療をするといった考え方から、むし歯ができる原因を追及して、むし歯の進行に応じた治療内容やむし歯になりにくい方法(むし歯予防)というように、むし歯を総括的に考えるカリオロジーという概念が広まってきています。
カリオロジーとはカリエス(むし歯)+オロジー(学問)の造語で、むし歯学というようなものです。
むし歯は、一つの細菌が出す酸によって歯が溶ける病気ではなく、口の中にいる多くの種類の原因菌による複合感染症であることがわかってきました。
このように、カリオロジーはむし歯の原因を特定し、むし歯の予防からむし歯が原因で起こる歯の神経の治療や、歯の根の先が化膿したときの治療まで、むし歯に関わる治療全てを包括した学問です。